お人形を持って写真館に出かけた母、二十歳前であることは間違いない。それも日本で写したわけでもなく、幻の日本で、当時の社会事情に置かれた年頃娘に沸いていたむしゃくしゃからこの写真を撮ったのだという。
提灯袖と呼んだパフスリーブのブラウスも自分で作ったそうだ。
ミシンは当時の値段で3000円 1940年以前のことだが、これは支度品プレゼントともいえる。
ストレスやうっ憤晴らしで写真をたくさん手にし、隊列で行進する兵隊さんにあげたのだとか!手を指し伸ばして欲しがる代物、笑っている写真でなによりです。
昭和50年平壌楽浪海30周年記念の住所録には吉本好太郎(毛糸・裏地・裁縫用具)墨田区大平という住所に本人の丸囲みマークがあり、当時現地で贔屓にしていた店主だろうか。―
読者からの続き希望があり、おまけです。