2023年4月9日、伊豆半島ゆるキャン聖地巡礼の二日目も快晴でした。6時半過ぎに起床し、外を見ました。昨日みたのと同じ景色でしたが、陽光が逆に東から差し込んでいて、昨日は陰になっていた範囲が明るく浮かび上がっていました。
昨日見た巡視船「しきね」も停泊中でした。出動が無いというのは付近の海域が平和で事故も起きていないということです。有り難いことですね。
7時前にフロントに降りて、昨日予約しておいたレンタサイクルを借り出して外に出ました。朝食が7時30分からなので、それまでの約30分で柿崎弁天島の見学を行なうつもりでした。時間が貴重なので6時55分には出発、ギアを上げて急いで下田港沿いの車道を駆け抜けました。
ぐるりと回って下田港の東側に行き、柿崎神社バス停の近くの交差点を右折しました。上図の景色が広がりました。
すぐに上図の防波堤の水門を通りました。その向こうに大きく立ちはだかる岩崖が、柿崎弁天島でした。
これが柿崎弁天島、ですか。あfろ氏の描き下ろしイラストに登場する4ヶ所目のスポットで、この脇の車道を大垣千明と犬山あおいが駈けていったわけです。原作コミック第8巻91ページからの下田港のカフェで金目鯛バーガー食べたシーンの前後に立ち寄ったのでしょうか・・・。
案内板です。なるほど斜交層理でしたか。岩崖じゃなくてクロスラミナ(斜交層理)だったのか、と思いつつ説明文を二度読みました。斜交層理とは、砂やれきが斜めに積み重なった地層のことをいい、水の流れがある中で砂やれきが堆積する際に作られる地層の一種です。
あfろ氏の描き下ろしイラストとだいたい同じアングルで撮ってみました。こんな感じでしょうか。
近寄ってみました。なかなかの規模のクロスラミナですね。確か、規模が小さく一層当たりの厚みが1センチ以下ですと、斜交層理と言わずに斜交葉理と言うのですが、こちらは一層当たりの厚みが最小でも3センチぐらいありますから、斜交層理の表現は正しいわけです。
ここの斜交層理の上には大きな岩が乗っかっています。その底面の一部が御覧のように見えるほどに、下の斜交層理がかつての海流で削られていき、地殻変動などで海面上に隆起して島になった、という流れです。
凄いなあ、これだけ積もるのに何万年もかかるわけですから、原始時代以前からの自然史のタイムカプセルと言われるのも納得です。
私は歴史考古・美術史学の研究者ですが、こういった自然史学のカテゴリーにも興味があるので、かつて鳥取や島根に住んでいた頃は山陰のジオパークへよく遊びに行っていました。でもこのようなクロスラミナを山陰の海岸線にて見た記憶はありません。
上のほうは削られ方が浅く、もとは海面上に出ていた部分なのだろうと思います。これが海面下で波や水流に接して削られていくと、深い溝の並びが形成されてゆくわけです。大自然の永い営みによる天然の造形ですが、人間が作り出す造形よりも迫力と存在感があり、同時に不思議なほどの神秘性をも感じさせてくれます。 (続く)