世界の動きを英語で追う

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極北の資源 The melting of arctic ice opens opportunity

2008-07-28 | 環境・エネルギー・食糧
北極圏アラスカ、アメラシアン海盆、東グリーンランド断層海盆、東バレンツ海盆、西グリーンランドー東部カナダ海域。これら聞きなれない5つの地名は何を意味しているのでしょうか? 

最近米国地質調査所(US Geological Suuvey:米国内務省管轄下の官庁)が、北極海の資源の埋蔵可能性についての発表を行いましたが、これら5つの海域には、北極海における未発見原油埋蔵量900億バレルのうち70%があると推定される地域なのです。同じように、天然ガスの未発見埋蔵量が集中する地域を3つ特定しました。

昨年ロシアは、北極点の真下に、ロシアの国旗を建てましたが、北極海に隣接する国々は、国境線画定のための論争をすでに二国間ではじめており、国連でも多国間の話し合いがすでに進んでいます。そしてすでに北極海は25の地域に分割されて開発計画が進められています。

こうした動きを加速している理由は二つです。原油の高騰で、厳寒の深海探査と採掘の高コストが、正当化される可能性が現実になったこと。そして地球温暖化の影響で北極海の氷が解けて、水路の確保が突然容易になったことです。

最も重要なことは、「可採埋蔵量」という経済的にも、地政学的にも重要な数字は、確実にこれから調査が進むにつれて急速に増加し、争って開発が進められ、極北の環境も確実に変わるということです。