公会計３：一時借入金（夕張市の自転車操業）

夕張市で膨れあがった借金「一時借入金」とは何でしょう。

自治体の収入には、税金などがありますね。
これは、段々に納められてきます。

また自治体は、
必要経費も段々に支払っていきます。

ところで、収入の時期と支払いの時期がいつも同じとは限りません。
持ち合わせ（現金）が一時的に不足している時は、どうしたらよいでしょう。
そうですね
銀行などから、一時的に借りて支払って、収入があったらばすぐに返せばいいです。
これを「一時借入金」といいます。（地方自治法２３５条の３）

もちろん、持ち合わせ（現金）が不足しないように、収入や支出の計画をたてればよいのです。
しかしそうはいっても、支払いに合わせて収入があるわけではありませんから、
支払いの多い時期には一時的にお金が不足することがあります。
「一時借入金」とは、そういうときだけ、収入があるまで一時的に工面して支払う制度です。

当たり前ですが、借りている間の利子を支払う必要があります。
ですから、借りる金額はできるだけ少なく、借りている期間はできるだけ短い方が
損（利子を支払う）しないですよね。

「一時借入金」は、その会計年度内に利子も含めて返すものです。
ですから、歳入歳出予算には、含まれません。（借入れ最高額は、予算で定める）

それに対して、あらかじめ計画をたて長期的に（年度をまたがって）借りる借金は
「地方債」といい、起債の目的などを予算で定めなければなりません。
（地方自治法２３０条）

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さて、夕張市は、
複数の金融機関からのこの「一時借入金」が２９２億円にもふくらんでしまった。
ここ十数年の自転車操業によって？

年度内に返さなくてはいけない借金で、自転車操業ができるのでしょうか。
実は、裏ワザがあったのです。

自治体の出納は、５月３１日に閉鎖します。（地方自治法２３５条の５）
そこで、その期間に借り換えれば、決算上は返済したことになります。
また、予算には「一時借入金」はのらないので、
市民に知られることなく借金を続けることができるのです。
（一時借入金の支払い利子の金額で想像するぐらい）

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長生郡・茂原市の市町村合併においては、
各市町村とも、そのような「隠れ借金」といわれる財政赤字隠しはしていないと思いますが、
合併前に、ないならない、あるねらある、その証拠を公開して欲しいと思います。

特に、何が何でも「２０年４月１日に合併する」となると、
１９年度（本年度）の出納の閉鎖、決算（閉鎖後３ヶ月以内に報告）をしないまま、
合併し新市に引き継ぐことになります。
返しきれない「一時借入金」があったら、どう処理されるのでしょう。

「李下に冠をたださず」
７市町村の全ての住人が納得できる手順（日程）で市町村合併の協議を進め
「自立した総合自治体」にふさわしい「財政計画」を作成していることを
具体的に示していただきたいものです。
と思います。