やっぱり書いておきたい、話したいという気持ちがある。
家のカギだろう、普通とは違った方法で身に着けていたので、「おやっ」と気を留めていた。
彼が連れていたのは、年下の男の子、ふたりとも華奢な体格に属すだろう。
すれ違ってから6,7メートルばかり後ろを歩いて行くふたりを振り返った。
○○○○〇これは、約束だからね。
それがはっきり聞こえ、それも年下、きっと弟だろう少年に教えるかのように話していた。
弟のきっと「うん」とでも言っただろう声は私には聞こえなかったが、お兄ちゃんの声だけは、
私の耳にしっかりと届いた。お兄ちゃんの貫禄だ。 心地よかった。
お兄ちゃんが学校から帰ってくるまで、弟が家で待っていたのだろう。そしてお兄ちゃんが
弟をつれて遊びにでかけるところだっただろう、 推測違いかもしれないが。
ー 良く育っている -
ご両親がこんな光景を知っているか、私にはわからない。けれど、どうでもない光景が
私には夕方の散歩路で味わったぬくもりとして生き留まっている。