ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか (GA文庫) 価格:(税込) 発売日:2013-03-14 |
読了。
本屋で見かけたときに気になっていたんですが、「最近は長口上タイトルのラノベがあまりに多くて辟易としている」、「しかもそういうラノベは大抵がつまらない」、「そもそもGA文庫の作品をこれまで一度も面白いと感じたことがない」等々の理由によりスルーしていたんですが、友人に薦められたので金をドブに捨てるつもりで読んでみました。
そしたら、もー、大当たり!
すごく面白いです、この作品。面白いというより、読んでいて楽しい、と言ったほうが適切かもしれません。
こんなに嬉しい方向で意表を突かれたのは久しぶりでした。たまにこういうことがあるから侮れないんだよな、ライトノベル! 教えてくれた友人と、何よりも素晴らしい作品を生み出してくれた作者様と編集様に感謝を。
以下雑感。
・ざっくり言うと某『ぱすちゃ』みたいな設定で、ダンジョンに潜ることを生業にする冒険者たちを描くファンタジー作品だが、いかにもゲーム的な「レベル」や「ステータス」の概念が存在する一方で、そうした「レベル」や「ステータス」を「どのようにしてリアリティに沿わせるか」という工夫が随所に見られることに感心しきり。現代日本人と似た価値観を持つ「神」と、その祝福を受けることで魔物と闘う術を得た「人間」の関係性を「ファミリア」という形で表現するのは実に面白いし、そうした固有の設定を主人公であるベルやヒロインのヘスティアというメインキャラクターを動かすことで読者に対して説明する手腕は素直にスゴイと思う。大半のラノベは設定を説明するときに、だらだらとキャラに喋らせるだけになってしまうので、こういうふうにキチンと物語に折り込んで設定の説明ができる作品は、それだけで一目置いてしまう感じ。
・で、いきなり最底辺から始まる物語ということで、俺TUEE系の一形態である「成り上がり系」として楽しめるハズ。もっとも、現段階ではベルが得た能力(早熟スキル)というのが降って沸いたものでしかないため、ご都合主義とか主人公補正と言われると反論のしようがないが、そのへんの突っ込みどころはキャラクターたちが好感を持てるタイプなので個人的にはスルーできるかなーと。
・ちゅうか、僕にとってはここが一番のポイントで、やっぱラノベはキャラがよくないとダメだし、キャラさえよければある程度はなんとかなるんだなと再確認できた。とにかく、ベルやヘスティアがいいやつで読んでてニヤニヤしてしまう。ベルは無謀は無謀だけど他人の足を引っ張ったりするタイプではないから頑張り屋として受け止められるし、ヘスティアも他の神の台詞でダメ神様というのが明らかになったけどベルへの想いの真剣さは伝わるように描写されているし、ホントこれがデビュー作とは思えないほどキャラを描くのが巧みでビックリ。
・ちゅうか、神様可愛いよ! べつにロリ巨乳だからというわけではなく、口調から性格からなにからなにまでツボなので参るというか。べつにロリ巨乳だからというわけではなく(二回言う)。
というわけで、続きがひっじょーに待ち遠しいです。早速2巻も購入済みさ!
1巻は導入に過ぎなかったという印象なので、ここからどういうふうに物語が展開していくのか楽しみですということで一つ。