野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

新潟下越地方を歩く①ー福島潟夕景

2015-11-08 20:17:00 | 探鳥

 東京から高速バスで5時間、新潟についたのは午後3時過ぎ。

ホテルで荷物を預かってもらい、白新線に乗って豊栄へ。

いつもは駅から歩いていくのだが、今回は夕景に間に合うためにタクシーを使った。

 

 福島潟へ通うのももう何度になるだろうか、見慣れた建物「ビュー福島潟」が見えてきた。

 

 時刻は4時少し前。都会で不自然に狭められた視界が一気に広がる感じだ。

この感覚が堪らなく何度も尋ねたくなる。

 

 ただいつもの雪景色ではないのがちょっと不思議な感じだ。

福島潟のマップ

 

前方に見えるのはヨウモツ小屋。ヨウモツは「魚を待つ」(漁を待つの異説もあり)が訛ったものだという。

 

カモたちはすでに就眠体勢のようだ。

 

 小さな桟橋で、沈む前の秋日の少ない熱を体に貯えている。

 

 枯ハスの間を悠々と泳いでいるのはカンムリカイツブリ。

 

 遠くには水面をぎっしりと埋め尽くし、水鳥が休んでいる。

 

 山並みの奥には冠雪している山が見える。飯豊連峰の一つだろうか。

 

 

 中央に見える建物は野鳥観察施設の「雁晴れ舎」。数人の人がハクチョウや雁の帰りを待っている。

 

立ち枯れの木の上にいるのはカワウ。

 

 左下にいるのだけはカワウではない。猛禽類の何か。

 

 遠くに見えるのは稲刈り後の野焼きの煙だろうか

 

次第次第に水面が色づいてきた。

 

 

 

 稜線がくっきりと見えだし、微かに黄昏どきを告げる風が吹いてきた。

 

 

 

 闇が少しずつ濃くなってきた時、遠く離れた餌場から水鳥たちが帰ってきた。

 

 

 マガモやコガモ達より一際大きいのは、ヒシクイやマガンだ。

 

 

 

 時折思い出したように白鳥の鳴き交わす声が聞こえている。

ささやかな喧噪も一段落したようだ。

 

晩秋の残照を浴び、水面は黄金色を帯びてきた。

 

 

 

 空の茜色を映して水面も燃え上がる。

 

 湖畔に佇む家々に灯がともり始めた。

 

 陽の落ちた田圃道をゆっくりと歩いて帰った。

この辺で。

 

 

 

 

 

 


赤木自然園

2015-11-03 08:24:14 | 植物園

 晩秋の開園を迎えた赤木自然園を訪ねた。一部の木を除いて紅葉はこれからといったところ(10月下旬)。

 

 秋の終わりに咲くヤマラッキョウは好きな花のひとつだ。

 

 

キバナアキギリ

 

 シロヨメナでいいのだろうか

 

 林を抜け、日当たりのよい傾斜地ではリンドウが咲いていた。

 

 

 

 

 この時期には珍しいマツムシソウ

 

 ヤマトリカブトの花

 

 ハバヤマボクチ

 

セキヤノアキチョウジは花を落とし始めていた。

 

 

花は少ないこの時期だが、木の実を楽しむことはできる。

ツリバナの実

 

橙色の実と紅葉した葉もきれいなニシキギ

 

 

リンドウに沿って見られたのはユキザサの実、寒さで身を凋ませている。

 

 

 藪の中でひっそりと小さな実をつけているツルリンドウ

 

 マムシグサの実は枯葉の多い野原で、ひときわ異彩を放っている。

 

朝日を浴びて煌めいているガマズミ

 

 やや色を落としたムラサキシキブの実

 

 酸漿の実が袋(萼の変形したものだそうな)の破れた部分から顔をのぞかせている。

 

見上げると一部の木では紅葉が始まっていた。

 

これは日本にのみ自生するカエデ科のメグスリノキ

 

 

 

 

お終いはミズスマシの池。色づいた木が水面に影を投じている。

 まるでモネの池を見ているようで、しばらく見入ってしまった。

 

 水面で輪を描いているのは、最近見ることの少なくなったミズズマシ。もう少しアップで撮ろうと何度か試みたのだが、

対象が暗く、小さく、素早いので私の腕ではこれ以上は無理だった。

 

 なお晩秋の開園は11月15日まで。これ以降は来年4月まで待たなければならない。

この辺で。