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不思議な響き、アジアンタムブルー。

2005年07月27日 | 

大崎 善生【アジアンタムブルー】

葉子を癌で失ってから、
デパートの屋上で空を見上げてばかりの山崎。
様々な人との思い出、ふれあいを通し、
少しずつ現実社会に戻っていく。
そして、葉子と過ごしたニースでの最後の日々。

最近、本屋でやたら目に付く表紙につられて読んでみた。
はっきりいって、文章が好きではない。
微妙な比喩が多いし、
音楽についての記述が多いところも嫌だ。
本当にこんな会話してる人たちいるんだろうか。
セックスの最中に「ペニスと粘膜のわずかな隙間」について、
考えてる人って本当にいるのか?
そこに想いを馳せる事が愛だとか。
少なくともこの作家は考えているんだろうけど。

ただ、愛する人が目の前で死んでいく、
その喪失感と悲しく悔しい気持ちは、
その透明感のある文章で良く表現されている。
その人にとって幸せな死を迎えさせる為に見守る。
いつの間にか引き込まれ涙していた。

以前、僕は宗教を信じないと書いたが、
愛する者が死んでいこうとしている時、
やはり神に祈るのだろうか。奇跡を信じるのだろうか。
それとも、科学的、医学的結果を受け入れ、
少しでも“幸せに”死んでいけるように、
最善を尽くすのだろうか。
その両方だろうか。


確かにR15指定。

2005年07月26日 | 映画

【マイ・ボディーガード】

なんだかオヤジになってしまってから、
あまり良い作品が無かったデンゼル・ワシントン。
これは久々のヒットじゃないだろうか。

酒におぼれ、人生が破綻している男クリーシー。
メキシコで暮らす少女ピタのボディーガードを引き受けた事から、
徐々に自分を取り戻す。しかし、ピタは誘拐され殺害の宣告が。
クリーシーは全てをかけて復讐に立ち上がる。

前半は少女とのふれあいに全力投球し、
後半は残酷かつむちゃくちゃな復讐劇。
その落差が強烈な印象を与える。
デンゼル・ワシントン扮するクリーシーは無感情で、
これまでの軍人生活から人生を諦めきっている。
そこに射した一筋の光がピタだ。
ダコタ・ファニングは、そのはかなさを感じさせるキュートさで、
全く“光”そのものだ。それを奪われた時どうするか。
自分の命なんて端から考えないで、とにかく復讐の鬼になりきる。
でも復讐ってそういうもんだろう。
その復讐の課程で明らかになる誘拐の全貌と
お金中心の大人たちのエゴ。良いストーリーだ。

中南米というと麻薬と誘拐が思い浮かぶ。
舞台となるメキシコシティでは60分に一回誘拐が起こっているそうだ。
よくそんなストレスの中で生活できるもんだと思うが現実だ。
そんな街を撮るにはこの映画のようなコントラストの強い映像が最適だ。
妙な不安感・生々しさと人間臭さが浮き彫りにされる。


はい、ぼんくらです。

2005年07月25日 | 

宮部みゆき【ぼんくら】

とにかく面倒な事が大嫌いな、ぼんくら同心・平四郎。
そんな平四郎が毎日立ち寄る鉄瓶長屋で、
殺し・身売り・宗教騒ぎなどが立て続けにおこる。
いったい、この長屋で何が起こっているのか。

冒頭は宮部みゆきらしくなく、
なんとなく読みにくい文章だったが、それも徐々に無くなっていた。
最初は全く無関係のように思える事件だが、
(上下巻あると知っていながら、短編集なのかと疑った程だ)
だんだんと糸がつながっていく、その構成力は相変わらず素晴らしい。
そして、物語を面白くする脇役たち。
この事件を解決する為に作り出された異能キャラは、
いわゆるレコーダーの能力をもつ子供や、何でも測ってしまう子供。
ステレオタイプな感じなのは
いかにも憎憎しい岡引や、長屋の“心”煮売り屋のおかみなど。
なんとも安心して楽しめる時代推理小説だ。

そんな中でぼんくらだが曲がった事が嫌いな平四郎の、
優しさや気遣いがなんとも心地よい。
忙しく、余裕の無い現代人たちに、
仕事が出来るって事だけが全てじゃないんだよと教えてくれる。

宮部みゆきの時代物はストーリーの感覚は現代物に近いが、
江戸の風俗や制度も解りやすく記されていて、
時代物に特有の言葉や漢字にも、結構親切にルビがふってあるので、
中高生への入門書としてもベストだろう。

そして、下町への愛がいつもすぱーんと真ん中を貫いている。

びみょー。

2005年07月23日 | 日々の生活
次のWindowsの名前が【Vista】に決まったそうで、なんかちょっと嫌。
このサイトの名前【Groovista】は結構気に入っていて、
今後も色々使いたいと思ってたんだけど。
なんか意識してるように見られそうじゃない(笑)。
考えすぎ?


明日も仕事なので。

2005年07月22日 | 音楽
今日は映画観るのも少ししんどい。
ので、記事を書こう。


ケツメイシ【ケツノポリス4】
ケツメイシもすっかり人気者。
売れまくっているらしいこのアルバムを聴いてみた。

やっぱ売れるな。これは。
優しくて聴きやすいメロディーのサビは健在だ。
つい口をついて出そうな言葉。
でも、このアルバムはいまいちだな。

ケツメイシの曲には、
思わずその場面を思い浮かべてしまう様なストーリー性のある曲が多い。
【手紙】【ファミリア】などでも、ちゃんと何が伝えたいのか明確だった。
とくに【ケツノポリス3】では、
電車で見かけた女の子との出会い、
実家に帰ったときの思い、
お水のお姉ちゃんとの駆け引きなど、
物語を率直だけどうまい切り口で語っていた。

だけど、今作ではそんな作風はなりを潜め、
本当に心に映像が浮かんだのは「サクラ舞い散る・・・・」って所だけ。
真剣に聴いてみても同じ。

何が悪くて、何が良いのかはわからない。
歌詞の入れ方なのか、歌詞自体なのか。
それとも僕の方が変わったのか。
だけど、このアルバムはすっと耳から抜けてしまう。
たくさんの人に受け入れられてるから良いんだろうけど、
僕の愛聴版にはなりそうに無い。


今日も夜中に蝉が鳴く。

2005年07月20日 | 日々の生活

いつ頃からかわからないが、あのカラフルな傘マークの
【アーノルドパーマー|Arnold Palmer】が人気らしい。
古着屋などで見つけると、カワカッコイイ!と思っていたんだけど、
個人的にどうもオヤジ(僕も充分オヤジだけど)がゴルフで着るイメージが強くて、
新品に手を出したことが無かった。
でも、最近は若い女の子にターゲットを移してすごく売れてるみたい。
で、【arnold palmer timeless】のお店に行って来た。
昨年末から展開している、雑貨も含めた新しいラインらしく、
値段も安めに設定されている。

定番のポロシャツなんかはめっちゃ可愛いくて、確かに一着欲しくなる。
そんな中で、思わず買ってしまったのが、
ちょっと季節に合わないパープルのパーカー。
でも、体にフィットするラインと
あごの辺りまでくるジッパーがスポーティー。
きれいなパープルに傘マークと同じ色のジッパーがすごく良い感じ。
秋になってこれが着れるのを楽しみに、しまっとこ。

感想と言うより宗教観。

2005年07月13日 | 

【常識として知っておきたい世界の三大宗教】

家としては浄土真宗でも、
個人的には多くの日本人と同じく無宗教に近いし、
神社へ初詣に行き、家では仏壇に手を合わせ、
クリスマスを祝い、結婚式は教会だ。
ただ、世界に目を向ける時、日本の文化、世界の文化、
これまでの歴史、今おこっている様々な出来事、戦争など、
宗教を抜きにしては語れない事が多い。
宗教は心のより所となり、憎悪の対象となり、
人間の生活の深いところに存在し続けている。

この本はそんな宗教の中でも、
三大宗教と呼ばれる仏教・キリスト教・イスラム教について、
特にどの宗教に偏る事無く、客観的に、簡単に解説している。
断片的にしか知らない事や誤解していた事がほとんどで、
それらが順序だてて整理できた。

やはり宗教が存在する事には文化的、精神的に大きな意味がある。
しかし、人の気持ちを動かしやすいと言う点で、
権力や金、テロリズムと結びつかない事はありえないので、
やはり納得はできないなぁ。

僕は、輪廻や来世は全く信じていないし、
死後の世界も無いと思っている。
死んだら灰になるか、分解されて土になるだけ。
僕の心は脳内の物質の動きによるもので、魂なんて無い。
不治の病にかかったら、「死にたくない」とは思うけど、
来世や天国地獄のことは考えないだろう。
奇跡はめったに起こらない現象が起こっただけだと思う。

ただ、先祖への感謝の気持ちは大切にしたいし、
“これからの運命に”幸せを願う事は忘れない。


まだまだ初心者。

2005年07月12日 | 

【こどもがはじめてであう せかいちず絵本】

小学校前の子供の教育で重要な事は、
知的好奇心を育てる事と
勉強に対してプラス思考を持たせる事だと思う。
興味や疑問を持つ事、そして調べる事、
最初は解らなかったり、出来なくても、
勉強や練習で頑張れば出来るようになってくる事。
なので、何かを覚えたり、成果が現れた時は、
その課程を褒めるようにしている。
頑張ったから出来た、一生懸命だったから出来た、
と言うのをはっきり言った後に、
次の目標はどの辺りかというのをさりげなーく言う。
ただ、苦手な事を本当に嫌いにならないように、
強制ではなく、うまく誘導するのが難しい。
ちょっと言い過ぎて反省する事も多いしね。
何度言っても覚えないと、わかってはいてもイライラするものだ。
子供には、ある事に対して飲み込みが早い“旬”があるので、
教え方を変えるとか、ちょっと離れてみるとかも必要なんだけど。

好奇心については、子供はもともと旺盛なので、
あとは幅を広げてやれば良いと思う。
花は綺麗だなーと眺めるのも精神的に重要だけど、
色々な種類がある事や、育ち方などについてちょっと言えば、
すぐに興味を示してくる。
そしたら図鑑などで調べる事を手助けすればいい。

昨年から義兄が米国に留学している事や、
娘は最近英語に興味がある事から、
世界の中の日本という概念を教えるのは今じゃないかな?
と思って探していたときに見つけたこの本。

地球は宇宙の星の一つである事からはじまって、
各地域ごとに動物や習慣や、川の長さ比べ、山の高さ比べ、
海の名前、時差や季節までイラストで説明してあって、
4歳の子供には若干難しく、大人でも楽しめる内容。
でも、一つ一つのイラストに疑問をはさんできて、
興味は持ってくれた様子。今はその程度で充分だな。

思ったとおり。

2005年07月11日 | 映画
この映画は観まいと思っていたが、
借りたい映画が無かったのでつい。
最近SFが観たかったと言うのもある。


【リディック】

惑星を次々に侵略していくネクロモンガー。
宇宙のお尋ね者リディックはその戦いに巻き込まれる。
灼熱の監獄惑星、氷の星、宇宙的宗教の聖地、
様々な場所で戦いが繰り広げられる。

うーむ。B級の域を出ないなぁ。
なんと言っても、敵も味方も人物に厚みが無い。
どうも、なんかの映画の続編みたいなんで、
もしかしたら前作に描かれているのかもしれないけど。
それにしても、それぞれの動きに必然性が無く、
お互いの関係もいまいち解らないままだ。
なんとなく好きな奴のために、なんとなく悪い奴らを倒す(笑)。
ネクロモンガーの、いわゆるバロック調の戦艦や服装も、
今まで宇宙の侵略者として使い古された感じでいけてない。
と言うわけで、
子供っぽくてマッチョなヴィン・ディーゼルのアクションと、
映像をちょっと楽しむだけの映画。
太陽が昇ると700℃になる監獄惑星はなかなかすごかったけど、
それも設定としてはありきたりだしね。
700℃って岩陰に入って助かるレベルじゃないし(笑)。
こんな映画撮るんならトリプルXの続編を早く作った方が、
商業的には成功しそうなのに。

なぜだ。

2005年07月10日 | 

山田 真哉【さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学】

最近、長編の小説ばかりで、少し飽きてきた。というか、ちょっとしんどい。
なにか良い実用書か入門書の類が無いかなーと思っていたとき、
毎日30分くらいはチェックしてる【AllAbout】で、
この筆者のインタビューがのっていて興味を覚えた。
タイトルを見て、「そりゃ、こういうからくりだろ。」という人もいるだろうが、
なんでだろうって思う人も多いだろう。

“会計学”に興味を持ってもらいたい、その入門書として書かれている。
日常の疑問、みんなが「どうやって利益を上げてるんだろう?」と思う例をあげ、
それぞれの謎を解き明かすことで企業や個人の会計について、
わかりやすく説明している。
実際読みやすいし、目からウロコな事も多くてとても面白い。
人にわかりやすく物を教えるのはとても難しい。
基礎的なことをわかりやすく教えるには、
その真理に近づいていないといけないからだ。
僕は貯蓄や保険の話が嫌いだけど、今後係わっていかなければならない。
こういう本から始めると、拒否反応が少ないと思う。