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失敗。

2005年01月31日 | 
浦賀和宏【彼女は存在しない】
多重人格を主題にした、サイコミステリー。
ストーリーは良い。複雑な家庭環境、性的な虐待、
それらから身を守るために複数の人格を創り出す。切ない。
途中からだんだんと、どんなオチかわかって来るものの、
ちゃんと辻褄の合う裏切り方。

ただだ。この作家(他の作品は知らないが)、固有名詞を使いすぎ。
アーティスト、曲名、コンピュータ、雑誌、ブランド、キャラ、地名などなど、
実在の名前がたくさん出てくる。
とくに、クラブミュージックへの造詣を匂わさんとしているのか、
やたらでてくるアーティスト名と曲名は本当にウザイ。
大切なことが全然頭に入ってこない。
固有名詞を出さないと登場人物のアイデンティティーを表現できないのだろうか。
物語にリアリティーを出せないのだろうか。
ここでそんなセリフは言わんやろ?って言うのも結構あって、
やっぱいまいちだなぁ。

愕然。

2005年01月31日 | 日々の生活
ええ!
中尊寺ゆつこさんが亡くなった?!
これはショックでした、本当に。
「おやじギャル」の時代は良く知らないけど、
様々な漫画コラムで政治・経済も含め、
舌鋒鋭く時代や人物を切っておられ、
凄いバイタリティーの人なんだろうなと思っていただけに…。
癌ですか…。42歳は若すぎます。
こういうニュースを聞くと、ほんと何があるかわからないと感じる。
子供が大きくなるまで生きていられるのだろうか。
病気になった時、どのように振舞うのか。何か残せるのだろうか。


円卓の騎士の話は全く知りません。

2005年01月31日 | 映画
【キング・アーサー】
これは面白い。
まぁ、もともと中世の騎士物に弱いというのもあるが、
これは秀作だ。

15年間ローマ帝国の兵役に着くことを、
過去の契約によって定められた騎士たち。
友情、信頼とともにそれを取りまとめるアーサー。
契約が切れ、自由を手に入れる晩に最後の命令が降りる。

お決まりではあるが、個性的な騎士が揃っていて、
それぞれが得意な役割をになう。
なかでもランスロットとダゴネットは全くタイプの違う美しさを備えている。
これまでの15年間の戦いの内容はわからないが、
リーダーの苦悩、それに対する反応がそれまでの日々を物語る。
ストーリーも予期せぬ方向へ向かっていき、全く飽きさせない。

特に戦闘シーンは秀逸だ。
静寂と激動がうまく組み合わさり、
情報戦でもハイテク戦でもない、頭脳と肉体のぶつかり合いだ。
俯瞰的な構図と、地を這うようなアングルの使い方がうまく臨場感が素晴らしい。

こういった映画では、悪役の魅力も大切だ。
敵は、坊ちゃん育ちの領主様といったものでなく、
野心に満ち、冷酷な蛮族の王だ。力と警戒心で王になった(と思わせる)男。
才能がその父に及ばず、いまだ頭の上がらない息子が良い味を出している。
先住民族も個性的な戦いを見せ、
まだ暗かった時代のヨーロッパを感じさせてくれる。

主人公であるアーサーが、
ニコラスケイジのような雰囲気の顔と声なのがイメージと違い、
最初ものすごく気になった。
が、優しさや誠実さを表現するには結果OKだったかなと思う。


期待が大きかっただけに。

2005年01月30日 | 映画
【テイキング・ライブス】
美しく強いアンジェリーナ・ジョリー。
を観る為だけの映画でシナリオは最悪。
ツッコミどころや矛盾は無数にあるし、
オチは予想外の所からやってはくるが、すぐわかるし。

シリアルキラーを追う捜査官と、狙われた画家、
捜査を通して恋に落ちるが…。

まず、殺人者にポリシーも目的も無く、
狡猾に見せようとしている割には行き当たりばったりで、
捕まえてくれと言っている様なもの。
それなのに、アンジェリーナ扮するFBI捜査官は
分析力の凄いところを見せる割には、
最初からまんまと騙されちゃってるし。
だいたい、観客を驚かせようとか騙そうとかいう魂胆が、
見え見えな上に納得のいかないシーンが多く、無駄。

やはり、こういう映画に求めるのは、
もの凄く頭の良い(ある種の美学を持った)犯人と、
後手後手に回っていた捜査を挽回する捜査官とのせめぎ合いだ。
この作品にはそう言うものが全く感じられなかった。

アンジェリーナのちょっと変質的な捜査官としての、
細かい所作や癖、習慣なんかの作りこみと、
セックスシーンでのうめき声はとても良かったけど。



やっと週末。

2005年01月28日 | 日々の生活
趣味でイラストやフライヤーなんかを描くので、
「最新クリエーターのIllustratorテクニック」
みたいなムックがあるとつい買ってしまう。
こういう本を読むと感じるのは、プロの凄さだ。
僕は主に、イラストレーターで描き、
フォトショップで加工することが多いが、
それらは様々な効果や彩色、後加工を短時間で可能にする、
超便利なツールでしかなく、
人を惹きつけるのはデッサン力とセンスと根気である。
どの作家もソフトの有用なテクニックを解説するが、
やはり下絵の重要性を説いているし、粘り強さを感じる。
こういった要素は、持って生まれた物も大きいが、
やはり毎回いかに思考しながら沢山描くかによっていると思う。

では僕は本業でプロと胸をはっていう事ができるか?
少しずつで良いから、それに向かって進みたいものだ。


若干ネタばれ注意。

2005年01月25日 | 映画
【スイミングプール】
これはまた難解な。
正直わからないところも多いので、
自分で感じたことを率直に。

イギリス人の女流作家が編集者の南仏の別邸で、
その娘と同居する事になる。
若く奔放な娘と、枯れて陰鬱な作家の生活は、
事あるごとに摩擦を生じ、やがて殺人が…。

【リプリー】(【太陽がいっぱい】は観ていない)を
彷彿とさせる設定である。
陽のジュード・ロウと陰のマット・デイモン。
陰陽が交わるところに殺意あり。

この作品で、リュディヴィーヌ・サニエは本当に太陽のようだ。
若々しく日焼けした肉体。完璧すぎない胸。
鋭角で大人のようにも子供のようにも見える顔。
水をたたえたプールと太陽の反射が若さを引き立たせる。
それに対し、シャーロット・ランプリングは
当初から陰の雰囲気をだしまくる。
視線だけでどう考えても明るい性格ではないと思わせる。
こんな二人が同居し、さていつ事件が起こるのか。

なかなか起こらない(笑)。
話が進むにつれて解って来るのは、
二人とも陰、もしくはサニエが陰でランプリングは陽(?)だと言う事だ。
この映画はその雰囲気と、
最後のどんでん返しまでの伏線の為にあるのだ。
2回観る勇気があるなら観る価値は十分にある映画だと思った。

が、オチとして、
最終的には作家の創作過程、物語の中の話(だと思う)の様だが、
これだけの力量と、キャスティングが出来るなら、
そんな夢オチに近い終わり方より、
ちゃんと事件を描いて欲しかった気はする。
大体、実際に映画の中で出来上がった本が出版されても
あまり面白くなさそうだし(笑)。



闇の時代。

2005年01月21日 | 
太田 蘭三 【闇の検事】
レイプ殺人の冤罪で無期懲役の判決を受けた男が、
大空襲のどさくさにまぎれて逃亡、検事となって汚名をはらす。

まったく贅肉の無い文体だ。
一人の男の劇的な人生を描いていながら、
余計な装飾は無く、事実を淡々と語るように物語は進む。
それだけに非常にリアルで、物語にグイグイひきこまれる。
戦時中の取調べで行われる拷問、自供、空襲。
特に空襲は70歳を超えた著者が実際に体験しているだけあって、恐怖だ。
いつの間にか主人公を応援している自分に気づく。
最後に真犯人を突き止めたときは爽快だった。

ああ良質のサスペンスが観たい。

2005年01月21日 | 映画
【ヴァン・ヘルシング】
うーむ。確かにVFXでいままで描けなかった怪物が描けるようになり、
映像はほんとに進化している。そういった怪物映画もここ数年多い。
しかし、ストーリーにいまいち深みが無く、
この映画も【リーグ・オブ・レジェンド】なんかも、
後に残るものが無い。というか、そんな物最初から求めてないんやろうな。
とにかく、リアルに激しく怪物同士のバトルが描ければよいと。
そういう映画を観たい時も多いが、
ヴァン・ヘルシングには最後まで人間の姿で、
その肉体と道具(この映画の武器はいまいち魅力が無いが)を駆使して、
戦って欲しかったなぁ。ただの怪物同士の格闘技になってしまった感あり。
バトル自体は3次元的で観ていて楽しいけど。
それから、ヴァンパイアにいまいち魅力無し。
ストーリー的に哀愁みたいなものを作り出そうとしてるけど、
完全に怪物化してしまってます。
映像も暗くすればいいというわけじゃなく、
視認性が良くても闇の雰囲気は出せると思う。

ケイト・ベッキンセールは【アンダーワールド】(これは成功の部類)
でかなり好きになり、今回もヴァンパイア物だけど、
その黒髪と目(正確には眉)は実は刑事物にも良いんじゃないかと。
【ボーンコレクター】のアンジェリーナ・ジョリーの役みたいなのをやると、
また一皮向けるような気がする。


即買い

2005年01月18日 | 音楽
The 411【Between the Sheets】
CD屋さんで試聴し、即買いしたのがこれ。
僕は知らなかったのだが、本国UKではアイドル的な人気らしい。
全体を通して聴くと、はっきりって捨て曲というか、
どっかで聴いたような曲も多いんだけど、その中にキラキラと輝く曲が数曲。
特に、一曲目【On My Knees】はいきなり僕の心を鷲掴み。
でだしのモータウンを思わせるヴォーカルから、ラップへの流れが最高。
ゴーストフェイスのラップはちょっといらんかったけど。
全体的に日本の歌謡曲っぽい雰囲気が漂っていてとても聴きやすい。
メロウすぎずお昼にも合うので、しばらくは日曜日の愛聴盤にしよう。


ウネッテルヨ。

2005年01月14日 | 音楽
マボロシ【ワルダクミ】
いやー素晴らしい。
融合と言う言葉がこれほどしっくりくるユニットはない。
スーパーバタードッグのファンク、ライムスターのヒップホップに、
ブルースもロックもごちゃ混ぜにして、とにかく楽しくカッコよく。
全体を「可愛げのある悪」的な雰囲気で統一していて、
お前とやりたい、抱きたい的な曲も納得いかせてしまう雰囲気。
そこにMUROをフィーチャーしたりしてるのも絶妙だ。
とにかくファンキーなリフで押しまくり、
自然に体が動いてしまう【泥棒】【SlowDown】はかなり良し。
【ファンキー・グラマラス】ではKREVAをフィーチャーした意外性は良かったけど、
声やフロウのスタイルが似ているので面白みにかけたのが残念。