ONE FINE DAY

「昨日のことは忘れてほしい」
「もう遅い。日記に書いた」

ちょっと懐かしい

2008-10-17 | 雑記
息子の誕生日にこんな曲聴いてます。
なお、ありがとう。
母はこのライブもすき。

Wating on world to change

John Mayer - Waiting On The World To Change

John Mayer - Waiting on the World to Change (Acoustic)

JOHN MAYER
Waiting On The World To Chang
Me and all my friends
We're all misunderstood
They say we stand for nothing and
There's no way we ever could

Now we see everything that's going wrong
With the world and those who lead it
We just feel like we don't have the means
To rise above and beat it

So we keep waiting
Waiting on the world to change
We keep on waiting
Waiting on the world to change

It's hard to beat the system
When we're standing at a distance
So we keep waiting
Waiting on the world to change

Now if we had the power
To bring our neighbors home from war
They would have never missed a Christmas
No more ribbons on their door
And when you trust your television
What you get is what you got
Cause when they own the information, oh
They can bend it all they want

That's why we're waiting
Waiting on the world to change
We keep on waiting
Waiting on the world to change

It's not that we don't care,
We just know that the fight ain't fair
So we keep on waiting
Waiting on the world to change

And we're still waiting
Waiting on the world to change
We keep on waiting waiting on the world to change
One day our generation
Is gonna rule the population
So we keep on waiting
Waiting on the world to change

We keep on waiting
Waiting on the world to change
[ www.azlyrics.com ]

対訳・中川五郎

ぼくとぼくの友だちみんな
ぼくらはまるで理解されないまま
まわりのみんなが言うには、
ぼくらはまったく立ち上がろうとしないし、
そうしたくてもやり方がわかっていないって
今のぼくらにわかるのは、
何もかもが間違った方向に進んでいるということ
舵取りしている者たちのせいで世界全体が
困難な状況を切り開いて打ち負かすだけの手段を
自分たちは何も持っていないように思えてしまう

だからぼくらは待ち続けている
世界が変わるのを待ち続けている

体制を打破するのは難しい
遠巻きに見ているだけだったら
だからぼくらは待ち続けている
世界が変わるのを待ち続けている

ぼくらの隣人たちを戦地からふるさとへ呼び寄せる
そんな力がぼくらにあれば
家族でクリスマスを過ごせないということもなくなるし
ドアにリボンを飾らなくてもよくなる
テレビが伝えていることを信じていれば
新しい情報は何ひとつ入ってこない
だってテレビの連中は手に入れた情報を
自分たちの好きなようにねじ曲げることができる

だからこそぼくらは待ち続けている
世界が変わるのを待ち続けている

ぼくらが無関心だってわけじゃない
ぼくらだってわかっている、
フェアな戦いをやっていないということが
だからぼくらは待ち続けている
世界が変わるのを待ち続けている

ヴィルヘルム・ハンマースホイ展

2008-10-16 | 美術
秋晴れの今日、友人と国立西洋美術館で開催されている、
ヴィルヘルム・ハンマースホイ展に行く。
興味のある方はHPへ。是非。

ヴィルヘルム・ハンマースホイは、
1864年に生まれ、1916年に55歳の生涯を閉じた、
デンマークの画家。
没後、急速に忘れ去られたが、近年脚光を浴びて、
こうして日本でも大々的に展覧会が開かれるに至った。
コロー展を見たときに、この展覧会のチラシを見て、
この絵を見たい!と思いいそいそと出かけていったわけだが・・。

生活感のないガランとした部屋に、
後ろ姿の妻が立っている、あるいは座っている。
同様のモチーフで一体この画家は何枚の絵を描いたのか?
まるで見る者を拒否するかのような絵を前にして、
観賞する者に何を感じ取って欲しかったのか?
この展覧会には「静かなる詩情」というタイトルがついているが、
詩情あふれるという絵ではない。
むしろ音の全くない静けさと、
感情の気配すらない女の後ろ姿に身がすくむ。
冷たい風が一瞬吹き抜けたような感じ。
しかし、思わずにはいられなくなる。
何枚も何枚も繰り返し描かれる後ろ姿を見ていると、
この部屋にどんな物語があったのだろうと。
画家の妻は何を想ってモデルになっていたのだろうと。
この夫婦はどんな会話をしていたのだろうと。
そうして、石のように固くなった想像力が、静かに動き出す。


****閑話休題*******

詩情といえば、友人にびっくり。
秋晴れの気持ちの良い日だったので、
展覧会を見たあと、外にテーブルのあるカフェでコーヒーを飲んだ。
友人の座った後ろに、白と赤の「水引草」が咲いていた。
すると突然、彼女は詩を暗誦し始めた。

夢はいつもかへつて行つた 
山の麓のさびしい村に
水引草(みづひきさう)に風が立ち
草ひばりのうたひやまない
しづまりかへつた午(ひる)さがりの林道を

高校生の頃、立原道造のこの詩「のちのおもひに」が大好きだったと。
詩を暗誦しちゃう人っているんですね。
しかも親友。
20年以上付き合っていて初めて知りました。

****「のちのおもひに」の全文はこちら。

 夢はいつもかへつて行つた 山の麓のさびしい村に
 水引草に風が立ち
 草ひばりのうたひやまない
 しづまりかへつた午さがりの林道を

 うららかに青い空には陽がてり 火山は眠つてゐた
 ───そして私は
 見て来たものを 島々を 波を 岬を 日光月光を
 だれもきいてゐないと知りながら 語りつづけた……

 夢は そのさきには もうゆかない
 なにもかも 忘れ果てようとおもひ
 忘れつくしたことさへ 忘れてしまつたときには
 
 夢は 真冬の追憶のうちに凍るであらう
 そして それは戸をあけて 寂寥のなかに
 星くづにてらされた道を過ぎ去るであらう

映画メモ

2008-10-16 | 映画
私はほぼ毎日「シネマトゥデイ」というサイトをチェックしている。

そこで見た今日のびっくりトピックス

①ケヴィン・コスナー主演の野球映画『さよならゲーム』の続編製作か?

ケヴィン・コスナーがピークを過ぎたベテラン捕手を好演した1988年の映画『さよならゲーム』の続編が製作されそうだ。ニューヨーク・ポスト紙によると、ケヴィンが『さよならゲーム』の監督ロン・シェルトンと続編について話し合っているそうだ。同作で、有望な選手を公私ともに面倒をみるのが好きな野球ファンの女性役で出演したスーザン・サランドンと、生意気な新人投手を演じたティム・ロビンスの二人も続編への再出演を期待されている。

それだけはやめてくれ!
お願いだから。

②リドリー・スコット監督のロビン・フッド映画でラッセル・クロウは二役に挑戦!

7月に製作延期が伝えられた、リドリー・スコット監督とラッセル・クロウによるロビン・フッド映画『ノッティンガム』(原題)に関して驚くべき情報が明らかになった。リドリー監督がMTVに語ったところによると、『ノッティンガム』(原題)で伝説の英雄ロビン・フッドを演じるのはラッセルだそうだ。これまでラッセルはロビン・フッドの敵であるノッティンガムの代官を演じることが明らかにされていたが、何とラッセルはロビン・フッドとノッティンガムの代官の両方を演じるというのだ。リドリー監督は、「ラッセルは両方演じるのさ!」とだけ答えて、敵同士であるロビン・フッドとノッティンガムの代官の二人を同じ人間が演じることによって、物語では二人は双子という設定にするのか、それともよく似た他人にするのか明らかにされなかった。

リドリーとラッセルってば、
ほんとに仲が良いね。
お代官様はアラン・リックマンでもいいんじゃない?


GOYA'S GHOSTS

2008-10-14 | 映画
「宮廷画家ゴヤは見た」を私は見た。

これほどまでに鮮烈なラストシーンが他にあっただろうか?
ことこまかに書きたくてうずうずしているのだが、
未見の方のためにここは我慢しておく。

あまりに見事なラストの映像に私は感動で涙がぽろぽろ止まらなかった。
物語に「アマデウス」ほどのダイナミズムはないにしろ、
さすがはミロス・フォアマン監督!と唸った。

シェークスピアのこんな言葉を思い出す。

人生はただ歩き回る影法師、哀れな役者だ。
出場の時だけ舞台の上で、見栄をきったりわめいたり、
そしてあとは消えてなくなる。

レンブラントの自画像を見たときに感じる、
全てを包み込むような人間賛歌にも似ている。
悲劇も喜劇も栄光も挫折も愛も憎しみも赦しも罪と罰も、
全てが混然として昇華する。

機会があったら是非映画館で見てください!!
この映画を見たら、ゴヤの絵がさらに輝きを増して、
活き活きと見えてくることでしょう。

ルソー「戦争」

2008-10-10 | 美術
美術メモ*その1*
好きな絵画や、気になる画家について、
本を読んだり、TVで見たりして印象に残ったことを忘れないように、
メモしておこうと思い立ち今日から始めることにした。

先日図書館から借りた瀬木慎一著「西洋美術事件簿」に
ルソーの「戦争」について書かれたこんな文章があった。

**抜粋**
ギリシャの軍神アレスは、不和の女神である姉妹と二人の息子、
デイモス(恐れ)とポボス(恐怖)をいつも連れて、
人殺しを楽しみ、戦争をしかけ、戦場を見てほくそ笑む。
ポボスは彼の戦車を引く馬の一頭であり、
他は火と炎と災難だった。
その歴史的な図像に基づいてそれは描かれていて、
炎の雲と森に囲まれて、鳥が群がり、累々と横たわる死者の上へ、
一頭の黒馬から火と剣を持ったアレスが飛び降りる、
という凄絶な一瞬が描かれている。
******

真ん中で馬に乗ってるんだか宙に浮いているんだかわからなかった、
白いワンピースを着た少女だと思っていた人は、
ギリシャ神話の、男の!神様だったんですね!

娘とこの絵を見るたびに(not本物、たぶん本やPCで)
残酷きわまりない戦場を描いた絵だとわかってはいても、
あののっぴきならない白いワンピースの少女に、
思わず笑い転げてしまっていた不謹慎きわまりない母と娘でした。
ギリシャ神話の神様もルソーの手にかかれば、
これほどまでの強烈さを放つのだ!!
黒馬も然り。
そして、乗っているのか浮いているのかの疑問は、
まさに飛び降りんとしている瞬間という解説に、
思わず膝をうってしまいました。(いてててて)

ここでまたひとつ疑問が。
ルソーが渾身の想像力で描いた軍神アレスとは?
調べましたとも。

まず、ギリシャ神話に登場する男神の中では1~2を争う美男子。
しかし、大変に困った性格、というか人格というかで、
粗暴、残忍、無思慮、荒くれ者。
腕っ節が強いだけで頭は空っぽ。
父(でないという説もある)ゼウスにも疎まれるほどの馬鹿息子。
恥かきエピソードには事欠かない。
なかでも有名なのは、
愛と美と性の女神アフロディーテとの不倫事件でしょうか。

アングル「アフロディーテの誕生」

結婚していたのはアフロディーテですから、
この女神もアレスと似たもの同士(頭空っぽという点で)。
夫(鍛冶屋の神・ヘパイトレス)の怒りをかって、
まんまと罠にかかり、二人揃って裸のまま衆人の前にさらされたとか。
なんだか、現代にもいそうなキャラですよね?
アレスとアフロディーテの間には子供が何人かいて、
(一体何年不倫してたんだ?)
上記抜粋にもあるデイモス(恐れ・敗走)とポボス(恐怖)もそうです。
困ったカップルからは困った子供が生まれるんでしょうかね?

もうひとつ、アレスの妹エリスですね。双子の妹という説も。
こちらもアレスに負けずおとらずすさまじい性格です。
陰湿で嫉妬深く執念深く、野蛮で残忍で好戦的。
「不和」を象徴する女神なので、
まずはエリスが人間どもにいがみあいを起こさせ争いを起こしては狂喜する。
そこへアレスが乗り込んで残忍な殺し合いへと駆り立てる。
どうなのよ、この兄妹!
ある意味、最強コンビ?
こんな猟奇的兄妹を想像するギリシャ神話って生々しい!

それで、いまふと思ったのだけど、
ルソーの描いたのは妹のエリスだったのではないかと。
ね、それなら納得いきますけどね。

もうひとつおまけ。
みんなの嫌われ者軍神アレスはローマ神話ではマルスとなり、
勇敢な戦士、青年の理想像として慕われ、
主神なみに篤く崇拝された重要な神となります。
そしてボティチェリに描かれるとこうなっちゃうのです。
マルス(=アレス)とヴィーナス(=アフロディーテ)


私、今年の冬にロンドンはナショナルギャラリーで、
しかとこの絵を見てまいりました。