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ゆるキャンから始めたNゲージ その12  大井川鐡道へ取材見学に行く 下

2023年08月07日 | ゆるキャン△

 新金谷車両区を見た後、駅前のプラザロコに入って一休みし、館内の模型展示を見た。大井川鐡道の直営の展示施設だけあって、模型も全て大井川鐡道の車輌や駅などを再現しており、今回の取材目的には最適のスポットであった。車輌のほうはしっかりNゲージサイズの品も揃えてあって、どんな車輌がNゲージ化されているのかをつぶさに見ることが出来た。自身なりに、コレとコレとコレは買って揃えよう、と考えてメモしておいた。

 続いて駅舎の模型も重要であった。上図のような、精巧な新金谷駅の模型などがNゲージサイズで作られていて、非常に参考になった。これまで1/35スケールのガルパン戦車をメインに作っていたから、Nゲージの1/150スケールがいかにいかに小さいかが実感出来た。

 展示には新金谷駅のほかに家山駅、神尾駅などの模型があり、総じて昭和の田舎の駅という感じの素朴な外観で、たとえばトミックスやカトーのストラクチャーでは似たような品が無く、自作するのが一番だな、と思った。大井川鐡道の駅は、ほとんどが島式ホームと木造の古い駅舎のセットなので、以前はペーパークラフトが販売されていたほど、作りやすい部類に属すると思う。

 私自身のレイアウト計画では、ゆるキャンに登場する金谷駅と千頭駅の二つは作ってみようと考えている。が、その二つの駅の模型は、プラザロコには見当たらなかった。大井川本線の起点と終点の駅が模型化されていないというのも、ちょっと不思議な気がした。

 おそらく、金谷駅も千頭駅も、簡単に作れるほうではないのだろう。崖面に立地して懸造り状の外観をもつ金谷駅はともかく、千頭駅は大井川鐡道の駅のなかで最も立派で、ログハウス調の凝ったデザインの造りなので、模型として作るのもなかなか大変だと思われる。先行作例もネット上では1、2件ぐらいしか見当たらず、いずれもNゲージの1/150スケールに合わせて寸法を縮めるなどの大幅なデフォルメがなされているようだが、そうでもしないと作りにくいのだろうか。

 それで、私としては、金谷駅も千頭駅も、なるべく実際に近い寸法で再現し、一部を省略するにとどめ、サイズ的にはやや大き目に作ろうかな、と思っている。その判断に至った理由は、いずれ別の記事で後述したいと思う。

 

 プラザロコの見学を終えて11時2分の旧東急7200系に乗り、上図の家山駅にて11時32分に降りた。家山駅の側線には、前回の訪問時でも見た「国鉄ホキ800形貨車」と呼ばれるホッパー車が2輌置かれてあった。
 この2輌のホッパー車が、現在の大井川本線に存在する唯一の貨車なので、帰りにまた見ておこうと考えた。Nゲージでもトミックスから2輌セットが出ているようなので、買う予定である。

 上図左の、乗ってきた旧東急7200系のほうは、Nゲージでは天賞堂やトミーテックから商品化されているほか、東急電鉄から上田電鉄に譲渡されたタイプが鉄道コレクションにて出ている。
 が、大井川鐡道の7200系は両サイドに運転台を設けた改造型なので、そのものズバリの品は無く、再現して合わせるには改造するしか方法が無い。改造型の新設運転台側の外観は同じ東急電鉄の8000系とほぼ同じなので、鉄道コレクションに出ている東急電鉄8000系の前面部を移植すれば何とかなりそうかな、と考えているが、どうだろうか。

 

 家山駅から代行バスに乗って11時40分に出発、千頭駅に12時25分に着いた。千頭駅の側線には、旧南海21000系がポツンと取り残された状態で駐機していた。例の台風被害で家山から千頭までが不通となったため、この21000系も運行出来なくなって、千頭駅に留め置かれたままになっている。

 この21000系1編成2輌が、私がこの前京都の「ホビーランドぽち」にて買った鉄道コレクションの南海21000系2輌の実物であり、車番も同じである。既に一年近く留め置かれているので、ただでさえ古いボロボロの車体に、汚れや傷みが加わっている感じであった。最近に地元の有志によって清掃メンテナンスが行われたと聞いているが、外面の片側(上図では反対側)の塗膜の剥がれが酷くなっていて、ベタベタと補修が応急的に施されていた。

 

 千頭駅では、約1時間をかけて駅舎やホーム、構内などを見学し、あちこちを撮影して記録画像資料の構築をはかった。現時点で、模型的にも面白味が感じられて、作ってみたい気持ちが強いのが千頭駅であるので、独特のデザインの駅舎の内外はもちろん、長いホームや南側の転車台、井川線のホームも含めた広い駅構内をじっくり観察して回った。

 今までゆるキャン聖地巡礼にて三度この千頭駅に来ているが、いずれも乗り継ぎや巡礼行動にて次の移動に移っていたため、駅の内外をゆっくりと隅々まで見たのは四回目の今回が初めてであった。思っていたよりも立派な駅で、大井川本線と井川線の結節点でもあるから、Nゲージで再現すれば大井川本線と井川線の双方を楽しめるな、と気付いた。

 今回は大井川本線が不通のままだが井川線は通常運行していたので、駅も普通に営業していたが、大井川本線のホームのガランとした寂寥感ただようたたずまいには、さすがにやりきれないものを感じた。早く復旧して以前のように普通電車やSL急行「かわね路」号の発着シーンが見られるようになって欲しいものである。

 

 千頭駅の取材見学を終えた後は、駅前の上図の奥大井観光案内所に寄って、大井川エリア観光の現状と今後に関して色々とお話を伺った。既にゆるキャンの2024年からのアニメ3期のことは向こうも知っていて、大井川鐡道がアニメ化されることについても期待を寄せているようであった。

 が、家山駅から千頭駅までの不通区間は、2024年になっても多分そのままだろう、代行バス便のほうも大井川鐡道が撤退するため、今年10月から地元の川根本町が運営するコミュニティバスに置き換わる予定だ、と言われた。つまりは各務原なでしこの気分で近鉄16000系に乗って千頭駅まで行くというのは、しばらくは無理だろう、という見立てであった。

 そうなると、アニメ3期放送後の聖地巡礼も、現在のように家山駅と千頭駅の間は代行バスの利用を余儀なくされるだろう。聖地スポットは井川線のほうに多いので、マイカーやバイクで行く人も、井川線の列車に乗る確率が高くなるだろう。その場合は車やバイクをどこに停めるのか、また畑薙大吊橋までの「デスロード」を大井川鐡道利用で行く場合はどうやって辿ったらよいか、といった問題もある。奥大井観光案内所でもそのことは承知していて「色々とハードルが高い状態ですので・・・」と苦笑されていた。

 そして試案として、大井川鐡道が毎年実施している沿線ツアーに、ゆるキャン聖地巡りツアーというのを創設して畑薙湖の沼平までバスで行くコースを検討してくれるように提案する、という話もされていた。あ、それはいいですね、アニメの聖地巡礼のバスツアーというのはどこでも人気があって成功してますから、こちらでもぜひお願いします・・・、と賛同し要望しておいた。

 巡礼ファンは、おそらく全員が畑薙大吊橋まで行きたい筈である。私は一人で行って、千頭駅からはレンタカーを利用して畑薙まで行ったが、巡礼ファンの大半が同じ移動形態をとるのは物理的に不可能に近いと思う。レンタカー自体が数台しかないし、大井川本線が不通のままで代行バス便も一日9便から6便に減らされている今は、時間的にも畑薙までの往復は相当にキツイものがある。

 ではマイカーやバイクで行けばいいかというと、それも難しい。畑薙まで行っても停める場所が限られているうえ、天候不順時には下手をすれば通行止めになるそうだから、本当にハードルが高い。大変な労苦が多いゆるキャン聖地巡礼ルートにおいて、最強レベルの難関ルートであるのは間違いない。「デスロード」の称は漫画の冗談ではなく、ハンパない本当の事なので、甘く見ないほうが良いであろう。私自身が畑薙大吊橋までの往復を通じて、そのことを何度も実感したので、今でも「最もゆるくない大変なルートだったな」と時折回想する。

 だから、大井川鐡道が毎年実施している沿線ツアーに、ゆるキャン聖地巡礼のバスツアーを臨時的にでもいいから追加してくれると、大勢のファンが喜んで行くだろう。
 例えば井川駅で集合して、バスで沼平まで行ければものすごく助かるし、帰りは家山駅まで送って、途中の川根温泉ホテルにも立ち寄って1泊付きオプションを追加すれば、泊まってゆくファンも少なくないであろう。
 さらに、キャンプ好きの方向けに、アプトいちしろキャンプ場と提携してのバス聖地巡り&キャンプツアーも開催すれば、キャンプメインのファンも行くだろう。とにかく、行きにくい聖地巡礼のスポットが多数あるから、それらを案内するバスツアーというのは、大いにアリだと思う。大井川鐡道さんには、是非とも前向きに検討いただきたいものである。

 

 奥大井観光案内所を辞して、上図の「カフェうえまる」で昼食休憩にした。このお店も聖地スポットとして有名で、各務原なでしこがダムカレーを食べた店舗とは位置が変わっているが、ダムカレーは変わっていないから、今でも巡礼ファンの必須立ち寄りスポットになっている。アニメ3期にも間違いなく登場するだろうから、放送後はさらに訪問者数が増えることは間違いない。お店の方も「楽しみだけと、ちょっと怖い気もするんですよ、売り切れが出るんじゃないかと」と笑っておられた。

 

 店内のゆるキャンコーナーは相変わらずの規模で健在であった。このお店自体が聖地になっていて、コラボポスターの一種類はこのお店での各務原なでしこのダムカレー及び豚串の実食シーンで描かれるので、お店としてもノリノリでアピールしないわけにはゆかない成り行きである。このまま頑張っていただきたいと思う。

 

 今回も定番のダムカレーをいただいた。この外見とボリュームで、アニメ3期にもそのまま登場するんだろうな・・・。

 

 さらに、このお店限定の、各務原なでしこダムカレーのデザインのTシャツも販売されている。ここでしか買えないので、欲しい方は必ずダムカレーを注文して食べた後に買いにゆこう、とさりげなく宣伝しておく。

 

 昼食休憩後はまだ時間があったので、井川線の構内を外から見物したり、千頭駅に隣接するSL資料館を見学したり、駅前の「川根物産」で川根茶ソフトを買って食べたりした。この日も暑かったので、冷たいものや水を定期的に採って体調に気を付けた。

 

 井川線のアプト式列車の時刻に合わせて、踏切の脇で通過する列車を見た。見送った後、川根茶ソフトを食べつつ、しばらく考え込込んだ。

 なぜかというと、井川線のアプト式列車の機関車や客車のNゲージ商品は、現在では絶版状態となっていて中古ショップでも入手不可になっているからである。2010年頃に「クラフト工房ていくわん」からアブト式列車のセットが限定で販売され、アプト式機関車のED90形、ディーゼル機関車のDD20形および客車3輌(クハ600形、スロフ300形(バス窓)、スロフ300形(1段窓))のセットが出ていたが、売れなかったのか、再販はなされず、今では全然ネットでも情報があがっていない。

 それとは別に「アルモデル」からも「とても簡単なシリーズ」の一種として「井川風」のディーゼル機関車と客車3輌が出ている。あくまでも「井川風」でズバリの形状ではなく、だいたい似ているので雰囲気もそれらしく、といったレベルの出来であるが、現時点で唯一の入手可能商品なので、とりあえずは買ってみる積りである。

 なお、井川線の車輌に関しては、新たな製品が「すずめ模型」にて開発中であるそうで、2023年4月時点で客車のクハ600からスロフ316までの4車種のモデリングが進んでいるとの事である。いずれは機関車のDD20形も含めたラインナップにできるよう進めるとの事で、今後が楽しみである。

 また井川線のディーゼル機関車は、DD20形のほかに現在も見られるものが2種類あり、私も以前に川根両国車両区で見たことがある。そのうちの初代にあたるDB1形はいわゆる加藤製作所の8t貨車移動機にあたり、「ワールド工芸」から組み立てキットが販売されている。これは先週に通販で購入したのでいずれ作る予定である。
 もう1種類のDD100形は、Nゲージで商品化されていなので、再現するならば自作するしかないが、小さな車体なので製作に苦労しそうである。

 

 14時27分発の代行バスで千頭駅を出発し、15時11分に家山駅に着いた。接続する列車の時刻は15時21分で、10分の待ち時間があったので、側線に停めてあるホッパー車の「国鉄ホキ800形貨車」を見学した。

 このホッパー車は線路の整備や補修用に使われるもので、バラストと呼ばれる砕石を線路に敷くために両側から少しずつ落とせる機能が付いているそうである。これが家山駅に待機しているのも、いずれ来たる不通区間の復旧工事に使われる予定だからであろう。

 奥大井観光案内所で伺った話によれば、今年の10月ぐらいをメドにして家山駅から川根温泉笹間渡駅までを運行再開とするそうで、少なくとも川根温泉までの鉄道での行き来が可能になるということである。
 また千頭駅側からの線路は、駿河徳山駅までの区間は線路に被害が無い為、列車の運行は可能であるという。つまり、現時点で土砂流入や路肩崩落などの被害が残っているのは、川根温泉笹間渡駅から駿河徳山駅までの区間であることになる。

 その被害の様子は、今回もバスの車窓から大井川越しに幾つか見ることが出来たが、いずれも昨年の台風15号通過による被災時のままであるようで、復旧には2、3年ぐらいかかるんじゃないか、と言われている。アニメ3期放送後の巡礼ムーブメントにも相当の影響、制約がかかりそうに思われまる。
 とにかく残念な現状であるが、地元の川根本町の行政サイドや政治家連中が大井川鐡道の全線復旧に尽力するどころか、廃線の方向に持っていくような不穏な動きさえ見せているというのが実情らしいので、今後も推移を注意深く見守っていく積りである。

 

 最後に、新金谷駅発車後の車両区通過時にかろうじて撮った、機関車庫横の側線の電気機関車ED500形の図を載せておく。これは、大井川鐡道の公式サイトでも「ただいま運行しておりません」とあるので、既に休車となって久しいようである。御覧のとおり塗装もあちこちが剥げたボロボロの状態であった。

 上図のように、ED500形の手前に平台貨車らしきものが連結されていたが、形式名までは分からなかった。後で調べてみたところ、大井川鐡道に現存している平台の貨車は「国鉄チキ300形貨車」と呼ばれる25トン積木造ボギー長物車しかないようなので、それかなあ、とは思うものの、実際にパッと見た感じでは全長11メートルもあるようには見えなかった。もっと小さかった気がするので、別の車輌なのかもしれない。

 以上で大井川鐡道の取材見学レポートを完了とする。私のこれからのNゲージによる大井川鐡道ふうのレイアウト構築に向けての色々な知見が豊富に得られたので、大満足であった。やはり、現地にて実物を見て得られる以上の情報は存在しないのである。
 ただ、新金谷駅の大代川側線エリアの見学を時間の都合で見送っているので、機会があればそちらへも取材に出向きたいと思う。

 

コメント (2)
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