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ブログよりも遠い場所

サブカルとサッカーの話題っぽい

【サッカー】ザックジャパン解散

2014-06-26 | サッカー・ワールドカップ

 つーわけで、2014年のワールドカップブラジル大会、日本代表の戦いは予選リーグで幕を下ろしました。
 三試合すべてにおいて十分に勝てる(予選突破する)チャンスはあったと思いますし、そういう意味では悔いの残る大会だったと思います。
 が、頭のどこかで「まあコレが妥当な結果だろうなあ」と納得している自分もいて、色んな意味で煮え切らない一週間でした。

 まあ、とりあえず、本田を必要以上に叩くのはやめたれよって感じですね……(´ω`)

 や、当然彼もプロなので、結果が出なかったときに自分が批判されることは覚悟の上でしょうし、それについてはべつにどうこう言うつもりはないんですよ。
 ただ、今回の日本代表がどういうチームなのかというのを理解しないで「本田は大きな口を叩いたのに何もできない。情けない」みたいに言うのは少しフェアじゃねえよなと。
 ぶっちゃけ、前線で身体を張って、フィジカルでボールを収められる選手ってのが23人中本田しかいねーんですわ、あのチーム
 特に前線の選手の貧弱さは目を覆いたくなるほどで、香川は言うまでもなく岡崎、柿谷なんかはもう論外ですよね。彼らの得意なプレイは「フィジカルでボールを収める」じゃないので、しょうがないんですけども。
 辛うじて大迫がそこそこイイ線いってるんですが、彼もやはり経験不足なので、あのレベルになると味方との距離感が悪いときはアッサリとボールを失ってしまいます。大久保もテクニックでワリとボールをキープできますが、スペースがないと完全に死んでしまう選手です。南ア大会を思い出して頂くとわかると思いますが、本田はそういう場面でも無茶ができちゃう選手だったんです。
 だからまあ、いくら本田の調子が悪くても、本田を外すわけにはいかなかったんですよね。
 こんなことを言うと、「本田が無駄にボールを持つせいで攻撃のスピードが落ちていた」なんて反論もありそうですけど、実際のところそういう側面は確かにあるんですよ。キレを失った本田を経由することで、日本はショートカウンターからシュートにいく場面をほとんど作れなかったですし。
 っつっても、サッカーは90分間、常に相手に点を取られるというリスクを考えないといけないスポーツなので、たとえ本田不在でショートカウンターが一、二度決まったところで、ボールを落ち着かせることができないチームは絶対にスタミナが切れてボロボロになります。
 今回の代表はコンディション調整もうまくいかなかったようで、明らかに運動量が足りていなかったですけど、あれでもし本田が抜けたら更に惨い結果になっていたでしょうね。
 このへんは、もう大会に入る前の準備段階にミスがあったとしか思えず、本田の代役を捜すなり(捜したけど見つからなかったのかな?)、本田不在でも90分間通して格上の相手と戦うための方法を考えるなりといったアプローチが必要だった部分で、それができなかった時点で、僕らは「ブラジル大会は本田と心中するしかない」という状況だったわけです。
 これだけは、本田を批判するときに頭に入れておいてもらいたいな、と。

 ただまあ、個人的な感想を言わせてもらうと、それでもどうにかなったと思うんですけどね。
 日本にとっての大誤算は、またしてもワールドカップで10番――今回は香川でしたが――が足を引っ張ってしまったということです。もうね、今大会はこれに尽きますよ。
 上記したように、「1.本田抜きのチームは戦力的にも戦術的にも考えられない状態」「2.本田は今大会非常にコンディションが悪い」という要因を鑑みると、他の(GKを除いた)9人で本田の負担をできるだけ減らし、三試合270分間の間、なんとかして仕事をしてもらわないといけなかったんです。
 そんな中、香川まで守備をロクにしないで本田の負担を増すようなプレイばかりを連発したら、そりゃチーム自体が本田と一緒に決壊しちゃいますって……。
 コートジボアール戦やコロンビア戦の失点を見ると、ボールロストした選手に非難が集まりそうですけど、一番大事な局面で香川が守備をサボるんですよ。シュートを打たれたときには、マークがかなりズレてしまっているんですけど、その最初のズレが生じているのが左サイドの香川がきっちりとボールホルダーに寄せていないときなんですよね。

 ……このまま書いても、本田擁護の香川叩きにしかならないと思うので止めておきますけど、結論としては、日本代表は常に11人全員がハードワークするチームであって欲しいなというのが僕の考えです
 身も蓋もない話、今回は大会に入る前、メンバーが発表されたとき、ひょっとしたらそのずっと前から、僕は代表(ザックジャパン)に対する熱を失っていました。その理由がまさにこれで、あるときは本田、またあるときは香川などが、明らかに個人の守備タスクを果たしていない場面が目につくようになっていたんです。
 もしアルビで同じようなプレイをしたら、怠慢ということで柳下監督は外すでしょうが(ジンスが何度かやられてた)、そこまでの規律をもたらすことは、人の良いザッケローニ監督にはできなかったんでしょう。次の代表監督はどこの人でも構いませんから、しっかりとチームに規律をもたらせる人がいいですね。

 つーわけで、ザックジャパンを総括すると。

・一人の選手に依存するやりかたは、戦術的にもマズイし、メンタルにも良い影響を及ぼさないので、監督にはフラットなメンバーの選出、チーム作りが求められる。ザックにはそれができなかった。

・大前提として、一人一人の選手が守らなければならない絶対的な規律というものは存在する。技術的なミスは取り返しがつくが、戦術的なミスは取り返しがつかない。監督は強権を発揮しなければならないし、選手は驕ることなく走らなければならない。

 なんか何年か前にも同じこと書いた気がするけど、やっぱ難しいですね!
 でも、この四年が無駄だったかっていうとそんなことは全然なくて、日本がワールドカップに出場するようになってからもっとも密度の濃い四年だったと思います。
 唯一の汚点は、大久保の選出かなー。あれでチームの方向性がブレたので、なーんか敗退するにしてもスッキリしないことになっちゃいましたね。
 大久保自身はキレキレだっただけに、彼個人の問題ではないんですけど。
 皆があれくらいコンディションよかったらねえ。もうちょい良い結果が出てたんだろうけどねえ。

 残念。


【サッカー】決勝

2010-07-12 | サッカー・ワールドカップ

◆オランダ 0-1 スペイン ~"決勝"でなければただの荒れた試合~

 んー、びっみょーな試合だったなー。オランダはラフすぎるし、スペインはダイブしすぎ。
 でもスペインがダイブを繰り返したのってオランダのプレイが荒すぎたからでしょうし、そういう意味じゃより勝者にふさわしかったのはスペインで問題なしといったところでしょうか。この場を借りてぶっちゃけますが、今回のオランダみたいなプレイダイッキライなんですよ僕。なんていうか「前半早々に退場者を出したら試合が壊れるから穏便に済ませよう」というレフェリーの心理を逆手にとって、相手がぶっ壊れても構わないみたいなプレイを連発するやつらは見てて反吐が出ます。シャビアロンソに前蹴りしたプレイと、イニエスタの軸足刈り取ったプレイは見ていてゾッとしました。つまり、そういうところを含めてのスペインの「粘り勝ち」だったということです。こんなチームが勝たなくて本当によかった。
 ただオランダも全てが悪かったわけではなく、試合開始直後にスペインにペースを握られながらも、マイボールにしたときにピッチをワイドに広く使い、じわじわと自分たちのペースに引き込んでいったのは見事でした。あの試合運びを見ていると、ああたしかにワールドカップの決勝に残るチームだけのことはあるなという感じで。それだけに、自分たちのラフプレイで良い流れをぶっ壊したのは無様としか言いようがありませんでしたが。敢えて敗因を挙げるのであれば、カイト→エリアの交代で左サイドが死んだこと、ロッベンの単騎突破が単調になり全て抑えられたこと、ファンペルシのコンディションが最後まで上がらなかったのに引っ張ったこと、となるでしょうか。
 またスペインに関しても、今回のサッカーをして、やれ美しいパスサッカーだの、攻撃サッカーを貫いただのともてはやされるのは少し違う気がしますね。たしかに、どんなときでも縦へのパスを狙い、かつ相手陣でボールを回しながらもポゼッションできる技術は素晴らしいと思いますけど、これは今のスペインにしかできないサッカーであり、他国が真似するどころか、スペインですらずっとこういうサッカーを続けていくのは無理だろうなということは理解すべきでしょう。それに今回の優勝は、そういった技術よりもむしろ、ユーロを制したことによって身についたであろう自信と、それによる粘り強さ(イタリアを彷彿とさせる1-0で勝ちきる能力)というものが発揮された結果手に入れることができたものでしょうし、それは今大会で日本が見せた粘りと同じ類のモノであると僕は思います。オランダの敗因と同様に敢えて勝因を挙げるのであれば、周囲が見えていなかったペドロに替えてナバスを入れて右サイドに基点を作ることに成功したことと、セスクを入れて完全に中盤の構成力で相手を上回ったことでしょう。ブスケッツは終始物足りないプレイをしていましたが、他の選手が巧くフォローしていましたね。奇しくも、ベンチを含めた選手層の厚さと、選手一人一人のチーム戦術の浸透度というありがちな要素が、スペインとオランダの明暗を分けた要素でした。

 というわけで、2010南アフリカ大会はこれにて終了。楽しかったです。そして日本にとっても大舞台で必要とされるものがなんなのか、というのが見えてきた面白い大会でした。ちなみにこの一ヶ月あまりは僕の人生でもっともサッカーを観た一ヶ月でしたが、一番印象に残ったのはドイツとウルグアイ、そしてチリでした。特にドイツは二年後のユーロはもちろん、四年後、八年後のワールドカップが非常に楽しみになるチームなので、今後も要注目です。
 ウルグアイには「効果的な攻撃と守備というのはこうやるんだよ」というのを見せつけられた感じ。フォルランが大会MVPだったのは納得ですし、同時にテレビで大きく取り上げられるスター選手がいなくても勝ち進めるのがサッカーであり、チームスポーツであるということを示した素晴らしいチームでした。
 チリはグループリーグで見せてくれた攻撃サッカーがとにかく魅力的だったので。繰り返しになりますが、チリのサッカーを初めて観たときはオシムサッカーの息吹を感じることができて鳥肌が立ちました。スペインとの試合では「らしさ」を発揮できなかったり、決勝トーナメント初戦でブラジルと当たるという不運のため早々と姿を消してしまいましたが、もう少し成熟していくのを見ていたかったチームでした。

 最後に。
 ブブゼラがなかったら今大会はもっと面白かったと思うという感想をつけ加えて、ワールドカップ雑感のまとめということで、ひとつ。


【サッカー】三位決定戦

2010-07-11 | サッカー・ワールドカップ

◆ウルグアイ 2-3 ドイツ ~気迫とシチュエーションの生んだ名勝負~

 スコア的にも内容的にも、実に面白いゲームでした。
 ちゅうか、両チームとも驚くくらい「横パス」「バックパス」が少ないんですよね。ほんの少しでも隙があれば、ほんの少しでもチャンスがあれば、必ず縦にパスを入れたり、もしくは自らドリブルで縦にボールを運ぶんですよ。ユーロでスペインが見せたサッカーにガツーンと頭をぶん殴られてポゼッション至上主義になった人たちは(僕を含め)、このウルグアイとドイツの試合を観てちょっと認識を改める必要があるだろうなあ。やっぱりゴールから逆算したプレイを追求するチームは見ていてワクワクしますし、これぞサッカーという感じがしますね。何よりも、単純に勝敗を考えたときに縦を狙うプレイは必須だし、効果的すぎるわ。
 ドイツは準決勝の試合は何だったんだと思うような軽快なコンビネーションを見せていました。サスペンドのミュラーの復帰はもちろん大きいんですけど、何気にポドルスキ→ヤンセンの交代が影響を与えた気がしますね。ポドルスキは全ての試合を通して悪くはなかったんですが、少し左サイドで蓋になっているような印象もあって、代わりに出場したヤンセンの積極性は10番の穴を埋めるどころか、ドイツに「躍動感」というプラスアルファをもたらしていた気がします。
 先制点をあげたミュラーは、とにかく効果的に動きまわるのが素晴らしいわ。前線で決定的な仕事をするだけではなく、時には自陣のゴールラインまで戻って守備をしていたりと、ここまで献身的で個人能力の高い選手にはなかなかお目にかかれない気が。個人的にはオランダのカイトを更に強化したようなイメージで、これでまだ20歳そこそこっていうんだから末恐ろしいです。同年代のエジルはどちらかというと守備免除されてるフシがあるので、ミュラーと比べたときどちらが新生ドイツの軸になっているかといえば、やっぱミュラーってことになるんだろうなあ。初戦から才能を十二分に発揮していたとはいえ、今回のワールドカップの集大成という感じで、この試合でベストなパフォーマンスを見せたミュラーは本当にお見事でした。そしてエジルは、相変わらずパスを出すタイミングが気持ち悪かったです。小野もああいう感じでパス出すよなあ、そういえば。
 他にも、致命的なミスこそあったものの、中盤でボールをさばきつつスペースのフォローもこなし、機を見て最前線まで上がってくるシュバインシュタイガーとか、もう少し守備が効果的にできるようになれば世界ナンバーワンボランチも見えてきそうなケディラとか、とにかくドイツは今後が楽しみになる要素が数多く散らばっています。こりゃユーロで絶対注目されるだろうなあ。
 そして対するウルグアイは、「今大会の中で一番コレクティブなチームは?」と問われたとき、大半の人が名前をあげるであろう規律的なサッカーを見せてくれました。グループリーグで見たときは、守備はともかく、攻撃ではあまり怖さのないチームなのかな、と思っていたんですが、自分の目が曇っていたと言わざるを得ません。試合を重ねるごとに精度を研ぎ澄ますカウンターと、フォルランのキックはマジぱない。特にフォルランは、現時点で一番ジャブラニを巧く蹴れる選手なんじゃ? と思うくらいキックの質が高い。ウルグアイ二点目のボレーはシビれました。ここまでフリーキックでゴールとアシストを何本も決めてるのはフロックでも何でもないですね、ハイ。
 そしてこの試合では、ここまで少しやりにくそうにしていたカバーニが効いていたのが印象的でした。ちゅうか、カバーニがずっとこの出来だったら、ウルグアイはファイナリストに名を連ねていたんじゃないかってくらいのパフォーマンスを発揮していました。前半は激しいブーイングを浴びせられたスアレスが本来の出来からはほど遠く、サッカーはメンタルが重要なんだなあとかぼんやり考えていたんですけど、そのスアレスをフォローするかのようにボールを引き出してチームを停滞させなかったカバーニは、この試合のウルグアイにおける隠れMOMと言っても過言ではないかも。

 とまあ、結局、逆転に次ぐ逆転でドイツが試合を制しましたが、非常に見応えのある試合を観戦できて嬉しかったです。
 さーて、決勝はどうなるのかな。


【サッカー】ベスト4 その2

2010-07-08 | サッカー・ワールドカップ

◆ドイツ 0-1 スペイン ~ゲルマン魂の昇華は完成に至らず~

 「今日はスペインが勝ったのではなく、ドイツが負けたのです」
 ……というオシム爺ちゃんのコメントが全てを表しているなあ、という感じで。

 個人的な感想を最初に言わせて頂くなら、少し退屈な試合でした。いやー、フィニッシュワークに繋げられないポゼッションが巧みなチームがペースを握った試合って見所なくなるんだなあ。ここまで無類の強さを見せてきたドイツ相手に60%以上ポゼッションしていたスペインはたしかにすごいけど、なんだかあまり面白味に繋がらないすごさだったなと。
 ぶっちゃけ、ドイツは中盤がマズすぎ。ここまで大きな破綻を見せてこなかったシュバインシュタイガーとケディラのところで全くボールを収められず、配球もできないため、スペインに押しこまれっぱなし。これはダブルボランチの不調というより、両サイドがよくなかったのが原因ぽく見えました。累積で出場できなかったミュラーの不在が痛すぎましたし、その代わりに入った選手がリスクを負うことを怖がりすぎていて、両サイドが完全に死んでしまった状態。あれじゃあポゼッションで押し返すことは難しいでしょうし、攻撃がキレ味のないカウンター一辺倒になってしまうのも道理という感じです。
 逆にスペインはトーレスに代えてビジャをワントップに据え、ペドロをサイドに置いたことで、準々決勝までには見られなかった流麗なパス回しが見られるようになりましたね。ですけど、この形だとビジャがフィニッシャーではなくて、スペースメイクやポストワークで攻撃に絡むようになるので、ここまで五得点の得点能力を活かせないのは少し勿体ない感じ。そう考えるとワントップの難しさがよくわかるというか、本田はよくあんだけ自分でシュートに持ち込めたよなあと改めて感心しました。
 閑話休題。
 まあ正直、ドイツは交代のカードが最後のケディラを除き全てサイドの選手だったというのが、試合運びの難しさを表していたのではないかと思います。ココだけの話、ぼんやりと「ドイツが負けるとしたらこういう形なんだろうなあ」と思っていた通りの展開になってしまい少し残念でした。スペインはトーレス投入直後のビッグチャンスで追加点をあげていれば完璧でしたけど、あそこでプレイの選択を誤ってしまうあたりがペドロの若さ所以というか、オシム爺ちゃんに「スペインはエゴイストの集団」なんて言われてしまう原因なんでしょうね。

 というわけで、今大会の決勝はオランダvsスペイン。
 どちらが勝っても初優勝という興味深いカードになったのは喜ばしいです。
 スペインは予選に比べれば格段によくなってますが、やはりユーロを制したときのようなスゴ味は感じられず、チームとしての成熟度がワンランクツーランク落ちる印象なので、オランダがこれまでの数試合で見せたような前線からのプレスを仕掛けたら面白いことになりそうな気が。ドイツは受け身に回ってしまい、あそこまでポゼッションされるハメになりましたが、実際のところそれほど安定したパス回しとは思えませんでしたし、イニエスタやシャビも独力で打開するタイプの選手ではないので、そこまで恐れることはないと思うんだけどなあ。
 僕はオランダ優勝を希望するよ!


【サッカー】ベスト4 その1

2010-07-08 | サッカー・ワールドカップ

◆ウルグアイ 2-3 オランダ ~32年越しで吹きすさぶオレンジ旋風~

 前半はスコア的にも内容的にも互角の戦い。いかにもサッカーらしい、押しつ押されつの攻防でした。
 キックオフからペースを握ったのはオランダで、両サイドにワイドに広がるカイトとロッベンを基点に、ボール回しからのシンプルなクロスでチャンスを演出。結果から先に語ると、この「両サイドにワイドに広がる」形をオランダは90分続け、対するウルグアイもガチで守り続けました。正直これには驚いたというか、僕は直前の試合で延長PKまでもつれたウルグアイは体力的にキツイと思っていたので、もしオランダがこういう形で攻め続けたとしたら、後半の途中で守備が破綻すると見ていたんですよ。ところがウルグアイは90分持ってしまったわけで、これってよく考えるとトンデモナイことだよなと。
 あと、前半の最初こそウルグアイはボールの取りどころを掴み切れていない感じでしたが、失点してから追いつくまでは完全に試合の流れを掌握してましたね。つまりあれって、ボールの取りどころを掴み切れていないというより、チーム全体でボールの取りどころを探っていた感じなんだろうなあ。ちゅうかウルグアイはファンブロンクホルストのスーパーシュートでビハインドを負ったことで、前半の30分間は追いかける形になっていましたが、あの一点があろうがなかろうが前半の展開は変わらなかった気がします。オランダの「両サイドにワイドに広がる」形って一見合理的ですし、事実ハマってるときは相手に何もさせないことも可能なんですが、ウルグアイが両ボランチにターゲットを絞ってプレスかけはじめたら完全に前後が分断されてましたからね。いっやー、ホントウルグアイ試合運び巧すぎるわ。これには参った。
 しかしまあ、ペースを握られたら握られっぱなしにならないのが、このレベルの試合っちゅーわけで。前半途中から守備から攻撃への流れを分断されていたオランダは先に動き、ファンデルファールトを入れます。この交代が大的中。ファンデルファールトが前後の繋ぎ役をこなすことにより、窮屈そうにしていたスナイデルやファンペルシがボールを受けられるようになり、オランダが再びキックオフ直後の流れを取り戻すことに。逆にウルグアイはほとんどフォルラン絡みからしか攻撃の形を作れない厳しい展開。やっぱスアレスの出場停止は相当痛いようで、フォルランの孤軍奮闘が目立ちました。それでもなんとかしてくれそうなくらい、フォルランはキレキレだったんですけどね!
 後半も前半同様タイトな展開が続きますが、ファンデルファールトが加わって蘇ったオランダ攻撃陣が追加点。三点目のロッベンのヘディングは見事な流れから、オランダの矢野貴章ことカイト(何度言うんだコレ)のアシスト。ただ、二点目のスナイデルの勝ち越しゴールはちとオフサイドくさいシーンでした。前半もメイン、バック側両方の副審が揃ってオフサイドの判定を間違えてましたし、今大会は試合が進むにつれて副審のクオリティが落ちている気がしますね。やっぱレフェリーも疲労溜まってるんだろうなあ。
 このあとは、さすがに二点差がついたオランダがペースを乱されることもなく、ウルグアイは必死の反撃をしますがロスタイムに一点を返したところで試合終了。フォルランの交代は謎でしたが、怪我だったんですね。アブレウを加えてパワープレイを狙いながらも、足下で繋いで点を取ったあたりはいかにもウルグアイっぽい感じでしたけど、やっぱあれだけ攻撃の軸になっていた選手が抜けてしまうと追いつくまでには至りませんでしたね。

 何はともあれ、ピッチ上の選手の判断により攻守の天秤が激しく揺れ、そこに巧みなベンチワークが加わった好ゲームでした。ぶっちゃけJリーグだと45分間ペースが変わらない、なんてこともザラにあるんですが、ワールドカップクラスになると選手、チームの対応力が比べものにならないので、5分先の状況がまったく予想できないですね。
 果たしてオランダの相手はドイツになるのかスペインになるのか。
 どちらになっても面白くなりそうで楽しみ。レッドカードもらわないでくれよー。