まおゆう魔王勇者 「この我のものとなれ、勇者よ」「断る! 」 (6) (カドカワコミックス・エース) 価格:¥ 609(税込) 発売日:2013-02-23 |
アニメ放映中は、あまり間隔を開けずに! ……の第6巻。
アニメの販促効果を考えれば、こういう発売の仕方をするのが理想的だよなあ(遅筆のラノベ作家さんを思い浮かべながら)。
それはさておき、クライマックスに向けて動き始めた『まおゆう』の最新巻は、息つく暇もない、緊迫感のある展開の連続で面白かったです。
魔法使いにより人間界と魔界の関係が明らかにされたり、地上ではついに戦争が始まってしまったり、まおー様は歴代魔王様に取り込まれてしまったり、メイド長の腕がもげてしまったり。なんだかワリと四面楚歌な感じですけど、それでもどうにかなると思えるのは、単なるご都合主義ではなくて、これまで積み重ねてきたキャラクターたちへの信頼がそう感じさせるんだろうなと。
や、魔王と勇者を中心にして集った人々が、これまで学んだ知識や、こつこつと積んだ鍛錬の成果を一気に吐き出す展開は、マジでカタルシスまみれといった感じですね。僕は俺TUEE要素と対になるものとして、成長キャラがすごく好きという話を何度もしたことがありますけど、一番最初に魔王のもとで学んだ子弟たちが、それぞれの分野で大活躍しているのを見ているとワクワクしてしまってタマりません。
コレに関しては、石田あきらさんの作画がまた絶妙というか、「ビジュアル化することによって逆にスケールダウンしてしまう戦闘」というものが珍しくないというのに、見事に戦争シーンを描かれていたのは感心しました。
ああいうのってショボいのは問題外としても、ヘンに長尺になってしまってもダレるだけなので、密度の濃い数ページにまとめたのは英断だったと思います。構成力高いよなあ。
そして、こんなふうに脇役たちの役割をしっかりと描写しつつ、最後はキッチリ勇者と魔王のやり取りで締めるあたりもニクイです。
まあ、女騎士には申し訳ないけど、やっぱ『まおゆう』は魔王と勇者の物語なので、トリはこの二人しかいないよなーという感じで。歴代の魔王に乗っ取られている状態で、勇者と魔王の一番最初のやり取りをオーバーラップさせるという演出も、お約束であるがゆえに強く印象付けられました。
なんだかベタ褒めですけど、それだけ面白かったということです。
僕は原作未読ですが、この調子だと次の7巻が最終巻ということになるんでしょうか?
もうここまできたら心配はいらないと思いますので、続きを楽しみに待ちたいと思いますということで一つ。