for today 科学に目を向けよう

短文


我是三四六岁 
(旅の相棒募っています 乙女)

森林からの旬の香り

2013年05月31日 16時34分59秒 | 日記

朝から好天だと知り、山歩きに出かけた。 

同じルートではなくて、初めて歩くルートに、大学生らしい一団が歩きはじめていたので、ついて行った。

そばにいた男性に、「どこにいくのですか?」

「私もわからないです。先頭についているんです。」

「ああ、そうですか、私もです。」

お互いに笑いあい、すると「頂上の神社です」と一団のひとりが振り向いて答えた。

数分経つと、甘い香りが確かに漂ってきた。白い花が陽のあたる場所で咲き誇っている。

平地の林から漂うよりも、香りが濃い。 あとでわかったけれど、ウツギのシベが香りを放っているのだった。

香りに釣られて花の色を探したり、形に気をとられるけれど、植物はひょっとするとフェロモンを放って子孫の繁栄につながっているのだろう。

新しいルートを出発したのに、すぐに同じ道に合流して、あっけなくもあったけれど、ロックガーデンを目指して進み始めた。

2時間のコースで、一団と離れてひとりだった。 「田部井さんと歩く女史会」の看板があった。

人ひとりが歩けるくらいの山道に若い緑の日陰が傘のようにさして、歩きやすかった。

そういえば、時計もデジカメもスマホも持たずに家を出てきた。

 カメラがなくても楽しめるけれど、どこか、怖い気持ちが働くからだろうか、それとも独りだからだろうか、散歩をするときのようにいつものようにことばがひとりに歩いている。

( 独りで低山の小道を歩くことは、まずなくて、女性ならば、「一緒に歩きましょう」とどちらかから声がかかる。 メディアの一人旅とは、取材班も行動計画もある完全のひとりとはまったく異なる。)

けれど、数種類の白い花が樹林から歓迎し、初めて体験した山の香りに包まれていた。

滝まで続く道は変化があって、同じような岩を歩く道に何度か遭遇するけれど、それほど飽きない。

ー あっ子供の声がする。 こんなに早い時刻なのに、私よりも先に到着している。ー

宿泊先から歩いてきたそうで、未就学児を連れていたお母さんたちが、10数人はいただろう。

その後、ひとり鮮やかな水色のシャツを着ていた20代の山ガール、そして高年でサングラスをつけていた夫婦に行きあった。

日陰道はしっとりしているけれど、他は乾燥して、山の花のガクが一面に小さい砂利を播いたように散らばっている。

いつ、この山を歩いただろう。秋には来たかもしれない。 遠出の山歩きをしなくなったのには、天気の影響もあった。

急に天候が変わって雨が降るようなのでは、困ってしまうし、 雨具を用意して歩くほどの山がるでもない。 運動のつもりで出かけるくらいで十分だ。

看板のイベントは、昨日開催されたそうだ。 急な雨に遇っただろうか、ウツギのシャワーを浴びただろう。 さすが、良い時期を御存じだ。

その日の朝、家のそばからガビチョウのさえずりが聞こえていた。 歩いた道中では、そんな鳥には合わなかっただろう。