昨日、テレビで津波伝承者のおばあさんが紹介されていた。子供のころに出会った津波の恐ろしさと、その津波でなくなった父がいつもいっていたという「自分のことは自分で守る」を今も心にとどめておられるという。
今回の津波被害の市町村は多くが津波対策をハード・ソフト両面からしっかりとたてられていた。防波堤も整備され、津波訓練も毎年実施されていた。
なのに、これほどの被害が出てしまった。想定をはるかに上回る津波が根本的な要因だろうけれど、もうひとつありそうな気がする。
それは「オオカミ少年」の例えだ。気象庁の各種気象情報の神経質なほどのオーバー情報は際限がない。確かに万が一の状況を考えればオーバー気味になるのは仕方ないが、それが頻繁になると、住民は緊張感を保てなくなる。
国民も国民でやはり自分の事は自分で守る姿勢を持たないと。何かあれば役所を批判するという姿勢を改めないと、役所のオーバーアクションを止められなくなる。それを誘導するマスコミも共犯のように思う。
10年ほど前に有珠山噴火災害で現地に行った。しばらくして現地の何人もの方から「もう噴火しないから、早く家に戻らせてくれ」と懇願された。しかし、火山予知会で安全宣言がない限り、立ち入りは許されない。開放までどの位を要したのか。現地の方がいうとおり、一切、再噴火はなかった。彼らは3度の噴火を体験しており、その経験から言われていたのだが。
そのあと、三宅島でも噴火があって、いつ再度噴火があるかわからないので、島へ戻るのが制限されていたが、その制限を解除したのは石原都知事だったと思う。火山予知会の意見を無視しての決断だった。しかし、それ以降、三宅島は噴火していない。
三陸海岸沿いは今までに何度も津波注意報・警報、大津波警報などが発令されていたと思う。しかし、いつも気象庁の発表内容のような津波は来なかった。そして、今回も「また、そうかも」があったのでは・・・