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空気ですよ空気。

2005年11月29日 | 日々の生活
僕が大好きなイラストレーター、
マツザワサトシ氏のポスター販売サイト【Salbo,ma Special Device】ができたようだ。
まだ枚数は3枚と少ないが空きスペースに余韻を残した構図、
マイルドな色合いが素敵。さすがです。
リビングと玄関の壁に飾る絵を探しているので、
これも選択肢の一つに加えよう。もう少し枚数が増えてから決めよっと。
僕の家は白壁とこげ茶色のフローリングにしているので、きっとピッタリだ。
マツザワ氏の現サイト【Salbo,ma】の前身【SatoLabo】では、
フジコチックというコーナーがあって、
自分をフジコチックに描いてくれるという企画だった。
とくに有名になった今は、とてもさばききれるもんじゃないと思うけど、
自分をこんなマツザワテイストで描いてもらえたら幸せだろうな。
家宝にするのに(笑)。

今、江戸の商売物と言えば。

2005年11月28日 | 

山本一力【深川黄表紙掛取り帖】

蔵秀を頭目とする仕掛け屋4人組。
商人達の問題を解決する仕事を請け負っている。
ある日、穀物商から多く仕入れすぎた大豆の捌きをまかされる。
一体どんな仕掛けを打つのか。

うむ。設定は面白いが、余韻を残したストーリーがなんか気持ち悪い。
それが“粋”を表現する狙いの様な気もするが、
テーマの割に読後の爽快感みたいなものがない。
現代の広告マンや企画屋の仕事を江戸時代に持っていって、
大金が動くスケールの大きい仕事をやってるんだから、
最後はスカッと終わって欲しかった。
話はなかなか面白いだけにその点が残念。

しかし、山本一力という作家は、商売物がうまいなぁ。
直木賞受賞作【あかね空】でもそうだが、
商売に大事なものは何か、運もある、情報もある、人脈もある、
その普遍的な要素をキッチリとらえている。
今、顔の見えない商売が増えてトラブルも増えている。
そういう、人間的な接点が希薄な事への示唆に富んでいる。

最高です。

2005年11月27日 | 音楽
好きなアーティストがアンプラグドに出ると、
どうしても観たくなる。
小さな箱、生音、新しいアレンジ、アットホームな雰囲気。
アーティストはごまかしの効かない空間で、才能と経験を発揮する。


アリシア・キーズ【アンプラグド】

アリシア・キーズのアンプラグドが出ると聞いて、
数年前に買ったローリン・ヒルのアンプラグドを思い出した。
その頃のローリン・ヒルはショウ・ビズに疲れきっていて、
久しぶりに人前に出たのがそのアンプラグドだったと思う。
全く一人でギターを手にした弾き語り。
リフにのせて思ったことを切々と歌う姿が印象的だった。
しかし、もはや【天使にラブソングを】での溌剌さ、
フージーズでのカッコよさ、
ミスエデュケーションでの伸びやかさは無く、
感傷的で宗教的で、痛々しさが印象に残るライブだった。
それが自然体で良いという人もいるかもしれないが、
僕としては以前のローリン・ヒルの方が観たいし聴きたい。

それに対してこのアリシア・キーズ。
その才能と今一番の勢いをのせて歌う。
アリシア・キーズのライブ映像を見たのは初めてだが、
あの独特の、人を射るような目、曲の立ち上がりのセクシーな低音、
絶妙なかすれ具合の高音、バックコーラスとのアイコンタクト。
どれもこれもほんとにゾクゾクする。

彼女の曲はもともとがナチュラルな音なので、
アンプラグドでどう変化をつけるか興味があったが、
原曲の良さは残しつつ、結構大胆なアレンジできた。
僕の大好きな曲“KARMA”なんかも逆にテンポ上げてきてたりして、
ピアノ曲が多いだけに、退屈な弾き語りにならないように演出も素晴らしい。
僕が彼女の曲で一番好きなのは“If I Ain't Got You”だが、
ライブで観ると更に感情表現が素晴らしく、一段と好きになった。

最後はボブ・マーリーの息子、ダミアンが出てきて、
レゲエパーティーで盛り上がって終わる。
ローリン・ヒルとボブ・マーリーの関係も深いが、
ボブ・マーリーが現在の音楽に与えた影響、
精神性というのは、絶大な物なんだなぁ。
しかし、アリシア・キーズの声がこんなにレゲエに似合うとは。

CDで聴くのも良いが、Amazonで買えば差額は2~300円程度、
普通に買っても1000円程度なので、これは絶対に映像で観るべきだと思う。
ああ、こんなライブ行ってみたい。

もし全作入ったBOXがでたら…。

2005年11月24日 | 映画
昨日は朝10時過ぎにTSUTAYAを2軒まわったが、
いずれも全て貸し出し中。
がっかりして帰ってきたら、お隣さんが購入したということで、
晩には貸してもらうことが出来ました。すごく嬉しい。


【スター・ウォーズ エピソードⅢ / シスの復讐】

自分の有り余る力への自信とその待遇への不満。
アナキン・スカイウォーカーは
愛するパドメの死を予見し、死をも操れる力を持つために、
ダークサイドへ堕ちていく。

やっと、物語がつながった。
ダース・ベイダーの誕生、そしてルークの誕生。

この作品もふくめた
スターウォーズ全体の事になってしまうが、
本当に素晴らしい映画だ。その映像と世界観。
スターウォーズは、“遠い昔、はるかかなたの銀河系で…。”
というテロップから始まる。
そう、これは僕たちにとって未来ではなく、大昔の話なのだ。
この一言だけでも、僕たちの先入観はぶっ壊される。
宇宙のスケールがグンと広がる。
銀河の中でも辺鄙な場所にある地球。
そこにいる人間達が頭の中で時間も距離も超えて創造した世界。
隅々まで統一された世界観が観る者を惹きつける

今作はかなりライトセイバーでのチャンバラが多い。
ジェダイは銃を使う事を潔しとしない為、剣術での戦いになり、
それがこの作品の面白いところの一つだが今作はかなり見ごたえがある。
どんな場所で、どんな戦いが行われるかがとても楽しい。
これまでの作品を観ていれば今回のストーリーは、
結果がわかっていて、経過もある程度予測できる話となるわけだが、
戦闘シーンの充実がそんな事は感じさせないし、
また感情的な部分も充分に描かれているので、
なるほどこういう事だったのかと最後まで楽しめる。

ジェダイの騎士はいつも落ち着きすぎていて、
結構無謀というか、策も無くいきなりのり込んで行って、
窮地に陥り、最後は力で何とかしてしまう場合が多い。
それに対し、中盤3部作のソロ(ハリソン・フォード)は
一見無謀なようで実は策士、コミカルな面も多い。
そういった意味で中盤3部作の方が登場人物に感情移入し易いが、
こういう対比が、根本的な世界観は一緒なのに
3作ずつの印象をがらりと変え飽きさせる事が無い。

これで、6つのエピソードが揃ったわけだが、
実際には更に終盤の3つがあるそうだ。
しかし、映像化はしないと断言しているらしい。
確かに失敗できないプレッシャーの中で、
さらに10年以上このモチベーションを保ち続けるのは、
ジョージ・ルーカスにとっても大変だし、
色んな面で最後までやりきる自信が無いのかもしれない。
でも、何とか最後まで映像化して欲しいな。

二年目にもちこし(ほんとは一年目だけど)。

2005年11月17日 | 

リリー・フランキー【東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~】

やはり欲求が抑えきれず、ほんとに久しぶりにハードカバーの本を買った。
(おそらく10代の時のシドニー・シェルダン以来)
僕は号泣まではしなかったが、それは多分電車の中だからで、
やはり涙をこらえるのはかなり大変だった。
ここ数日はツバの深いキャップを被って出勤した(笑)。

これはリリー・フランキーの子供時代からの回顧録。
リリーさんのオカン(そして時々オトン)の記録。
これまで別の本で読んだエピソードなんかもぎゅっとまとめてある。
しかし、ベクトルはおもいっきりオカンに向いている。
僕は子供の頃の記憶がほとんど無く、
どちらかというと忘れていくタイプのなので、
これだけ色んな事を覚えているのはすごいなぁと思う。

人それぞれの家庭環境があり、人生があるが、
この本を読んでいくと自分の親との関係を照らし合わせ、
自分の子供との関係を照らし合わせ、そして自分の人生を照らし合わせる。
親に対しては、思春期には思春期なりの葛藤があったし、
いまだに色んな面で甘えてばかりだ。
そのくせ、一人前に見られたくて偉そうな口をきいたりする。
自分が親になってみると子供は元気で頑張ってくれるのが一番の望みで、
自分の事は気にせんで良いからと願う。
今はまだ、そんな親心に逆に甘え続けている状態で、
この本を読んで反省する事も多かった。

一番心に残ったのは躾のくだりだ。
リリーさんのオカンは箸の持ち方なんかにはうるさくなかった。
それよりも、例えば人の家でご飯を食べる時、
最初に、つまりメインディッシュよりも先に
漬物を食べたりすると怒られたそうだ。失礼だからという理由で。
自分自身に向いた行儀はどうでも良く、
人に向いた、人の気持ちを考えた行儀には厳しかったそうだ。

僕は子供をしかる時、基本的に
人に迷惑な事をしたらいかんとしかる。
しかし、きめ細かい気配りなんかには頭が回らない。
それは自分自身も出来ていない事だから気付かない。

鉛筆の持ち方なんかは大事な事だと思う。
行儀や身だしなみで人から判断される事も多い。
しかし、鉛筆はしっかり持てるが、字は汚く、
それでいて持ち方の悪い人を見下すような、
そんな育て方はしないようにしようと思った。

ひとまわり。

2005年11月16日 | 日々の生活
さて、一年間ブログを書いてきたけど、
カテゴリーの数を見る限り、本36、音楽31、映画57というのが、
この一年で僕が摂取したカロリーの量だ(多少誤差あり)。
これまでこうして数として見た事が無かったし、
何を観たのかもすぐ忘れていくから、
やはり日記はつけてみる物だなと感心してみたり。
本は月2~3冊ペース、映画は週一本以上というところで、
量的には体感しているのとそんなに変わらないけどね。

そこで、ざっとブログを読み返してみて、
自分なりのこの一年のNo.1を決めてみた。
せっかく記録をつけてるんだからね。

--- 映画 ---

【ドット・ジ・アイ】

他にも候補はいくつかあったけど、
やはり【ドット・ジ・アイ】かなぁ。
良いサスペンスに飢えているんだよなぁ。
この映画は久しぶりにきっちりと最後をオトしたというか、
“あぁ、なるほど。うまいねぇ。”と素直に楽しめた映画だったので。
キャスティングも今の僕的にツボでカッコ良かったし。

--- 本 ---

【ラッキーマン】マイケル・J・フォックス

小説でも良い物はあるけど、
やはり心に残るのはエッセイやドキュメンタリーというところか。
表紙の写真に写る、マイケル・J・フォックスの表情が全てだ。

--- 音楽 ---

【ワルダクミ】マボロシ

これはほんとによく聴いたー。
男のカッコイイ音楽とは何ぞやというところの一つの答えではある。
繰り返されるリフがとにかく気持ち良く、グルーブが腰にくる。

こりゃ怖い。

2005年11月14日 | 映画

【宇宙戦争】

突然、稲妻とともに宇宙人が侵略してくる。
息子と娘を連れて逃げるレイ。
恐るべき侵略者達から逃げ続けるが…。

オチはこの際どうでもいい。
原作が100年以上前に書かれた、その発想力のほうが驚きだ。
これってオーソン・ウェルズがラジオで流して、
アメリカがパニックになったってやつだよね?
しみじみと感動する映画もいいが、
こういうのをちゃんと映像で観させてくれると、
“いやー、映画ってほんとに素晴らしいもんですね”と思える。

しかし、同じ地球侵略ものでも【インディペンデンス・デイ】が
アメリカ万歳的なヒロイックなストーリーだったのに対し、
こちらはひたすら怖い。逃げるしかない。
世の中、父親は常に強さと優しさを求められるが、
オヤジにも出来ることと出来ないことがあるし、
怖いものは怖いんだ。

太陽系が属する銀河系は、おとめ座銀河団に属し、
さらにその上には超銀河団があるらしい。
太陽系は銀河系の中でもかなり辺鄙なところにあるので、
銀河の中心方向を見ると天の川となって見える。
見えるのは恒星ばかりなので、そのまわりにそれこそ無数の惑星がある。
なので地球外生命体の存在は間違いのないところだろう。
いつか共存する時が来るのだろうか。
それとも宇宙の隅でひっそりと滅亡していくのが地球の運命なんだろうか。
だいぶ前、会社の上司が会社のパソコンで【SETI@home】に参加していて、
おいおいと思ったが、宇宙を夢見ることはやっぱり楽しい。

話は全然変わるが、
トム・クルーズは今年の色々な奇行やサイエントロジーの報道で、
イメージランキングを大幅に落とし広報担当の実姉を解雇したらしい。
身内をそんな大事な役につけるところがすごい。
良いイメージを築くのは大変だが崩すのは非常にたやすい。
これから頑張ってね。

富士がうっすら。

2005年11月12日 | 
ひさしぶりの出張で沼津へ行った帰りの新幹線。
今、名古屋を過ぎたところ、雨が降ってきた。
出張報告も書き上がったので、携帯でこれを書いている。

と昨日ここまで新幹線の中で書いたが、
睡魔に負けてしまった。


赤城 毅【紳士遊戯】

駆け出しの詐欺師、立見広介。
新しい師匠、四条と孫娘るぅのもとで修行していたある日、
上海で前の師匠を殺した敵に出会う。
大掛かりな詐欺で、復習を画策するが…。

表紙の画と裏表紙の説明書きとのギャップに驚いたが、
読んでみるとそうでもない。
いわゆる、義侠心をテーマにしたピカレスクロマンだが、
内容としては子供向けだ。
中学生ぐらいでこういう本を読むと、
小説が好きになるんだろうなという感じ。

この文庫本の解説を書いた人が、
「映画で言うと“SAW”“アイデンティティー”“ユージュアル・サスペクツ”
なんかを観た後に似ている」みたいな事を書いてるけど、
それはさすがに言いすぎでしょ(笑)。


それでも応援しちゃうけど。

2005年11月09日 | 音楽

TOSHI【Time To Share】

ちょうど一年ほど前だったろうか。
久保田利伸のアルバムがプロデューサーの耳にとまり、
ソウルトレインで歌うというニュースが流れたのは。
さすがである。素晴らしい事だ。

いよいよレンタル開始となったので、聴いてみた。

一語一語言葉を切りながら、その一語の中に抑揚をつける、
彼独特の歌唱法と曲で全体を通している。
これが他のアーティストには無いオリジナリティとなっているし、
ネイティブに囲まれた中で、
最もメッセージを伝えやすいスタイルとして考えたのかもしれない。
しかし、ずっとこれだとまったく退屈なんだなぁ。
あの伸びのある歌を聴きたい、いちファンとしては、
このアルバムを何回も聴こうという気にならない。
僕は英語の歌詞を全部聞き取れないので、
洋楽、特にR&Bやソウルを聴く時は言葉の流れのうまさや、
印象的なフレーズが大事だ。
そういった点で、今の彼の曲は偏りすぎていて、
それぐらいなら洋楽聴いた方が良いと思ってしまうのだ。

時間の無駄。

2005年11月08日 | 映画
【1.0(ワン・ポイント・オー)】
よくこんなくだらないシナリオを真面目に映画化するなぁ。
しかも、いかにも新感覚ムービーといった感じで、
プロモーションするところがまたムカつく(笑)。

こういったストーリーは、
たとえそれが実際の技術的には荒唐無稽なものであっても、
ある程度観客を納得させるだけの論理が必要だ。
この映画には全くそんな物はなく、
ナノテクって言ってるがただごく小さいものと言うだけ。
ただ流行の言葉だから使ってみたと言うのがバレバレのシナリオ。

もっと細かい事を言うと、ナノテクって言うのは、
ナノの世界ではそれ以上のサイズの世界では起きない様々な現象が起こり、
それを有効に活用したテクノロジーの事だ。
そんな事を考えもしないといった陳腐なシナリオでナノテクを前面に出し、
しかも内容も支離滅裂で最悪という映画。

ただ現在、マイクロマシンというのは随分発達してきていて、
学会などでも沢山発表されている。
マイクロマシンと呼ぶにはまだまだ大きいが、
これまで苦痛を伴っていた内視鏡検査も、
カプセルを飲み込むだけで行えるようになっている。
こういったマシンは人間が扱いやすいように全体サイズこそミリメートルだが、
内部に使われている技術はミクロンやナノの技術だ。
もちろん学会などでは人間の入れないところの検査や、
医療への応用など、良い方向の発表ばかりだが、
この技術が進むと、本人に気付かれず体内に装置を組み込む事も可能で、
悪用される可能性もまた出てくるんだなという事に気付いた。