ONE FINE DAY

「昨日のことは忘れてほしい」
「もう遅い。日記に書いた」

悪人(DVD)

2011-03-10 | 映画


公開当時、あまり見たくなかった作品。
姉や友人に誘われたが、
最近のトレンディな日本映画が苦手なのと、
主役の二人がう~~~んという気がして。

でもこれは面白かった。
見始めたら止められない吸引力をもった作品。

なんといっても、
被害者の父、柄本明と、
加害者の祖母、樹木希林の存在感!
主役二人もさることながら、
この映画脇役がほんとうにいい。
善人悪人ぶりは脇役が際だっている。
前述の二人の他にも、
どうしよーもないぼんぼんとか、
その友人とか、
親戚のお兄ちゃんとか、
悪徳商法のやくざとか、
バスの運転手とか、
それと、
殺されてしまう娘。

大小の悪や、大小の善が、
この世の中には点在していて、
その重なり合いの偶然から、
悲劇が起こってしまう。

ここに描かれる「悪」に共通しているのは、
人を人としてみない傲慢さ。

年寄りであれ、若造であれ、
一人の人間を虫けらのようにしか見れない人間の傲慢。

そういう「悪」に怒りの拳を振り上げ、
振り下ろす寸前でやめる、
柄本明の演技には、
目を見張るものがあった。