気分はガルパン、、ゆるキャン△

「パンツァー・リート」の次は「SHINY DAYS」や「ふゆびより」を聴いて元気を貰います

大洗女子学園チームの次期隊長はやっぱり澤梓

2024年01月02日 | ガールズ&パンツァー

 最終章第4話が公開される三か月前に、「最終章第4話におけるあんこうチーム脱落後の指揮官は澤梓か」という文を書きまして、副隊長西住みほの脱落後に澤梓がチームの指揮を委ねられるものと予想しました。

 結果的にはその通りになったわけですが、それまでの経緯がいろいろ予想と違いました。隊長の河嶋桃が相変わらず何もしないままだったのと、前生徒会長の角谷杏が暫定的にチームの統率を引き継ぎつつも、「何かあったら頼むねー」と澤梓への権限移譲をハッキリと伝えていたところで「なるほど、そういう流れだったか」と納得しました。

 継続高校側の雪だるまからの奇襲によって四散した後は、ヘッツアーとM3中戦車リーの2輌で組んだ状態だろう、と予想しましたが、実際には他の僚車とも素早く合流していて、フラッグ車の三式中戦車チヌをもいつの間にかガードしていましたから、四散といっても距離的にそんなに離れた状態ではなかったようです。

 いずれにせよ、アリクイさんチームが孤立無援のまま、ヨウコの次射をあび、あんこうチームに続いて雪原に沈むという最悪のシナリオは避けられましたので、劇場の視聴席にて安堵の溜息をついたことでした。

 

 そして、角谷杏があんこうチーム脱落によって一時的に空洞化した指揮系統をすぐに立て直すべく、皆に意見を聞いてそれを集約して次の対処に移ってゆく場面において、さすがに前生徒会長としてのカリスマと経験値がこういうピンチでは大きくものを言うものだな、と感心させられました。やっぱり大洗女子学園においては優秀な人材の一人だな、と改めて思います。

 そうして暫定的にチームの統率を引き継いだ角谷杏らも、ダムの導水トンネルからの脱出の準備中に築いた雪堤での防戦中に、半ば敵を引きつけるオトリのような形になって撃破されました。早くも、西住みほ副隊長につづく指揮統率の要が失われたことに、視ている側も衝撃を受けてふたたび絶望の淵に立たされました。

 ですが、角谷杏はそうなる事を予期していたと同時に、大洗女子学園チームの未来を担うメンバーに後事を託す、という判断がもとからあったもののようで、「何かあったら頼むねー」のセリフには、簡潔ながらも万感の思いが込められているように感じられました。

 そもそも、ダムの導水トンネルからの脱出という方法は、澤梓が発案して角谷杏に進言したものです。ピンチに陥ってもパニックに陥らずに冷静に状況を把握し次の手を模索し、見つけてゆく、というプロセスも、他のメンバーのいずれもが成し得ず、ただ澤梓のみが次の作戦行動の立案提出に至りました。それは大変に重要なことでした。

 正確には常用洪水吐(じょうようこうずいばき)と呼ばれるトンネルを抜けて継続高校の包囲網をくぐり、戦域外に脱して態勢を立て直そう、との作戦を考え出す事自体、一年生ながらも見事です。これを聞いて承認した時点で、角谷杏としては、これなら後は任せられると確信したに違いありません。

 

 その後の澤梓の冷静かつ果敢な指揮振りは、今までにもテレビシリーズや劇場版などでその片鱗が垣間見えていたものの、ここでにわかに覚醒したかと思わせるほどの見事なものでした。ダムの導水トンネルからの脱出時点でも、敵の待ち伏せを想定して、その裏をかく動きをとって脱出を成功に導きました。

 こういう緻密な判断と迅速な決断ぶりこそ、劇場版や最終章の無限軌道杯の緒戦にて澤梓が示してきた才能の煌めきでありました。そうした澤梓の優れた能力を他のメンバーも常々認めていたからこそ、皆が角谷杏からの依頼を支持して、指揮権の委譲に異を唱えなかったわけです。

 その後の澤梓の作戦指揮ぶりも素晴らしいものでした。ヨウコの次の狙撃を阻止すること、フラッグ車を敵の攻撃圏内にさらさないこと、の2つの要点をふまえた作戦を定めてチームを二手に分け、チーム最高の視力を持つ園みどり子らにヨウコの位置把握と無力化を託し、自らは本隊を率いて敵本隊への牽制および陽動作戦を縦横に展開しています。

 その際の車輌の配分も見事でした。園みどり子らのB1bisにフラッグ車の三式中戦車チヌを帯同させ、護衛に歴戦のⅢ号突撃砲F型を付けることで、別働隊に最低限の戦闘力を保たせて、かつフラッグ車を敵の本隊の作戦視界から遠ざける効果を付与したものと思われます。

 澤梓率いる本隊には最強のポルシェティーガーが健在でしたから、継続高校の主戦力は迂闊な動きが出来ず、大洗女子学園本隊の動向を牽制する方向に向かうしかなくなりました。それによって中堅戦力たる複数のT34/76の侮れぬ攻撃力がフラッグ車を襲う可能性は劇的に減殺されています。

 ヨウコ車にはチーム最強の戦闘力を有するユリのKV-1Eが随伴していたものの、1両のみでは護衛戦力としては不足でしたから、継続高校チームがさらなる護衛を追加する余地がないままに終始したのは残念な成り行きでした。が、それも澤梓の作戦にうまうまと乗せられた結果であったといえるでしょう。まったく見事な作戦展開だったと思います。

 かかる指揮をとって自らも陣頭に立って戦う澤梓の姿は、性格や指揮スタンスこそ異なりますが、あたかも西住みほの再来を思わせるに充分でした。継続高校隊長のミカも、その存在感を認めて脅威と見なしたからこそ、ヨウコに狙わせて戦列外に退けようと試みたのですが、それはついにかないませんでした。

 その時点で、個人的には「これで大洗の勝利が決まった」と感じました。第4話の見せ場のひとつである急斜面の直滑降競技まがいのハイスピードな降下中の戦車戦の直前だったと思いますが、正直なところ「たぶん継続高校側のカードは尽きたかもしれないな」と思いました。

 つまりは、澤梓の作戦勝ちであったわけです。ヨウコが捕捉撃破された時点で、作戦の主目的がほぼ達成されたようなものでした。同時に、試合の流れの大勢を掴んだというか、主導権を自チームに引き寄せた形なので、継続高校側の残存戦力がどれほど残っていようが、ミカたちがいかなる手を打ってこようが、雪崩が起きようが、アリクイさんチームが無傷のままならば問題は無い、と感じてしまったほどです。

 そのような感慨に至って安心してしまった自分に驚きましたが、同時に、やっぱり大洗の次期指揮官は澤梓だ、間違いなく澤梓が次代の隊長になる、と感動の嵐のなかで深く確信した次第です。

 

コメント (2)
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