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サブカルとサッカーの話題っぽい

【サッカー】現在の日本代表

2013-03-23 | サッカー・その他

 昨夜は代表戦があったわけですが、あくまでも本番前の強化試合ということで、観る側としてもそれほどモチベーションを高めていませんでした。
 そんな中ゴートクがスタメン出場し、それなりの(個人的には感涙モノのプレイ内容だったけど)パフォーマンスを見せたことで評価がうなぎのぼりなのは非常に嬉しいです。ドイツに移籍する前は、様々な事情があったとはいえ、Jリーグでも活躍していたとは言い難かったため、「本当に海外でやっていけるんだろうか?」と思っていたものですが、そんな素人予想を覆してくれたのは実に素晴らしい!
 カナダ戦の内容だけを見ると、「守→攻」の切り替えは問題ないのに、「攻→守」の切り替えが緩慢な場面が多々見受けられ、新潟にいるときよりも守備がルーズになっていたような印象だったので、あのへんはザックにみっちり指導を受けて、是非ともワールドカップ出場を決める瞬間にはピッチに立っていてもらいたいです。ハイ。

 で、こっからは余談なんですけど。

 どうも僕は最近、現在の日本代表というものが遠い存在になったなあ、というふうに感じております。そして、その理由は明らかで、ザックの選手選考というものが海外中心になっているからなんだろうなと思っています。
 誤解のないよう断っておきますと、べつにジーコ時代のように海外組と国内組が云々というような話をしたいわけではなくて、なんというか、現在の代表が〝Jリーグの延長線上〟には存在しないかのように思えてしまうんですよね
 もちろんそんなのは僕の思い込みにすぎませんし、それは現に国内のJリーグチームからもコンスタントに代表に選ばれている選手がいることを見ても明らかです。しかもザックは毎週Jリーグの試合を見るためにスタジアムに足を運んでいますからね。Jを軽視しているとか、そういう印象は僕も持っていません。
 が、それでもなお、僕は現在の代表が遠い存在だなーと感じてしまうのです。
 これはおそらく、無意識のうちにオシムと比べてしまっているからなんでしょう。
 オシムは代表監督として結果を残すことと並行して、日本にフットボールという文化を定着させようとしていました。Jリーグの価値を訴え、更に高めるためにメディアを通して色々な試みを行いました。代表選手の発表を分割するなど、Jリーグへ注目を集めるために色々と面白いことをしていました。
 あのときの日本代表とJリーグの一体感みたいなものは、今はもうないですよね。
 それはザックの意志が、オシムの意志とは違うものだからです。これは考えてみれば当たり前のことで、ザッケローニに求められているのは「日本代表の監督として、日本代表をワールドカップに出場させ、ワールドカップでできるだけ良い成績を収める」ことだけであり、そこに「日本サッカーの発展」とか「Jリーグの価値向上」なんてものは含まれていません。
 だから僕は、それに関して何か文句があるわけではありませんし、今の代表チームに不満があるというわけでもありません。むしろ今の代表チームは、これまでの歴史上で一番強く、逞しいと思っています。

 でもまあ、ちょっと寂しいなと。
 オシムみたいに日本サッカー全体のことを考えてくれる人には、本当に20年に一度の奇跡が起こらないと巡り会えないんだろうなと。
 それだけです。

 オシムという人がどれだけ得難い存在だったのか、まさかこういう形で思い知らされるとはなあ。
 あと10年なんて贅沢は言わないから、あと5年……3年でも2年でもいいから、オシムサッカーをもっと長いこと見ていたかったなあ。