リリー・フランキー【東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~】
やはり欲求が抑えきれず、ほんとに久しぶりにハードカバーの本を買った。
(おそらく10代の時のシドニー・シェルダン以来)
僕は号泣まではしなかったが、それは多分電車の中だからで、
やはり涙をこらえるのはかなり大変だった。
ここ数日はツバの深いキャップを被って出勤した(笑)。
これはリリー・フランキーの子供時代からの回顧録。
リリーさんのオカン(そして時々オトン)の記録。
これまで別の本で読んだエピソードなんかもぎゅっとまとめてある。
しかし、ベクトルはおもいっきりオカンに向いている。
僕は子供の頃の記憶がほとんど無く、
どちらかというと忘れていくタイプのなので、
これだけ色んな事を覚えているのはすごいなぁと思う。
人それぞれの家庭環境があり、人生があるが、
この本を読んでいくと自分の親との関係を照らし合わせ、
自分の子供との関係を照らし合わせ、そして自分の人生を照らし合わせる。
親に対しては、思春期には思春期なりの葛藤があったし、
いまだに色んな面で甘えてばかりだ。
そのくせ、一人前に見られたくて偉そうな口をきいたりする。
自分が親になってみると子供は元気で頑張ってくれるのが一番の望みで、
自分の事は気にせんで良いからと願う。
今はまだ、そんな親心に逆に甘え続けている状態で、
この本を読んで反省する事も多かった。
一番心に残ったのは躾のくだりだ。
リリーさんのオカンは箸の持ち方なんかにはうるさくなかった。
それよりも、例えば人の家でご飯を食べる時、
最初に、つまりメインディッシュよりも先に
漬物を食べたりすると怒られたそうだ。失礼だからという理由で。
自分自身に向いた行儀はどうでも良く、
人に向いた、人の気持ちを考えた行儀には厳しかったそうだ。
僕は子供をしかる時、基本的に
人に迷惑な事をしたらいかんとしかる。
しかし、きめ細かい気配りなんかには頭が回らない。
それは自分自身も出来ていない事だから気付かない。
鉛筆の持ち方なんかは大事な事だと思う。
行儀や身だしなみで人から判断される事も多い。
しかし、鉛筆はしっかり持てるが、字は汚く、
それでいて持ち方の悪い人を見下すような、
そんな育て方はしないようにしようと思った。
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