ひびのあれこれ・・・写真家の快適生活研究

各種媒体で活動する写真家の毎日。高円寺で『カフェ分福』をオープンするまでの奮闘記、イベント情報などをお伝えします。

南禅寺本坊

2021年01月19日 | Weblog
銀閣寺から哲学の道を通って南禅寺へのお散歩旅、最後が南禅寺本坊です。
4時半に閉門のところ、4時を少し過ぎての受付。
仕舞い客、誰もいません。
ちょっと駆け足で見学します。

方丈の前庭、いつ見ても立派な意匠です。
江戸初期、小堀遠州作庭と言われています。


『虎の児渡し』の庭と呼ばれていますが・・・。
龍安寺石庭も同じく『虎の児渡し』(仮説)。
虎が3匹の子を産むと、必ず彪の子が一匹混じり他の子を食べてしまうので、彪の子と虎の子が2匹で残らないように川を渡さなければならない、というトリッキーな故事がベース。
3匹の子を無事に渡すために、4匹分の苦労をする=修行を怠ることのないように、という禅的解釈でしょうか。
一般的には苦心して生計をやりくりすることの喩え。
個人的には大海に浮かぶ蓬莱山のように、ゆったりおおらかな意匠に見えるのですが。

ただ、南禅寺方丈は虎の意匠だらけ!
前庭に面した大方丈の欄間には虎の彫物。


小方丈の障壁画も虎。狩野探幽作と伝えられる水呑の虎は、平和な時代の到来を象徴するかのようです。

こちらは小方丈前の如心庭。


渡り廊をぐるりと進むと北側の六道庭、中庭に出ます。



建物の作りが複雑で映画のセットみたいですね。

茶室、窮心亭。廻し廊の下を潜る設計になっていて、面白いですね。
昭和43年、宗徧流一門から寄進された茶室です。


ぐるり一周、鳴声に呼び止められ、見ると石の右上にちょこんとジョウビタキの雌が!


江戸と昭和の禅の庭、茶室の露地と見所満載の南禅寺本坊。
時代の変化とともに庭の意匠も変化していきます。
それも見所ですね













南禅寺境内 南禅院

2021年01月19日 | Weblog
鎌倉時代に作られた京都でも屈指の古い庭園を有す南禅院。
亀山天皇の離宮が前身で、後に大明国師を開山として禅寺に改められました。
南禅寺境内、という表記ですが、ここが南禅寺発祥の地!

赤煉瓦の水道橋、南禅寺のシンボルですね。
こちらを潜って、階段を上がって左に南禅院の受付があります。


入ると、本坊の南東に庭が展開しています。


南=下池には心字島、東は上池=曹源池には蓬莱山が浮かんでいます。

下池


曹源池


本坊をぐるりと回って曹源池の裏手に向かいます。



曹源池向かって左の奥に、滝が流れています。


この滝からの水が下の写真、右下から曹源池に注いでいます。


曹源池の後ろから本坊方面。
汀の意匠、大きな石はあまり使われておらず植物が水面と接していて、庭全体が柔和な印象です。


庭の鑑賞ポイントは人それぞれで良いと思います。
庭そのものはもちろん、石や石組に注目したり、池泉と滝、その石組、島だったり、作庭された時代背景、作庭した人物、色々な角度から楽しめることが庭の面白さ。
『画遊』の境地で、その庭に自身を置いて、内側から鑑賞してみるのも楽しいですね。
私は汀、遣水の意匠が好きで、池泉式の庭園を見る時はどこから水が流れてくるのかチェックします。
汀は一見地味かもしれませんが、実は重要な要素で、石か土(植物)か、人工物か、石ならどのような大きさ、素材、配置か等々で庭の印象ががらりと変化します。
禅の庭は、極めて静的ですが、じっと対峙していると動的なダイナミズムに飲み込まれそうになることがあります。
動かないはずの石が動きだす瞬間、悟りの境地にぐっと引き寄せられているのかもしれませんね〜









哲学の道そぞろ歩き

2021年01月19日 | Weblog
コロナ渦、観光客の途絶えた京都。
銀閣寺まで来た流れで、哲学の道を散策して南禅寺へ向かいました。

雪が降ったり止んだり、厳しい寒さです。

これほどすれ違う人の疎らな哲学の道は初めてです。


とても素敵な塀の意匠。超モダンな豪邸。哲学の道にかかる橋はほぼ私道ならぬ
プライベート・ブリッジです。


冬枯れの景色の中、青々とした竹は瑞々しい景色。


最初に出会ったのは迷いハト。極寒の日に、こんな所で何してるの?
しばらく睨み合い。


木登り猫。陽射しを求めて登ってみたのでしょうか。


野良はコタツではなく陽だまりでまんまる。


カモのカップル2組。見ていると下流に流されていきました。


大きなカーブを越えると、南禅寺までもうすぐです。
ここは崖が迫っていて、野鳥が飛び交っていました。


疎水沿いの道を過ぎて、少し歩くと立派な門。
庭好きが超憧れる、小川治兵衛作庭、野村碧雲荘です。
未だ一般には公開されていません。


豪壮な石組!


道路にいきなり門が登場。
ここから先は南禅寺境内です。


野鳥と戯れながら南下した哲学の道。
今日の収穫は:
エナガ、シジュウカラ、ゴジュウカラ、コゲラ、ヒヨドリ、黄セキレイ、セグロセキレイ、ジョウビタキ、マガモ、ハト、スズメ、カラス、トンビ、コサギ、アオサギ

次は南禅寺をご紹介します。











慈照寺ー銀閣

2021年01月19日 | Weblog
今日は久しぶりに完全オフの日。
ということで、徒歩圏内で行ける庭=まさかの銀閣!に出かけました。
今出川通りをひたすら真っ直ぐ進めば良いので、楽勝です。
道中は魅力的なランチスポット満載。
自分の勘を信じて、素食カフェRENさんにエントリー。
ベジタリアンメニューですが、しっかりお腹一杯になります。
こちらのプレートと薬膳スープがセットになっています。


ここまで来ると、銀閣まで目と鼻の先。
超名店(3度予約叶わず)「草喰なかひがし」を横目に・・・
銀閣参道です、が、ほぼシャッター街。
本日、13時に空いている店はゼロでした。


道行く人も疎らなりけり。
しかし、ゆっくりと銀閣を拝観出来るまたとない機会です。
ほぼ独り占め。
朝から粉雪が舞い散り、かと思えば燦々と陽射しが降り注ぐ不思議な気候。

銀閣のシンボル(個人的設定)
銀沙灘から向月台と銀閣。


銀沙灘、実はこんなに盛られてます。壮大なスケール。
盛る事で角度を調整し、反射した月明かりをうまく室内に取り込んだのでしょうね。
向月台はもはやUFOとの交信装置にしか見えません。


国宝の東求堂。水面の揺らめきが壁に反射しています。
こういった自然の情景が、室町の人々の心に響く深度は計り知れなかったのではないかと思います。


銀閣の前に広がる錦鏡池と美しい庭。




展望所からは慈照寺全景、さらには市街まで見渡すことが出来ます。随分高台に位置していると実感。


ゆったりのんびり銀閣散策。冬枯れの京都もまた風情があって素敵です。
慈照寺庭園については、常緑樹と苔が多いので、冬でも枯れた印象はありません。
庭園鑑賞に限って言うと、華やぎがない方が庭そのものに対峙出来ると私は勝手に思っています。


散歩はここからさらに哲学の道を通って南禅寺まで。
人気のない哲学の道は野鳥と出会える最高のルート。
野良猫や孤独を楽しむ鳩、疎水に流されるマガモなど、満喫しました