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シネマ座椅子

座椅子に座り、酒を飲みながら日々映画鑑賞。
映画の結末を待たずに酒の力で本日の結末を迎えることもしばしば。

見知らぬ乗客

2014-02-18 | ふつう
ダイヤルMを廻せ!」に続いて、ヒチコック映画です。

これは全然どんな映画か知らなかった。
載せた昭和初期色溢れるパッケージを見ると、
「スリラーの全手法の全てが描かれた傑作!!」
と褒めてんだかバカにしてんだか分からない
コメントが書かれている。



観てみると、交換殺人ものらしい。




有名なテニスの選手が、
記者を名乗る見知らぬ男に電車の中で絡まれて、
テニスの選手が離婚したがってることが
新聞報道されていることをダシに、
「アンタのトラブルと俺のトラブル、
 両方効率よく解決しようじゃないか。」
と交換殺人の話を持ちかける。

「んなもんできるわけねーしwwww」
と提案を冷静に却下するテニスの王子様。
でもそんなことかまわずに記者は
あふれる行動力でテニプリの嫁を殺っちまう。
離婚ネタが新聞報道されてるだけに
動機たっぷりのテニプリ。
警察もテニプリ超疑ってる。
でも犯人は記者なんだよ。
さぁどうする。




↑こんな感じの話です。


で、当時は1951年か。
このころ既に交換殺人を
マジでやっちゃう奴らっていたのかな。
でも今は交換ストーカーとかあるもんな。
LINEきっかけで未成年の殺人事件とか
起きてるもんな。
さすがにヒチコックもLINE殺人事件までは
想像できなかっただろうな。



映画のクライマックスが近づくにしたがって、
物語がどんどん雑になっていくのが気になる。
メリーゴーランドのシーンに入ってからの
gdgdっぷりはなかなかのもの。
たとえヒチコックみたいな巨匠でも
最初から最後まで緊張感保った傑作を創るのは、
難しいことなんだろうなと再確認。


で、本当にこの映画でヒチコックは
スリラーの全手法の全てを
描けていたのかが気になる。


作品紹介はこちら

エベレスト 死の彷徨

2014-02-03 | ふつう
八甲田山」なんかでもそうですが、
史実ベースの遭難系の話が好きです。

好きっていうのは違うな。
事実は小説よりも奇なり、とでも言うか、
「想像及ばぬとてつもない事実」に
何とも言えぬ恐ろしさを覚えるのです。
そしてホラー映画が好きなのです。
結論として絶対にアウトドアなどやるものか、
家が最高だ、家で映画でも観よう、と思うのです。



さて、その類の話、最近だとトムラウシ山遭難事故があったな。
過去だと、大雪山SOS遭難事件
雪の遺書」の札内川十の沢北海道大学山岳部遭難事件
遭難とは少し違うけど福岡大ワンゲル部・ヒグマ襲撃事件
更に脱線して高知大学探検部地底湖行方不明事件



本当にどれも怖い。
色々ホラー映画観てきたけど、事実のが怖いよ。



ということで、本作。
1996年のエベレスト大量遭難を題材とした映画。
日本人女性1名含む8人の方が亡くなったそうです。



やはりこーゆーの観ると、エベレストみたいな場所に
金持ちの道楽みたいな感じで登っていくのは何か違うんじゃ
ないかと思うんだ。

しかし、山登りの素人のツアー客が熟練のガイドに
連れられて、苦労しながらも登頂まで達するあたりは、
ちょっと感動したりもする。女心と秋の空だ。

子供の頃に標高500メートルくらいの山に遠足で行ったけど、
あんなのでも登れば達成感あるもんな、8000メートルとか
一体どんなのかと。



登頂して、下山の途において、山頂から最も近くにある
ベースキャンプにまでたどり着けず、
続々と遭難する登山者の皆さま。

映画的には登頂するまでのリアリティが、遭難してからの
演技丸出しの雰囲気で台無しになってる感がありました。

酸素吸わなきゃすぐダメになっちゃうはずなのに、
なぜか遭難してから率先して酸素マスクを外して
ベラベラ大声で怒鳴る登山者の皆さまの逞しさ。

雪に埋もれて低体温症に苦しむ登山者の皆さまの、
実に健康的な生気溢れる顔色。



山登るまでは「おもろい」。遭難してから「つまらん」。
総じて「ふつう」。
なかなか不思議な感じの映画でした。



関係ないですが、過去の事件事故の類で
内容を知って今までで一番怖いと思ったのは、
福島女性教員宅便槽内怪死事件ですな。
東海村JCO臨界事故も相当なものですが。


福島怪死のやつは映画になってるんだよね。
「バリゾーゴン」ってやつ。
観たことないけどとんでもないクソ映画なんだってね。


作品紹介はこちら

映画 レイトン教授と永遠の歌姫

2014-01-27 | つまらん
2014年初めての更新になります。
今年もよろしくお願い致しますなんだよ。

2014年一発目は久しぶりのアニメ映画です。
恐らく「ゲド戦記」以来。
久しぶりなんてもんじゃない。

たまにはアニメも観てみましょう。
映画になったレイトン教授です。


レイトン教授は1作目だけ遊んだことがあります。
あの「不思議な町」のネタばらしのところは
なかなか良かったという記憶が残ってる。

今はもうゲーム6つくらい出てるのか。
6作目とかナゾ解きがネタ切れになってないのかな。
どっかで見たことあるようなナゾばかり
だったりしないのかな。
ナゾ解きの代わりに大剣背負った
レイトン教授を操作して、
モンハンみたいなことやらされたりしないのかな。



さて映画。
まず、ゲームと同じ雰囲気の音楽がいい。
レイトン教授の大泉洋と、ルークの堀北真希も、
ゲームプレイ経験有りの身からすると
聞いててとても安心できる。

堀北真希ちゃんの「ルークを演ずる」というより、
「堀北真希が元気よく話してるだけ」って
感じのルークくんがとても好きです。


そういや「白夜行」に続いて連続で堀北真希だな。
奇遇だな。
白夜行の時にも同じこと書いたけど、
堀北真希ちゃん最近マジでヤバいよな。
人間国宝級だよな。
ミス・インターナショナルとか、
黙って彼女を送り出せば優勝確定だろ。




話がそれた。

映像は、ゲームのムービーシーンのような感じが
そのまま映画になったってノリ。


しかし、映画版になるとナゾ解きも実に味気ない。
やはり、他人がナゾを解くのをただ眺めるのは、
それほど楽しくない。


いくつかあったナゾを教授が楽々クリアし、
水樹奈々演ずるヒロインがところどころで
ボエ~、ボ~エ~、と歌い、
物語が佳境に入り、アニメ映画佳境あるあるの
ラストで巨大ロボとの戦闘が勃発。

レイトン教授なのにまさかの巨大ロボ出現。
ナゾ解きもくそもあるものか。最後は力だ。



最後にヒロインの正体明らかになるあたりで、
まぁよくできてたお話だったなと思う反面、

 「レイトン教授と簡単すぎるナゾ解き」
 「レイトン教授と巨大ロボットの奮闘」
 「レイトン教授と存在感薄かったラスボスの渡部篤郎」

という感じでもありました。



でも少し、またレイトン教授やりたくなりました。
最新作は3DSなんだよね。3DS持ってねーっつの。


作品紹介はこちら

白夜行

2013-12-31 | ふつう
東野圭吾の小説を読もうかなと思い、図書館などに行くたびに、
文庫のあのぶ厚さを目の当たりにしてはためらうということを
繰り返していました。

どんな話なんだろうかとは気になっていたのです。


それならばと手っ取り早くこの「白夜行」の物語を楽しむために、
本作を鑑賞です。


上映時、とにかく堀北真希のかわいさと美しさを前面にアピール
するような宣伝が展開されていたのを思い出す。
しかもこの映画の頃より今の方が美人になってるあたりが、
彼女の手がつけられないところだよな。


序盤から船越英一郎の登場で、場が2時間ドラマの雰囲気に包まれる。


堀北真希が登場してから、映画っぽい雰囲気が出てくる。


最近、実は喫煙者であることが報道された彼女。
別にいいじゃねーかよな。ほっといてやれよっつの。
毎日あんだけかわいいかわいい言われ続けてりゃ、
タバコくらい吸いたくなる時もあんだろ。
関係無いが、昔久米宏が松たかこのことを喫煙者だって
暴露したときも、今回と同じような気分になったな。



話がそれた。



この映画、役者さん的には堀北真希の学生時代の友達役の緑友利恵、
高良健吾をヒモにする女役の粟田麗、といった脇の女優陣がいい。

特に粟田麗さんは邦画界のバイプレーヤーとして既に十分な
キャリアがあるようで、
今後映画観ていくにあたって気にしていきたい存在です。


中盤から、聖女のようだった堀北真希が実はそれほどそうでも
ねーんじゃねーのか、むしろとんでもない食わせ物なのでは、
という疑惑が立ち昇り、終盤にかけて「親を殺された息子」と
「殺人容疑者の娘」が結んだ呪いにも似た誓いとは、、
という事実が明確になるクライマックス。

この辺はさすが東野作品、退屈させない。


とか何とか言っても堀北真希演ずる主役の行動や思考に
全く共感しようがなかったのでどうにもならなかった。

高良健吾演ずる彼女との誓いを果たす男の行動力にも
全く共感しようがなかった。
大体不意にあんな任務つきつけられてどうするんだろう、
男ってそこまで便利じゃないと思うんだよな。
絶対事前にバイアグラとか飲んでるよね。


などと思ったのでカテゴリ「ふつう」。

それと、輸入されたバイアグラを日本人成人男性が
1粒そのまま飲むと、運が悪いと死んだりするらしいので、
1粒を半分に割って半分だけ、
用法用量を守って正しくご服用ください。
そして皆さま、良いお年を。


作品紹介はこちら

ダイヤルMを廻せ!

2013-12-09 | 超おもろい
昔ヒチコック劇場なんかを観たことがあったので、このブログ的にも
ヒチコック映画は既に観ていたかと思ってたけど、振り返ってみると
なんと1本も観てなかった。
「鳥」とかよくテレビでかいつまんで映像が流れたりするから、
もう既に観てしまったような感覚すらある。


なので観てみます。「世にも奇妙な物語」が第一シーズン放映当時に、
「和製ヒチコック劇場」などと言われてた頃からヒチコック映画には
強い興味があったのです。でも見る機会が無かったんだな。


さてこの映画、原題は”DIAL M FOR MURDER”。
その邦題が「ダイヤルMを廻せ!」。良い。

「回せ」じゃなく「廻せ」。
ダイヤルが廻されることで様々な人々の運命までも廻っていくのが
示唆されてるかのような言葉の力を感じぬでもない。


この時代の映画の邦題は本当にセンスがいい。
ブログ的には「大人は判ってくれない」や「博士の異常な愛情」あたりが
挙げられる。

昨今の映画では邦題でこの類の感動を覚えることはほとんどない。
残念だ。

忠臣蔵が「47RONIN」になって逆輸入される時代だもんな。





それはそうと映画。

やはりこの時代の映画は作り物でない「当時の」建物、衣装、調度、
画面に映る全てのものがむしろ新しく、実にカッコイイ。

グレース・ケリーはF1モナコGPとかやるとテレビだか雑誌だか
どこかで大抵1度は話題に挙がるので、存在はよく知ってた。
人気絶頂の中モナコ大公と結婚した後、事故でこの世を去った
伝説的な女優だと。


完全犯罪を目論む主人公、でも「ダイヤルMを廻す」までの運命の
いたずらで、物凄い勢いで計画が狂い、慌てながらも冷静に
軌道修正を図る、、、、

なんてあたりが「コロンボ」なんかの原点になってるっぽさを感じる。
そのコロンボの出がらしみたいのが「古畑」か。


結局主人公の目的は成就せず、トリックをしっかり見ぬかれた上で、
絵に描いたような「秘密の暴露」を示し、詰む。

詰んでから終劇までの雰囲気が最高だった。引きが良すぎる。
久しぶりに1人で映画観て1人で拍手した。バカみたいだろ。



ヒチコックすごい。おもしろかったです。


作品紹介はこちら