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そういうまちに医者は行かない:千葉日報 

千葉日報(Web)は、
06年度当初予算で大論争 銚子市立総合病院問題
2008年09月09日11時04分
という記事の中で、
「銚子は医者を大切にしないまち。そういうまちに医者は行かない」と、06年秋に医師派遣を求め訪ねた市長が、大学医学部幹部から言われたということを
報じた。

その06年度当初予算の論争の中で
「平成十八年度予算は銚子市の財産である市立病院をつぶす予算である。まさに『大学ができて市立病院がつぶれた』では、市民にとって何のための銚子市であるのかということだ」
という意見があったことも紹介している。

ここでいう大学とは
銚子科学大学(薬学部・危機管理学部)のことです。

大学のホームページでは
建学の理念を「安定した社会のために。社会に貢献できる人材育成のために」
とし、
「2004年4月、千葉県銚子市を中心とした地元の強い要請を受けて薬学部と危機管理学部からなる千葉科学大学を開学しました。」
と紹介している。


ところで、
今から百年前以上前の加納久宜鹿児島県知事は、
県民の基礎学力の向上(就学率の向上)など教育振興にも力をいれ、
多額の私費を投じて、多くの人材育成にも取り組みました。
そして、産業振興などの礎をつくり、不偏不党の精神で、
西南戦争などで疲弊した鹿児島県を、活力ある県に立て直す道筋をつくりました。

加納知事は鹿児島湾整備の大構想も掲げました。
ところが、県議会で予算の承認が得られそうにありませんでした。
私費(加納家:旧一宮藩藩主)を投じてもという意気込みを示しましたが、
それが、鹿児島県知事の休職につながったといわれている。


今回、市民が「名洗の埋立地」と称している場所に
大学は誘致されましたが、そのことも印象的です。

地方自治体にとって、
「学校とは何なのか。」
「地域振興とは何なのか。」
「公共事業とは何なのか。」
あらためて、考えさせられました。

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院長報酬減が“引き金”
06年度当初予算で大論争 銚子市立総合病院問題
2008年09月09日11時04分
「銚子は医者を大切にしないまち。そういうまちに医者は行かない」

 銚子市立総合病院の医師流出が本格化した二〇〇六年の秋。同病院は診療報酬減少で億単位の一時借入が必要なまでに経営が悪化。病院存続を旗印に同年七月、初当選した岡野俊昭市長は、医師派遣を求めて訪ねた日大医学部で、幹部からこう言われたという。

 その年の三月市議会では、二十八年ぶりに百条委が設置されることになった“知る会便り問題”に隠れて、議場では休止騒動同様の病院をめぐる大論戦が展開されていた。

 「平成十八年度予算は銚子市の財産である市立病院をつぶす予算である。まさに『大学ができて市立病院がつぶれた』では、市民にとって何のための銚子市であるのかということだ」

 議員たちが批判したのは、収入四十六億五千七百万円に対し、支出四十九億五千四百万円という「病院始まって以来の赤字予算」。

 さらに、野平匡邦前市長は特別職ばかりか、教育長、病院長の報酬引き下げ案も提出。議会はともに継続審査を選んだが、前市長は四月実施を専決処分で強行した。

 全国に日大関連病院は五十数病院あり、関与を手厚くする病院とそうでない病院があるという。岡野市長は「あれで日大の評価がAランクからBランクに下がった。下がらなければ医師の引き揚げはなかった」と話す。

 結局、病院長報酬は月額九万三千円の給料引き下げと同時に特殊手当分が引き上げられ、年間目減り額は大幅に抑えられた。赤字予算は同年十二月議会で九億円台に補正され、経営悪化分は水道会計からの借入金七億円で賄われた。

 当時の同市は大学誘致の補助金捻出(ねんしゅつ)のため、財政調整基金はもちろん他の特定目的基金も軒並み取り崩し、財政が極端に悪化していた。当時を良く知る市幹部は、前市長が調整手当の打ち切りにいち早く着手したことと合わせ「選挙を控えて市民に財政批判をされると都合が悪いので人件費削減に動いた」と振り返った。

 前市政のツケが重かったとはいえ「病院を守る」という公約を果たせなかった岡野市長。七月の休止発表後「経営が立ち行かなくなった病院にこれ以上、財政支援すれば市の運営が危うくなる」とし、市民説明会などで「苦渋の選択」を強調する。

 だが、存続を求める市民たちは昨夏以降、同病院の経営が上向いた事実を見逃さない。医療経営専門誌が「奇跡の復活」と称賛した翌年の今年三月に佐藤病院長が辞職。市民を震撼(しんかん)させた休止発表は、そのわずか三カ月後だった。

 休止が決まった銚子市立総合病院をはじめ、県内の地域医療は危機的状況にある。医師不足、自治体の財政難、県立病院の統廃合問題、医療現場を苦しめる診療報酬制度など解決すべき課題が山積する中、再生の道を探る。


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