世界の動きを英語で追う

世界と日本の最新のできごとを、英語のキーワードを軸にして取り上げます。

オバマ大統領は「無知」と非難 Chavez called Obama“ignorant”

2009-03-23 | グローバル政治
2009年3月23日(月)

南米ヴェネズエラの、チャベス大統領は、オバマ大統領を名指しで、無知だと決め付け、「ラテンアメリカのことをもっと勉強すべきだ」と論難した。さらに続けて、「駐米大使を指名しようとしたが、オバマ大統領が、自分のことをテロを輸出し、ラテンアメリカの発展の障害になる存在であると非難したので、延期した」と発言。

「オバマ大統領は、かわいそうにも無知蒙昧である。もっと本を読んで現実を勉強したらよい」といいたい放題を、TV/ラジオ演説したのである。

さらに続けて、「われわれを尊敬しないなら、北米帝国には毅然と、対峙していく」と、宣言したのであるが、毒舌は衰えることはなく、健在である。(同大統領は、医者から声を出さないようにしてのどを守れといわれているのであるが、聞くそぶりも見せない。)

米国の裏庭(backyard)で、反米路線を公然と取り、中国・ロシアと接近して、挑発行動をとるチャベス大統領の意気はますます軒昂であり、石油収入を貧民に配って、その国民的人気はいやがうえにも盛り上がっている。

オバマ、イランを正式呼称で呼ぶ Islamic Republic of Iran

2009-03-23 | グローバル政治
2009年3月23日(日)

オバマ大統領は、イラン暦の正月に向けて、米国大統領としてはじめて、ビデオメッセージを送った。その中で、もっとも注目されるのは、イランをIslamic Republic of Iranと正式名称で呼びかけたことである。今までは、イランの政権(Iranian regime)などのように、正式な政府として認めない立場を、その呼称を以って示してきたのである。

約30年前に、王政がイラン革命によって打倒されたあとに起こった米国大使館占拠、大使館員人質事件は、米国外交史上の最大の汚辱として、イラン敵視政策をとり続ける原因となった。歴代大統領は、イラン敵視政策を継承してきたが、特にブッシュ元大統領は、9/11直後の2002年の年頭教書でイランを「悪の枢軸」(evil axis)と表現して攻撃したことは記憶に新しい。

今回のビデオメッセージが意味するところは、オバマ大統領としては、こうした長年の敵対関係に終止符を打つ準備に入ったと見てよいということである。すでに、今月に入って、アフガニスタン関係国会議にイランの参加を招請している。オバマ大統領としては、イラクを切り上げ、アフガニスタン「平定」を実行するためには、イランの協力は不可欠であるとの認識に立っているのである。

しかし、核開発疑惑と中距離弾道弾開発という、イスラエルが、安易な妥協を米国に許さない問題はまだ解けてはいない。対イラン制裁の解除が、どのような道筋で行われるのか、オバマ大統領の外交政策のスピードと、イスラエル・ロビーストの妨害工作の力比べが始まっている。