ピピのシネマな日々:吟遊旅人のつれづれ

歌って踊れる図書館司書の映画三昧の日々を綴ります。たまに読書日記も。2007年3月以前の映画日記はHPに掲載。

ウィッカーマン

2008年02月24日 | 映画レビュー
 2006年ラジー賞、ワースト作品賞・ワースト主演男優賞・ワースト脚本賞・ワースト・スクリーン・カップル賞・ワースト・リメイク・盗作賞にノミネートされた輝かしき作品。

 オリジナルの1973年イギリス作品を見ていない身にとっては、それほど味噌糞に貶める作品とも思えない。まあ、カルト映画ですから、もともとこんなものでは?

 ニコラス・ケイジが今まで見たどの映画よりも素敵に見えたのは不思議。なんででしょう?

 ラストを知ってあっと驚くけれど、ネタがばれた段階でもう二度と見ようと思わない作品であることだけは確か。

 カリフォルニアに住む警官が、たまたま出くわした交通事故の現場で母子を救うことができなかったことを心の傷に抱えていたら、昔の婚約者から「娘が行方不明になったの、助けて」という手紙が届く。6年前に突然姿を消した婚約者からの便りに心が揺れる警官エドワードは、単身ワシントン州の孤島に出向いて少女失踪事件の捜査に当たる。その島は個人の所有であり、島民達は閉鎖的な社会生活を営んでいた。なにやら秘密めいたおどろどろしさのある島だが、風景は素晴らしく美しく、空も青く海も澄んでいる。やがて、行方不明の少女はどうやら島民たちにとらわれているらしいことを突き止めたエドワードだったが…

 

 冒頭の自動車事故からしてなんだかけったいで、偶然起きた事故にしては神がかり的なのだが、その後エドワードが船で渡る島が妙だ。島は独特の宗教に帰依する人々の集団が自給自足のように暮らしているようだが、平和なその風景とは裏腹に不作の年には生贄を捧げる習慣があるらしい。少女の命が危ない! と思ったエドワードは懸命に捜索するのだが…そこには驚くべき真実が隠されていた。

 おそらく、この映画はオリジナルに比べてかなりカルトっぽさが抜けているのだろう。毒が足りないのではなかろうか。これはこれでそれなりに面白かったのに、オリジナルのファンからブーイングの嵐ということは、きっとリメイク版のほうが「まとも」すぎるのだろう。ラストのサプライズだけでもたせるような映画だから、一度見てしまえばもう面白さはなくなる。(レンタルDVD)


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THE WICKER MAN
アメリカ、2006年、上映時間 101分
監督・脚本: ニール・ラビュート、製作: ニコラス・ケイジ ほか、製作総指揮: ダニー・ディムボートほか、オリジナル脚本: アンソニー・シェイファー、
音楽: アンジェロ・バダラメンティ
出演: ニコラス・ケイジ、エレン・バースティン、ケイト・ビーハン、フランセス・コンロイ、モリー・パーカー

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