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大崎 善生【アジアンタムブルー】
葉子を癌で失ってから、
デパートの屋上で空を見上げてばかりの山崎。
様々な人との思い出、ふれあいを通し、
少しずつ現実社会に戻っていく。
そして、葉子と過ごしたニースでの最後の日々。
最近、本屋でやたら目に付く表紙につられて読んでみた。
はっきりいって、文章が好きではない。
微妙な比喩が多いし、
音楽についての記述が多いところも嫌だ。
本当にこんな会話してる人たちいるんだろうか。
セックスの最中に「ペニスと粘膜のわずかな隙間」について、
考えてる人って本当にいるのか?
そこに想いを馳せる事が愛だとか。
少なくともこの作家は考えているんだろうけど。
ただ、愛する人が目の前で死んでいく、
その喪失感と悲しく悔しい気持ちは、
その透明感のある文章で良く表現されている。
その人にとって幸せな死を迎えさせる為に見守る。
いつの間にか引き込まれ涙していた。
以前、僕は宗教を信じないと書いたが、
愛する者が死んでいこうとしている時、
やはり神に祈るのだろうか。奇跡を信じるのだろうか。
それとも、科学的、医学的結果を受け入れ、
少しでも“幸せに”死んでいけるように、
最善を尽くすのだろうか。
その両方だろうか。