世界の動きを英語で追う

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オバマドイツでの演説予定で悶着 Friction over speech venue

2008-07-14 | 米国・EU動向
オバマ米国大統領候補は、今週末から外遊の予定を組んでいます。訪問予定国として、独・仏・英・イスラエル・ヨルダンは固まったとみられますが、問題のイラクとアフガニスタンは調整中のようです。

欧米各国の首脳は、オバマ氏の外交政策に非常に懸念を示しており、特に先週ミサイル発射実験を行って核ミサイル保有の意図をあらわにして、中東安定化努力に挑発行動に出てきたイランにどういう政策を取るのか、確かめようとしています。

オバマ氏は、予備選挙序盤では、「イランとは無条件で交渉に入る」、また「イラクからは16ヶ月以内に全面撤退をする」と明言していました。

しかし民主党候補に決まってからは、それぞれ「イランは脅威である。国際的制裁を加えるべき」、「地上軍司令官から直接話を聞いて、対イラク政策はrefineする必要が出てきた」と軟化させています。

ところで、オバマ氏は、今度の訪独中に、ベルリンの象徴とも言うべきブランデンブルグ門の前で、選挙演説をすることを計画中であるとの意向を示したことから、メルケル首相を困惑(bewilderment)させてしまいました。

ブランデンブルグ門は、東西緊張時代の象徴でもあり、過去アメリカ人でこの前で演説を行ったのは、ケネディーとレーガン大統領のみです。メルケル首相は、オバマ氏に演説を許すことで、同氏支持を表したととられかねないことを潔しとしないのです。

メルケル首相はマケイン共和党大統領候補を、実は応援しているのだという説もありますし、ホワイトハウスから、させないようにとの圧力があったのだとも言われています。

欧州首脳からはどんな人物かまったく分からない「未知数」とされ、国内では外交は「未知数」との共和党からの攻撃を受けているオバマ氏の大きな試金石となる欧州・中東行脚となりそうです。

日曜の緊急会議 US mortgage crisis summit

2008-07-14 | グローバル経済
Paulson財務長官, Bernanke連銀総裁、Geithner NY連銀総裁という米国金融界の大御所三人が、13日日曜日に、米国政府系住宅金融会社Fannie MaeとFreddie Macの救済に関する緊急会議を開催しました。

月曜日のアジア市場が開く前にとの配慮から異例の日曜日開催となったとのことです。また、日曜日開催目的の一つとして、米国内の金融各社に対する経営危機のうわさが繰り返し流れて、市場が大きく動揺していることを抑制することにあると、SEC筋は明確に語っています。

この頂上会談では、「対策の方向性が合意に至った」(A shared agreement on a path forward for the two companies has been reached)とのみスポークスマンが語るにとどまっています。

さて、このアナウンスメント効果が出るかどうかは、週明けの株式市場の反応もさりながら、Frddieが本日売り出しを予定している、30億ドルの短期債券の売れ行きと価格に注目が集っています。

Paulson長官は、両社の再国有化に反対していますが、本当にその方針が貫徹できるかどうかも注目されます。少なくとも株価から見る限り、市場の信認は尽きているこの状況下で「支援のジェスチュア効果」はどう出ますか?