ピカソが生まれたのはマラガだそうで、ゲルニカ創作に至った話しもガイドブックに紹介されている。
思い出したのは、世界で住みたいと思われているドイツの都市の展覧会会場で買ったピカソの絵ハガキだった。
地球上に人が手を繋ぎ合っていて、よくわかる絵だ。その絵の想いを旅先でまさに体験して感じるときがある。
スペインでは、英語をとっさに話はしない市民が多いけれど、ハポンの旅人に親切に手足になり、対応してくれた。
バス停で、「アビラのアルカサル?」と尋ねると、婦人がジェスチャーで手をぐるっと大ぶりにして何やら話した。バスに乗ると、
「ぐるっとまわるよ」という意味だと、新市街を進む車内でボディアクションを思い出していた。運転手に行先を告げると、
ご婦人が、「私が教えてあげる」と、話しかけ、顔を見合わせると、「まだよ、まだ!」と、表情で伝える。にわかに異国の母親に守られている心地で、
旅先では多いに安堵していた。
また、ある昼下がり、セビリアでスペイン広場に向おうとしていた。若い女性に方向を尋ねて歩き出したところ、
追いかけられ、「こっちこっち」、「一緒に行きましょう」と歩き、入口まで繋がると、その女性は反対の方向に向って進んで行った。
グラシアスのすぐあとに、サンキュと、嬉しさ加減で口をついてくる。道すがら、私が話せる会話は、ブエノスディアス コモ エスタ?
ビエン グラシアス イーウステッド?こんなくらいだと伝えた。 実はこの会話、まだ学生の頃に姉が職場から知り得た会話だった。