悠山人の新古今

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162 色にだけ心が

2006-02-21 06:00:00 | 新古今集

 釈教の歌を女性はどう詠んだか。作者明記のなかでは、まず肥後(肥後守藤原定成の娘)が、目に浮かぶような作品を残している。「あふち」(樗)は栴檀。
   1930 紫の雲の林を見わたせば
       法にあふちの花咲きにけり    肥後
 二人目が小侍従。宮廷女性の仏教理解が、男性に一歩も退かないことが、よく分かる一首である。詞書に「心経の心をよめる」と。
 ひらかなy162:いろにだけ こころがそまる むなしさを
          しってはれやか はんにゃしんぎょう
 ひらかなs1937:いろにのみ そめしこころの くやしきを
          むなしととける のりのうれしさ
【略注】○色=この世の全ての事象。古来のやまとことば(color)に、中国
    仏教の影響を受けた意味(phenomena)が、掛けられている。以下、
    『般若心経』のなかで最も有名な「色即是空」を詠う。
    ○法(のり)=仏法。
    ○小侍従=悠 022 (07月23日条)既出。


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