昨日に続いて医療の問題を。医療関係の機関紙を何気なく読んでいると、モンスターペイシェントの話題が出ていた。
記事を読んでいて、医師も医師なら、患者も患者やなあと思ってしまう。それに根っこの所はモンスターペアレントと共通の背景があるなあと・・・
「赤ひげ先生」の時代はどこへ行ったのかと思ってしまうし、純粋培養で英才教育を受けた世間知らずの医師の世界では赤ひげ先生は出て来ようがないし、一方、今の社会は「赤ひげ先生」を受け入れる土壌が希薄になっても来ている。
思うに、インフォームド・コンセントという横文字が出始めた時に日本では医師と患者の人間的な信頼関係が消滅し始めた。代わりに西欧社会と同じようにル―ル・規則を信頼するようになってきた。
ただ悲しいことに、日本人には医師にも患者にも、「赤ひげ」時代の遺伝子の残像があり、それが徹底的にドライな西欧化を阻んでいるように思うし、そこにモンスターが出てくる素地があるように思える。
片や保身を図る医師に、片や訳の分からない不信感を抱き、言葉や行動の暴力で迫る患者・・・・
医師は赤ひげ先生時代の患者をイメージし、患者は赤ひげ先生時代の医師をイメージしながら葛藤する。