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トヨタ社長会見海外反応(2) Save face with bows, apology

2010-02-07 | 世界から見た日本
2010年2月7日(日)

トヨタの記者会見に、記者を送りこんだABC放送は、トヨタ問題特別調査チームのRoss Brian記者に、日本特有の企業不祥事と企業トップの行動の特徴を次のように報道させている:

『日本社会において、「面子がつぶれることと恥をかくこと」はきわめて大きな意味を持っているが、金曜日のトヨタの記者会見で豊田社長は何度も頭を下げ、謝罪を繰り返した。

同社長はまず日本語で謝罪の後、英語で「お客様が運転されるときに警戒されていると思うと少々心配です。でも私を信じてください。(But believe me)トヨタ車は安全です。私たちは製品の品質の改善に努めています」(直訳)「と述べた。

日本社会では、このような事件の際、トップが頭を下げ謝るのは絶対必要なこととされている。日本では責任を追及された会社幹部が自殺するのは珍しいことではない。1998年以来自殺した役員の数は10人をくだらない。

そしてその頭を下げる角度が深ければ深いほど深甚なる謝意の表明になるが、Kelt東大教授はその理由として、「深々と頭を下げると首が見える。それは首をはねられてもよいと差し出すことを意味する」と解説している。

しかし今回の問題は、豊田社長のせいではなく歴代社長のコストダウンの行きすぎの結果であると誰もが知っているので、「頭を下げて謝るだけでよくて、首を差し出す必要はない」のだ。("For him, the apology may suffice.")

また、日本では行過ぎた愛社精神は往々にして不祥事の隠蔽工作に社員が走り勝ちである。元トヨタ米国顧問弁護士Dimitri Biller氏が、「トヨタ本社からの命令で、会社は安全問題に関する証拠を隠蔽し、破棄した」と述べている。

これについて、トヨタは過去に米国当局に安全に関する情報の提出をしなかったことがあるかとABC記者が質問した。( Has Toyota withheld safety information from US regulators over the years?")

これに対して、同社長の回答は「会社は誠意を持って100%の協力をするつもりだ」(英語放送から逆直訳)であった』

以上が放送の概略である。