野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

晩秋の多摩森林科学園

2018-12-01 19:19:47 | 散歩

 桜の季節は大変な人出となるが、それ以外には訪れる人も少なく

ゆったりと自然に触れ合える……そこが森林科学園のいいところだ。

 このSNSの発達した時代では、取り上げるほどの魅力のないところが

 逆に孤独の時間を楽しむ一番の条件となっている。

 

 鳥の世界では誰かが珍鳥到来の記事を発信するとたちまち、沢山の人が

押し寄せる。。結果集まってきた人込みで驚いた珍鳥は飛び去ってしまう。

こんなことは日常茶飯事のように繰り返されている。

 自然を歩いていると思わぬ僥倖にであう事が稀にある。でもそれは

その場限りのことで、反復することはない。

 「分かち合う」ことはそもそもできないし、それを共有しようとする社会はどうも

健全でないように思う。究極の楽しみは「弧に尽きる」と私は思ってきたし

、これからもそれは変わることはない。

 

 桜の時期を除くと高尾にある多摩森林科学園は存在すら忘れられひっそりとしている。

 

 紅葉が思ったより素晴らしかった。

 

 樹高30mを超える背の高い木々が多い。

 

 

 ツタウルシ

 

 燃えるような楓の黄葉

 

 

 

 12月の声を聴くこの時期だが、小春日の中でいまだに生き抜いている虫たちも多い。

左上からオツネントンボ、アキアカネ、アブの仲間、フユシャクと思われる。

 

 バッタやアブやシャクトリムシ、通称バナナムシといわれるツマグロオオヨコバイなど

 

 この時季の楽しみはアサギマダラの卵と幼虫。食草となっている

キジョランの虫に食われた葉を丹念に裏返して探す。

 

  やっと卵を見つけた。

 

 今年はダメかとあきらめかけた時、やっと芋虫にも出会えた。

 

 

 葉を裏返され日が当たったので驚いたのか怒っているのか、盛んに動き回っていた。

 

 もうひとつ、この時期のお楽しみは冬越しするチョウの観察。

常緑樹の上で日向ぼっこするムラサキシジミを見つけた。

 

 表羽をたたんでいるとガのように地味なのだが……

 

 羽を広げると、綺麗な紫色が目立つ。30㎜程のチョウだ。

 

 

 冬を迎えるこの時期は赤い実をつける植物が多い。

マンリョウ

 

フユイチゴ

 

 ヒヨドリジョウゴ

 

 ヤブコウジ

 

 サネカズラ

 

 これはオオバタンキリマメ

 

 莢は赤いが中の実は黒い

 

 ムササキシキブの赤紫の実

 

 

 これは珍しい、ケンポナシの実

 

 日当たりの良い斜面を歩いていたら、季節外れに咲くタチツボスミレを見つけた。

 

 これも返り咲きしたオトコヨウゾメの花

 

 リンドウはこの時期に咲いていても可笑しくないが、

 

 アキノタムラソウやアジサイなどはとうに枯れてしまっている花だ。

 

 

 帰り際。。ジョウビタキ♂が見送ってくれた。まもなく来る冬鳥たちが乱舞する

季節が待ち遠しい。

 

 この辺で。