どぶがいの屋外アクア

コロナは茶番。世間体を過剰に気にすると権力者に搾取される。おかしいことはおかしいと主張しよう!

アブラボテ 人工授精

2019-12-29 09:48:44 | 魚飼育
去年の夏に琵琶湖周辺で捕ってきたアブラボテが10月辺りから婚姻色が凄くなってきました。



フラッシュを焚くと細部が分かりやすくなりますが、色飛びしますね。タナゴ類の婚姻色を色鮮やかに収めるには太陽光が一番でしょう。



メスも産卵管が伸びていたので、卵が出てきました。

卵は産卵管が伸びきって白くなっている状態の時に排出されます。管が黒くて短い時にはいくら腹部を押しても卵は出ません。タナゴの種類で違いは出てくると思いますが、アブラボテは10日おきの周期で10個程の卵を採卵することが出来ます。

オスは軽く腹部を押せば、白いモヤモヤが出るのでそれが精液です。


https://blog.goo.ne.jp/gai6969/e/e60a71e0bdf3d83277d77ae81c97f730/?cid=7ce790f50867f0a18ff3f26e26a826f5&st=0
↑過去にシーナンタナゴの人工授精を行った時の記事です。合わせて読んで見てください。



卵です。



授精後、60時間で孵化してシッポのようなものが確認出来ます。



採卵して、一週間辺りで目が確認出来ます。




18日辺りでヨークサックが目立たなくなり、魚らしい形になります。



採卵して、23日目で浮上して水面まで泳ぎ回れるようになりましたが体型に歪みが…









現在

採卵から1ヶ月強、つまり浮上してから2週間後の姿です。

体に厚みが出て、体型の歪みが矯正されているような気がします。それでも尾びれの付け根に曲がりが見られる奇形個体になりますが…


エサは最初に画像のモノを与えて、現在ではハイグロウを食べられるようになっています。





人工授精させた卵~仔魚の管理は遮光した発泡スチロールに入れて行っています。

メダカ用の23度固定のヒーターを入れて、水温を安定させて仔魚を収容する容器を入れてます。容器はタッパーでも良いと思いますが、軽いとプカプカ浮かんで揺れて、仔魚に余計な刺激を与えそうなので重さのある陶器を使用。

水換えは5日に一回、容器半分の水量。水換えし過ぎても刺激が良くないのか、途中で全滅するのでほどほどが良いようです。


アブラボテの人工授精は今回が3回目となります。

最初は無精卵で失敗。

2回目も水換えの仕方が悪かったのか10日目辺りで仔魚が全滅。

3回目で体型に歪みがあるとはいえ、浮上させることが出来ました。

体型に歪みを出した原因は…浮上のタイミングが分からず、採卵20日目辺りにいじくってしまったことだと思います。

仔魚が自然に水面付近を泳ぎ回るのを待てば良いようです。せっかちは大敵ですね。

浮上の時は仔魚を陶器から30㎝プラケに移動。ベリースライダーと思われる底を這いつくばるだけの個体もいましたので、念のため水位を下げました。

その後、ベリースライダーらしき個体も空気を取り込むことが出来たのか、1日経って無事に水面付近を泳ぎ回っていました。




徐々に人工授精に慣れてきた感じはありますし、別の種類の国産タナゴでもやれそうな感じがしています。

タナゴの人工授精はコツを掴むまでが少々大変ですが、練習すれば手応えを掴めますし大変なぶん、浮上した時の達成感は喜びもひとしおといった感覚です!

何よりイシガイ目の二枚貝に産卵させなくてもタナゴ類を殖やせるのがメリットですよね。





















環境省による新たな国内希少野生動植物の指定

2019-12-26 19:23:37 | 日記


皆さん、クリスマスは楽しまれましたでしょうか?

僕を含めた生き物屋には戦慄するような知らせがクリスマスプレゼント代わりに届いたのでは無いかと思います。


表題になっている国内希少野生動植物種ですが新たに種を追加するとのことです。

国内希少…ナニソレ?という人もいると思うのでざっくりと

淡水魚でいうとスイゲンゼニタナゴが国内希少野生動植物に指定されていて、無許可での採集・飼育及び、販売が全面的に禁止となっています。名前を変えただけで、ミヤコタナゴやイタセンパラという天然記念物に指定されている種類の生き物と全く同じ扱いなんです。

オカヤドカリは例外的にごく一部の業者による採集と販売及び飼育が認められていますが、国内希少野生動植物並びに国指定の天然記念物となっている生き物は原則、一般人の接触が許されないものになっています。


新たに指定される種類が何か気になりますよね?

淡水魚ではアリアケヒメシラウオとセボシタビラが指定を受ける可能性が高いとのことです。

生態がよくわかっていなかったり、養殖の見込みが立たなそうな生き物ならまだしも、ブリード個体が沢山出回っているセボシタビラをスイゲンゼニタナゴやミヤコタナゴと同じ扱いにしてしまうんですよ?

野生個体の採集禁止だけなら反対はしないですが、ブリードが盛んで人工授精も容易だと思われるセボシタビラを販売・飼育禁止にするのは考えものですよね?人工授精については次回の記事で掘り下げたいと思います。

保全の観点から見ても、愛好家の手によって養殖ものが維持されている生き物の飼育を禁止にするのはあまり良いは思えないです。

それに採集を制限したところで、生き物の種類が保たれるように河川環境を整えたり、タナゴ類の産卵母貝となるイシガイ類を守っていかなければ、セボシタビラを含む野生の在来タナゴ類の個体数が回復することは無いと思います。


当ブログを読まれているということは皆さんタナゴ好きでこんな事書かなくても肝に銘じられているかと思いますが…

飼育個体であったり、他所から持ってきたタナゴの安易な放流はダメですよ!

単純に数を殖やせばいいとかそんな問題ではない。同種であっても地域によって婚姻色に違いがあったりとか地域多様性がありますからね(^^)


今はまだ国内希少野生動植物に指定するかもしれない段階ですので、環境省に意見書(パブリックコメント)を提出すれば風向きを変えられる可能性はあります。提出期限は1月8日までとなっています

指定ランクを下げることが出来るかもしれませんから。

ワンランク下の特定第一種国内希少野生動植物の指定になれば、事前に届け出を行った事業者のみ販売が出来るそうなので、オカヤドカリのように少なくとも飼育は楽しめるかと思います。この更に下の特定第二種については後述します。

九州の魚だから対岸の火事とは限りません。開発が進み外来種が蔓延り更に環境が悪化すれば、マタナゴやアカヒレタビラやシマドジョウ類辺りのいくつかの種類が近いうちに天然記念物や国内希少野生動植物の指定を受けることになってもおかしくはないかもしれません。

ともかく、調査や累代飼育の可能性を踏まえて飼育・採集の禁止をして頂きたいです。





さて、特定第二種国内希少野生動植物についてですが、こちらの指定では販売及び、無料頒布(金魚すくい的な景品ですかね?)を禁止し、個人での採集・飼育は禁止されないようです。

カワバタモロコと水生動物繋がりでタガメとトウキョウサンショウウオがこの指定を受けることになっているようです。

この指定は悪くない…むしろ朗報といっても良いかと

タガメと止水性サンショウウオはヤフオクで叩き売りされたり、実店舗にもブリードでは無く採集個体と思われるものが陳列されていますからね、、、

希少になってしまった生き物をくだらない小遣い稼ぎに利用する位なら販売を取り締まるのが手っ取り早いと思いますから、、、

僕としてはカワシンジュガイも特定第二種に指定してしまっても良いと思います。

二枚貝を数百円で叩き売りしてますが、インスタを覗くと未だにイシガイ目の二枚貝をタナゴ繁殖の使い捨ての道具としか見ていない、前時代的な人達が散見されます。イシガイ類の生態や生息地の危機的状況を少しは勉強して欲しいところです。そんなにタナゴ殖やしたいならバカのひとつ覚えみたいに二枚貝に頼らず、人工授精にトライして頂きたいところです。








長文にお付き合い頂き、ありがとうございました!素人が書いた記事ですので、所々間違いがあるかもしれません。ご指摘頂けると幸いです。








静岡清流採集2

2019-12-21 07:30:07 | 野外採集



いざ現地に行って見ると沢山のダンプカーが居て、ユンボが稼働しているのが見えて嫌な予感がしましたが…

案の定、川の水は駄々濁りでしたね。希少な両側回遊魚の生息地のはずなのでちょっと心配。ちゃんと配慮してる?




ボウズハゼ

観察ケースを逆さにしても持ち前の吸着力で貼り付いていられるのは流石といったところ。


ゴクラクハゼ







ウキゴリ

普通種ですが、アップで撮るとなかなか綺麗^^




駄々濁りの場所でやるのは気が滅入ってきたので、上流へ移動して清流を満喫しながらガサります。







ニシシマドジョウ

トウカイコガタと比べると長いヒゲが目立ちますね。







カマツカ類の分布ってイマイチ分からない…





またまたボウズハゼ





ズナガニゴイ

こちらでは残念ながら移入種ですが、カマツカとニゴイのMIX的な雰囲気がそそられます。

初採集ですので、個人的には嬉しいです。5匹持ち帰りましたが酸欠にかなり弱いようで、輸送中に3匹死んでしまった…冬だからと油断してしまいました。



ズナガニゴイは渓流魚的なカッコ良さがありますね!











北関東里山採集7

2019-12-15 10:55:20 | 野外採集



二枚貝探しに新規開拓してきました。まずはオイカワ。



ウグイは全国的に見れば普通種ですが、地域によってはカワムツに押されて数が少なくなっている印象です。飽くまで僕の感覚ですが、カワムツを50匹位網に入れて、ウグイがやっと一匹捕れるかどうかというところです。

アイソという地方名があり、川魚料理として親しまれて食べられているようですので、純然たる在来種だと思います。



噂のカワムツ。栃木の川にはどこにでも定着してしまっている…といっても過言では無いと思います。

適応力が高く、かなり繁殖力も強い印象ですので、同所に生息するコイ科の魚に悪影響を与えていると思われます。

↑カワムツの本来の分布域は愛知県以西のようです。国内外来種というやつですね。

侵入してきたカワムツが増殖・分布拡大することによって、相対的に生息環境のかぶるウグイは数が減ってしまいますね。コイ科にしては口が大きく開くので、タナゴ類の幼魚も食害していることでしょう。日本の魚とはいえ、本来の分布域外ではバスギル並みに厄介かと…

ウグイとカワムツは日淡に興味が無い人にとっては同じに見えるかもしれませんが、鱗の大きさが違いますよね。幼魚サイズは僕も同定に悩むことがありますが、10㎝クラスなら見分けは容易です。








スナゴカマツカ(分布域同定)

分布域同定と書いたのは、関東で捕れたから必ずしもスナゴとは限らないからです。西日本由来のカマツカが関東に入り定着し、スナゴとノーマルカマツカが同所に生息し、雑種まで発生している状態らしいです。

https://blog.goo.ne.jp/gai6969/e/c6139605013cae38e5e56406eec606e8
↑岐阜のノーマルカマツカと比較すると頭部が丸っこいと思うので、スナゴですかね?


↑カマツカ3種の見分けは難しい…





ニゴイは今まで幼魚サイズしか捕ったことが無かったので、成長したものが捕れて嬉しいです^^チョウザメ感があって、
カッコいい!


ツチガエルは水中越冬してました。


カジカ大卵型。渓流魚のはずが流れの緩やかな小汚ないボサにいて一瞬、ドンコが網に入ったかと思ってしまった(笑)

いかにもな感じの急流の石の下では見かけなかったんですが…





新規の場所でマタナゴの姿を見つけると感激と同時に安堵します。

僕もブロガーの端くれとして、タナゴ釣りブログに目を通しますが、どうも栃木県北にタイバラとアブラボテが侵入し、定着しているらしいんですよね…

ブログ書いた本人は無邪気に喜ばれておられましたが…本当にタナゴが好きなら外来タナゴの存在は悲しむべきであって、喜ぶのは浅はかですかね。

先ほどのカワムツの話と繋がりますが、水槽ではなく川の中ですから、タイバラが増えれば相対的に他の魚が、つまり在来タナゴが減っていくはずです。産卵母貝も競合しますし…

例えば宮城県ではタイバラとカネヒラに押されて、マタナゴとアカヒレタビラは野生絶滅寸前らしいですし、タナゴ釣りや飼育をする人皆が真剣に考えるべきですよ!

釣り人目線ですと、単純に魚種が増えて嬉しいのかもしれませんが…

僕も街中だとか開発が進んで、自然度の低い場所であれば諦めがつくし、タイバラでも捕れたら喜ぶかもしれません。僕もダントウボウ狙ってますし。

ですが、自然度の高い、希少になってしまった在来種の生息地での外来種の存在は僕ならば喜べないです。






肝心の二枚貝探索はまたしても空振りに終わってしまいました…タイワンシジミの殻を時折、見かける位でイシガイ類はさっぱりです。

関東で生きたマツカサガイとヨコハマシジラガイを見つけるのは相当難しいな…




カワムツは駆除も兼ねて、内臓と鱗を取って素揚げで食べました。幼魚サイズはそのまま美味しく食べれますが、10㎝クラスは骨が気になります。






日本両生類研究所

2019-12-10 08:54:32 | 水族館

奥日光へ行って来ました。観光目的ではなく水族館目当てですw





電車からバスに乗り換え。

こんなナリですが、一般道を走る路線バスです。がっつりリクライニングしましたwいろは坂を登りながら昼寝が出来ます。


明智平


中禅寺湖





栃木県で二つ目となる水族館!

https://www.google.com/url?sa=t&source=web&rct=j&url=http://www.nikko-academy.jp/ja/japan-amphibian-laboratory/&ved=2ahUKEwiB08-AzqnmAhXxFqYKHTOUCKgQFjANegQIARAB&usg=AOvVaw1EE6NPnV8Vx72XT1d9s8Ee

日本両生類研究所は15年前に閉館してしまった施設ですが、今年の夏に一般向けで復活しました。

日光駅から湯元温泉行きのバスに乗り、大崎バス停で下車して直ぐです。

なかがわ水遊園との距離がかなりあり、電車移動ではハシゴ出来ないのが少々残念…







いきなり行っちゃいます!

ツイートしたら思いの他、反響が大きかったんですが…こちらは各都道府県のイモリを集めた水槽になります。

実は水槽各下に鏡がナナメに置かれていて、腹部の模様をまじまじと観察することが出来るというユニークな展示になってます!









クロサンショウウオ成体は隠れていて、満足のいく写真は撮れませんでしたが、実物はかなりエロいですw本格的なアクアテラ憧れます…





ムチムチしててエロいですね。





美しい…





こちらは日本最大の小型サンショウウオですので、黒さも相まってかなり存在感のあるイシヅチサンショウウオ。







ここまで数多くの種類のサンショウウオを展示している施設は他には無いでしょう!

ヤフオク等で乱獲個体なんか買わずとも、こちらの施設に足を運べばサンショウウオ達を愛でることが出来ますね!

サンショウウオは暑さにかなり弱かったりと環境の変化に弱い生き物ですし、どの種類も保全に真剣に取り組まなければならないほど、生息地や個体数が減少しているために飼育するにはそれ相応の設備と覚悟が必要なはずですよ!

余談ですが、展示されている一部のサンショウウオはフォロワーさんが貸し出しされているとのことです。考えてみれば、日本中のサンショウウオを集めるには地元のガチ採集勢の協力が必要ですよね…



チュウゴクオオサンショウウオ

オオサンショウウオに関しては、色んな施設で展示されていますし、マスコットになることが多いと思うので…こちらはそれほど注目しなくても良いと個人的には思います。

皆、イモリやオオサンショウウオに目が行きがちですので、小型サンショウウオにも関心を持って貰えたらと思います。

イシガイ目の二枚貝と同じく、小型サンショウウオは不憫な存在よね。


魚はヒメマス、ニジマス、ウグイ等が展示されていました。地域の名を冠するニッコウイワナが居ないのが残念…





研究所ですので、資料館の要素も強いです。

医療の役立つイモリの再生能力であったり、サンショウウオの生態・保全であったりと勉強になります!

イルカショーや珊瑚礁といった、華のある展示は無いですが、生き物屋ならば行かなきゃ損な展示内容です!それと同時に一般の人にもサンショウウオの魅力と現状を知って欲しいです。



実はまだ、ドジョウのエロ本を持っていなかったので買いました。

特盛シリーズ第3弾として特盛淡水二枚貝本が発売されることを期待していますw

2階にちょっとした図書スペースがあり、生き物関連の本が置かれています。魚部の本は購入可能です。



水族館施設として月日が浅いので、カエルの展示は少なめでしたが…これから順次、展示個体を増やしていくとのことです!

水族館としてはかなり小さめで冬季は関連ということもあり、スタッフさんとゆっくりお話をすることが出来ましたので、トウキョウダルマの布教活動をしておきました(謎)

日本両生類研究所の運営費のためにも是非、遊びに行きましょう!



楽しかった!