ピピのシネマな日々:吟遊旅人のつれづれ

歌って踊れる図書館司書の映画三昧の日々を綴ります。たまに読書日記も。2007年3月以前の映画日記はHPに掲載。

サイボーグでも大丈夫

2008年07月21日 | 映画レビュー
 苦痛に耐えて最後まで見たけれど――とはいえ、最後の15分くらいは寝ていたので結論は知りません――、これは鑑賞に耐えない。面白かったのは巻頭だけ。あとはひたすら悪趣味なおふざけなのかブラックユーモアなのかしらないけれど、理解不能な人々を嘲笑う視線に、耐えられない下品さを感じていた。

 本作は、自分をサイボーグだと思いこみ、食べ物を食べると故障してしまうからと何も食べずに乾電池を舐めている少女が主人公。同じく精神病院を舞台にした日本映画「クワイエットルームにようこそ」があったが、かなり受ける印象が異なる。「クワイエット」のほうは、主人公の苦悩が観客にも理解できるものだったけれど、今回のは完全にぶっ飛んでしまっているし、精神病院の患者たちの「奇態」を冷笑するような視線があってわたしには品の良いものとは思えない。とにかく笑えないだけに苦痛の2時間近くだった。

 復讐三部作のパク・チャヌクらしい血まみれシーンもあったりして、ファンの溜飲を下げるような粉撒きはしてあるけれど、とてもじゃないけれど「面白い」と思えるような映画ではなかった。(レンタルDVD)


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サイボーグでも大丈夫
韓国、2006年、上映時間 107分
監督・脚本: パク・チャヌク、製作: イ・チュニョン、音楽: チョ・ヨンウク
出演: チョン・ジフン、イム・スジョン、チェ・ヒジン、イ・ヨンニョ

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