78回転のレコード盤◎ ~社会人13年目のラストチャンス~

昨日の私よりも今日の私がちょっとだけ優しい人間であればいいな

◎漫喫でカップ焼きそばを食べたいのならお湯はドリンクの残液入れに流せ

2009-02-21 20:18:14 | もはやチラシの裏レベル
いきなり何書いてんだと突っ込まれかねない当方の妄想小説、皆様はどのように感じていただけたでしょうか。

小説もどきの駄文は学生時代にしょっちゅう書いていたが、書き上げた時の達成感が久々に味わえて良かった(自己満足?



実はこれ、改めて読み返すと突っ込みどころや矛盾があちこちに見受けられる。時間に余裕があれば直そうと思う。
にしても、働きながら書くのって大変なんだな。毎日のように早起きして出社前に漫喫に寄って執筆していたのはここだけの秘密(マテ





小説を評価してもらおうとブログ通信簿(最新記事10件をもとに評価)にお願いしたが、スルーされました。


>氏名:78回転の限定盤◎ ~沈めば浮かぶ~
>性別:男
>ブログ年齢:21

>主張度:3
>気楽度:3
>マメ度:3
>影響度:2

>通信欄:あなたは「一般生徒」タイプです。もっと目立ってもいいと思いますよ。よく話題にしているネットの知識や経験をいかして、作詞家を目指しましょう。

◎桜の舞う頃に・・・(最終話)

2009-02-21 19:57:04 | ある少女の物語
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第1話  第2話
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 なんと少女は今朝、実家の自分の部屋で精神安定剤を100錠も服用して倒れていたのだ。その3時間後に発見した母親が慌てて119番と会社にいる父親に電話をかけたのだ。
「お前が自殺に追い込ませたんだろ!? そうなんだろっ!?」
「イヤ、ちょっと待って下さい。そもそも結衣さんは末期のがんで」
「ハァ!? 何を言ってるんだ!」
「イヤ、結衣さん、末期の肝臓がんって言ってましたよ」
「んなわけねーだろボケがあ!」
 そう言うと父親は僕を殴った。もう何がなんだか解らなかった。まさか、がんは嘘だったのか?
「あなた、待って! その男は何も悪くないわ!」
 そこへ少女の母親らしき女性が現れた。
「これを見て! 結衣の部屋から見つかったものよ」
 母親は、父親と僕に一枚の手紙を見せた。



 両親へ

 遺書なんて重々しいものはとても書けないので、手紙という形で書かせていただきます。
 最近、胃の痛みが激しいです。しょっちゅう吐き気もします。食欲もあまり出ません。
 大学の友達もいつからか連絡をくれなくなって寂しいです。
 講義にもついていけず、単位は足りず、卒論も未完成なので留年は確定です。
 何をやっても楽しくないし、頭が常に重いし、生きている実感がありません。
 精神科医に貰った薬は効いていないみたいです。
 そんな絶望的な状況の中、追い討ちをかけたのが元彼です。
「人生で最高の人に出会えた」と言ってくれた元彼が二股をかけていたのです。
 元彼と別れた日、私は全てが嫌になり、1~2ヶ月後には自殺すると決めました。
 環境を変えようと思い、実家を離れて一人暮らしをしようと決めました。
 今更ですが、勝手に家を出てしまってごめんなさい。
 あれからアパートを借りて一人暮らしをしていました。
 隣の部屋に住んでいたのが今の彼・中村雄介さんです。
 中村さんが私に好意を抱いていると気付くのに時間はかかりませんでした。
 こんなダメ人間な私でも、死ぬ前に何か人の役に立ちたいと思い、
 人生の最期は中村さんのために生きようと心に決めました。
 中村さんに告白された時、余命が最短で1ヶ月の肝臓がんだと嘘をついてしまいましたが、
 それでも中村さんが「付き合って欲しい」とお願いしてきたので、それに応えるべくOKしました。
 一緒にいた日々が、中村さんに尽くした日々が、どれも最高に楽しかったのは事実です。
 やっと人の役に立てた。もう現世に思い残すことはありません。
 この手紙を書いた後、薬をたくさん飲んで安らかに眠りにつきます。
 さようなら。そして、ごめんなさい。

 結衣



「なんだよ……死にたいんだったら俺に相談してくれれば良かったのに……」
 僕は涙を流さずにはいられなかった。すると父親がおもむろに口を開いた。
「さっきは殴ってしまってすまなかった。結衣は悩みを人に話さずに、自らの心の内に仕舞い込む娘なんだよ。昔からそうだった。中学、高校といじめられていた時も、先生に言われるまで俺も母さんも知らなかった」
「えっ、いじめにあってたんですか?」
「やはり聞いてなかったか。結衣は昔から救われない娘だった。5日前、結衣が突然家に帰ってきた日に『やっと私に彼氏が出来たの』と喜んで報告していたけど、その笑顔が尚更俺と母さんを不安にさせたよ。本当は上手くいってないんじゃないか、最悪の場合DVに遭ってるんじゃないかって。勝手に疑って申し訳ない。この手紙を読んで解ったよ。君は間違いなく結衣を幸せにしてくれたということがね」
 それを聞いて、僕はさらに号泣した。
「西岡! 目を覚ましてくれよ! まだ一番大事なことが解らないじゃないか! その手紙にも書かれてない大事なことが! 答えてくれよ! 西岡! 西岡~!!」



「……村さん……中村さん……」
 微かに聞こえる少女の声で目を覚ました。僕は3時間も泣き続け、泣き疲れてそのまま寝てしまったようだ。
「西岡! 目を覚ましてくれたんだね!」
「ちょっと、声が大きいよ。恥ずかしいよ、皆見てるじゃない」
「えっ? あ、ここは……」
 そこは何故か川沿いの公園だった。公園を訪れた人たちが皆こっちを見ている。
「約束通り川沿いの公園に来てあげたよ」
「西岡……」
「ホラ、あれを見てよ」
「……あ!!」
 少女の視線の先には、この公園に一本しかないソメイヨシノ。満開の桜が舞っていた。
「……やっと見れたね、中村さん」
「……うん。すごい綺麗だ……」
 僕等はしばらくの間、無言で桜を見ていた。その後、僕から口を開いた。
「……あ、あの、西岡。一つだけ、聞きたいことがあるんだ」
「なーに?」
「俺のこと……本当に好きなの?」
「えっ?」
「だって、俺に尽くそうとして付き合ってただけなんだろ? 無理しなくて良かったのに。俺は本当の気持ちを知りたいんだよ!」
「……なーんだ。そんな簡単なことも解らないの?」
「えっ?」
「中村さんの望む答えで合ってるよ」
「!!!」
「これから辛い時があったら、いつでも私を呼んでね。必ず出てきて励ましてあげるから」
「えっ、どういう意味?」
「じゃあ、最後にキスしようか」
「……うん」
 僕等はゆっくりとお互いの唇を合わせた。その瞬間に目を閉じた。
 世界中の時が一瞬だけ静止したように感じた。



 気がつくと、そこは再び少女のいる病室だった。
 心電図は直線になっていた。
 父親も母親も号泣していた。

 そうか、少女は最後にもう一度、夢を見せてくれたんだ。今までで最高の夢を。



 あれから僕は、少女に出会う前と同じ日々に戻った。
 でも一つだけ違うのは、今の自分に誇りを持つようになったこと。
 少女の分も生きようと心に決めたんだ。それが僕の生きる理由だから。



(Fin.)



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第1話  第2話
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◎桜の舞う頃に・・・(第2話)

2009-02-21 19:52:59 | ある少女の物語
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第1話  最終話
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「私、末期の肝臓がんなんです。医者には治療は不可能と言われて、今は毎日薬を飲んでいるだけです。余命は1~2ヶ月。早ければ、あの木から桜が舞う頃には、もう……」
 少女の視線の先には、この公園に一本しかないソメイヨシノ。
「実は私も……中村さんのことが好きです。でも、いつ終わるか解らない恋に、あなたを巻き込ませることなんてとても出来ません」
「………」
 あまりの衝撃に僕は一瞬言葉を失ったが、すぐに口を開いた。
「それでもいいです。期間なんて関係ありません。僕は西岡さんと一緒にいたい。ただそれだけなんです。どうか、お願いします」



 僕等の恋はここから始まった。
 いつ砂が落ち切るか解らない砂時計。それでも僕は、だからこそ僕は、少女といられる時間を大事にした。
 常に貪欲になり、行きたい場所、やりたいことは我慢せずに何でも実行した。そのためにはお金を決して惜しまなかった。
 そして、不思議なことに僕等は喧嘩することは全くなかった。不器用な僕が少女を一度も傷付けなかったと言えば嘘になる。だが少女の怒った顔は一度も見たことがない。そんな少女の優しさに応え、僕も少女に対して怒りを露にすることはなかった。



「会社が終わったら川沿いの公園に来てくれる?」
 少女がそんなメールを送ってきたのは、付き合い始めて3週間後、卒業式の季節を迎えた頃だった。
 僕は急いで川沿いの公園に向かった。まばらに蕾を見せているソメイヨシノの下に少女がいた。
 あの時と同じように、水面に映る月を見ながら少女はこう言った。
「……私、来週から入院することになっちゃった。親がうるさくて」
 それを聞いた僕は、砂時計の砂が残り僅かになっていると悟った。
「……そう、なんだ………」
 僕はそれ以上の言葉が出なかった。
「中村さん……お願いがあるんだけど、いい?」
「……何?」
「残り1週間、中村さんの部屋に居させてもらえないかな?」
「えっ!?」
「そんなに驚くことないじゃない。私たち恋人だし隣人だし、何度もお互いの部屋に遊びに行ったりしてたわけだし」
「イヤ、その、あの……こ、光栄すぎて何て言っていいのか……」
「じゃあ決まりだね?」
「……うん」



 翌朝。
「朝ですよー」
 少女の声で目を覚ます。まさかこの少女と同棲できるなんて夢にも思っていなかった。
「ハイ、お味噌汁」
「お、マジか! ありがとう」
「今日も一日お仕事頑張ってね」
 少女のおかげで、いつもは重い足取りの通勤も今日は爽快な気分でいられた。

 その後も新婚生活のような甘い日々が続き、あっという間に6日が経った。
 この日は一日中ディズニーランドにいた。最後に目の前の現実から離れ、夢のような世界で魔法をかけられた気分でいたいという少女の希望だった。
 少女は初めて会った日と同じスカートで、あの時をもう一度思い出させてくれた。

 その夜、僕等は川沿いの公園に来ていた。ソメイヨシノの蕾は膨らみ、ところどころ花が咲いていた。
「俺が告ったのはこのあたりかな?」
「アハハ。懐かしいね」
 すると僕は、今まで恥ずかしくてとても言えなかったことを、何の躊躇いもなく自発的に話し始めた。
「……俺、西岡に会うまで、全然楽しくなかったんだ、人生が」
「そうなの?」
「朝から晩まで働いて、毎日それの繰り返し。経済的に将来への不安もあって、人生このままでいいのかなあ、俺は一体何のために生きてるんだろう、って思ってたんだ。でも西岡と出会ってからは考えが変わった。今のままでいいのかとか将来どうなるんだろうとか、そんなのはどうでもいい。一人の女性のために一生懸命生きようと思えたんだ」
「えっ?」
「こんな気持ちになれたのは生まれて初めてだし、全部西岡のおかげだよ。本当にありがとう」
 それを聞いた少女は、映画の時以来の涙を見せた。
「……あ、ありがとう…………私も、本当にありがとう……」
 僕等は自然と抱擁し、キスを交わした。
「お見舞い、必ず行くから。会える日と時間が分かったら教えてね」
「……うん」
「この木から桜が舞う頃に、医者に許可を貰ってもう一度2人で来ようよ」
「……うん………そうだね」



 翌日の昼過ぎ、駅で少女と別れた。そのまま病院に向かったようだ。
 今振り返ると全てが夢のようだった。短い間だったけど、いい夢を見ることが出来た。
 本当にありがとう。



 しかし、異変はその翌日から起きた。月曜の夜に僕から少女に送ったメールの返信が、3日経っても送られてこない。電話をかけてもいつも「電源が入っていません」というメッセージ。お見舞いに行っていい日時も一向に教えてくれない。
 これは変だと思い、金曜日、会社を半日で早退して少女の言っていた病院に直行した。しかし、
「西岡結衣さんですか? そのような方は入院されていないようですが……」
 受付のその言葉に僕は愕然となった。今、少女はどこにいるのか。他の病院なのか、それとも実家か、それともまさか……。
「急患です! 急患です!」
 急にあたりが騒がしくなった。運ばれてきた患者はよく見えなかったが、
「21歳の女性が急性薬物中毒の疑いあり!」
「結衣! しっかりしろ! 結衣~!」
 付き添っていた医者と父親らしき人の台詞で少女だと確信し、僕を更に驚愕させた。一体どうなっているのか。

 病室で点滴を打たれたまま目を覚まさない少女。頭を抱える少女の父親。恐る恐る僕は話しかけた。
「あの、すみません……僕は結衣さんの……その……」
「お前が結衣の言っていた男か! お前が殺ったのか!?」
「え? ちょっと待って下さい、誤解ですよ?」
「結衣は自殺しようとしたんだぞ!」
「えっ!?」


(つづく)


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第1話  最終話
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