どぶがいの屋外アクア

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フネドブガイ生息調査

2019-09-25 10:35:53 | 野外採集
フネドブガイの生息地に行って来ました!

自宅から余裕で100km以上距離があるので
、決して近場とは云えませんが…淡水二枚貝のマイナー種は気になるので要チェックといきましょう!

↑フネドブガイとは何ぞや?と思う人は前回の記事をお読みください。







三面護岸の幅1m程の小さな用水路で水深は浅い所で5㎝から深い所で30㎝程となっていました。

フネドブガイは砂と泥が混じって堆積した場所に潜り込んでいました。泥しか無い場所やコンクリむき出しの場所は好まないようでそのような場所では見かけませんでした。

水管が良い味出してます(笑)




生きた貝は26個体確認出来ました。

プラ舟で繁殖させてみたいので2個お持ち帰りしました。元々自宅に居るものと合わせれば4個体になるので上手く殖えて欲しいです。





3㎝程度の若い貝が確認出来たので再生産されているのだと思います!
とは云えフネドブガイの生息が確認出来た場所は局地的でしたので、経過観察は欠かせないです。

生息地が狭い範囲で限られていると河川工事や災害によって、いとも容易く地域絶滅してしまう危うさがありますからね…だから二枚貝に限らず、生息調査は大事ですね。






8㎝クラスの老成個体は黒みがかって貫禄がありますよね(笑)
これより大きなものは見かけなかったので多分、MAXサイズなんだと思います。






水深10㎝程度で大雨の時にしか水が流れ込まないだろうと思われる桝にも複数匹生息していました。
二枚貝にとっては劣悪な環境に思えますが、うちのプラ舟でも長期飼育出来ているくらいですので、温度変化や酸欠には間違いなく強いと思いますね。

イシガイ科の二枚貝が全国各地で数が減って居るのは様々な要素があるのだと思います。

・コンクリート護岸工事により砂や泥が押し流され潜り込めず、居場所を確保出来ない

・その工事により生コンクリートや土砂が二枚貝のエラに詰まり、窒息死

・アライグマやヌートリア等の捕食圧

・タイワンシジミとの競合

・トリコによる採集圧

パッと思いついた限りで原因を書き出して見ました。

イシガイ科の二枚貝の繁殖形態も災いしていますね…

繁殖形態について話を掘り下げるとかなり長い説明になるし、読者が飽きると思うので、参考になりそうな論文のリンクだけ貼っておきます(^^;


↑指標・危急生物としてのイシガイ科二枚貝


僕も時間がある時に論文を一気読みしています(笑)イシガイ科の仲間は生態だとか分類が奥深くて…サラッと説明するのは困難です(笑)







用水路の魚はモツゴ、トウヨシノボリ、マ(カラ)ドジョウの3種でした。これらの魚がグロキディウム(幼生)の宿主となっているのでしょう。
余談ですが、近くの湿地では某外来魚が網に入ります。




桝にはミズカマキリとタイコウチも居ました。









トウキョウダルマ…ではなくトノサマガエルです。



フネドブガイと他のドブガイ類との簡易的な見分け方をフォロワーさんに教えて頂きました!

※ヌマガイとタガイはドブガイ属、フネドブガイはフネドブガイ属のようで別種です。


・殻が明るめの色であること

・殻幅(殻の厚み)がタガイよりあること

・殻の付け根が真ん中辺りに来ること

このへんですね。







フネドブガイ








ヌマガイ



ヌマガイとは殻高が全然違うので見分けは容易いですね。

それとフネドブガイは殻全体に膨らみがあるのに対して、ヌマガイは殻の付け根のみに膨らみがあります。
一方、フネドブガイとタガイは殻高が同じくらいだと思いますので、殻幅と膨らみも有効な同定ポイントになりえるようです。



こんなこと書いて恐縮ですが、僕自身はタガイの実物を見たことがありません。東京住みの人間はイシガイ科の二枚貝を観察する機会になかなか巡り逢えませんね。残念ながら…都内に生息する淡水二枚貝と云えば専らタイワンシジミです…