78回転のレコード盤◎ ~社会人13年目のラストチャンス~

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◎AbemaTV『オオカミちゃんには騙されない』1話でオオカミちゃんを見抜いてしまった人

2019-08-21 17:01:32 | 小野と芋子

<『オオカミちゃんには騙されない』本編→https://abema.tv/video/title/90-1286

 

芋子「AbemaTVハマり出したら、確実に引きこもりの廃人になるでしょうね」

小野「例えるなら“クオリティーの高いYouTube”だからな。登録せずとも地上波レベルの番組が無料で無限に観放題

芋子「ネトフリやアマプラですら有料ですからね。CMという強制ムービーが随所にあるとはいえ、太っ腹すぎます」

小野「だからずっと、アベマにはあえて近付かないようにしてきたが、とうとう気になるコンテンツを見つけてしまったのでやむを得ず観てしまうことに」

芋子「『オオカミちゃんには騙されない』ですね。でもこのシーズンが終了したら即アベマとはオサラバしたほうが良いでしょう」

小野「あ~べま~」

芋子「寛平さん風に言わないで下さい」

小野「ちなみに『なつぞら』の感想記事がサボり気味ですが、こちらもちゃんと観ています!」



<リアリティショーとは>

芋子「実はアベマには、いわゆる“恋愛リアリティショー”を謳った番組がたくさんあり、“恋リア”という名前でカテゴリーにまでなっているのです」

小野「それだけ需要もあるんだろうね。その中の一つが『オオカミちゃんには騙されない』なわけだが、10人の男女が知り合い、デートを繰り返しながら恋に落ちていくまでを追いかける番組。雰囲気も含めて『テラスハウス』に酷似している」

芋子「『テラスハウス』(2012~、フジテレビなど)もリアリティショーでしたからね。ドキュメントとも少し違う“リアリティショー”という形式での放送は、当時若者たちの間で話題を呼びました」

小野「リアリティショーの特徴も簡単に挙げておこう。まず、制作スタッフやカメラなどの撮影機材を一切映り込ませず、編集やテロップも最小限に抑えることで、ドラマのような雰囲気の下で出演者のリアルな言動が映し出されている」

芋子「それよりも重要なのは“完全なドキュメントではない”ということです。どう考えても一部に台本があったり、スタッフの指示で動いているメンバーが何人か居るのはバレバレです」

小野「ちなみにテラハは“台本が無い”ことをやたら強調していたけど、別に台本が無くてもカンペで指示を出せば良いだけなので、その言葉だけでガチだとは思わないほうが良い」

芋子「ただ、どこまでが台本でどこからがガチなのかの見分けが難しいのですよね」

小野「例えばめちゃイケの『ナイナイ中居日本一周企画』のように、出演者は自分がどう動くかだけ書かれた台本を渡されていて、相手の言動が分からないから想定外の出来事が起きてドキュメントっぽくなるようにしているかもしれないね。推測だけど」



<テラハとの違いは?>

芋子「では、同じリアリティショーでも『オオカミちゃんには騙されない』は『テラスハウス』と何が違うのでしょうか?」

小野「何と言っても女性メンバーの中に“恋する乙女”を演じている、本当は恋をする気が全く無い嘘つきが一人以上いることだね。その女性を番組では“オオカミちゃん”と呼んでいる」

芋子「一人とは限らないのもポイントですね。元々は『オオカミくんには騙されない』というタイトルで、男性がオオカミのパターンを過去に5シーズン配信し、6シーズン目の今作で初めて男女を逆転させたわけです」

小野「他にテラハと異なるのは、『オオカミちゃん~』はロケ日以外は各自通常の生活をしており、ロケとロケの間に結構間隔が空いたりする」

芋子「テラハのような共同生活が無い代わりに、オリジナルのカフェをオープンさせるという共通の目標があり、それに向けて全メンバーが協力する必要があります」

小野「あと細かいところだと、デートに誘う際は必ず『太陽LINE』というグループチャット上で連絡をとらねばならず、必然的に全メンバーに知れ渡る」

芋子「よって、誰が誰を好きかという大事な情報が筒抜けになってしまい、より高度な心理戦になるわけです」

小野「そしてデートは誘った人、誘われた人以外でも、誰でも参加OKとなっている」

芋子「2人きりのデートのはずが、途中から思わぬ乱入があったりします」

小野「このへんがどう見てもスタッフの指示なんだよね。話が上手く出来すぎていて」



<視聴者が脱落者を決める残酷システム>

芋子「小野先輩、『ザ・チーター』って覚えていますか?」

小野「ああクイズ番組か、懐かしいね。6人中1人だけか正解を知っている“チーター”で、その疑いがある人を投票で決めて追放するやつ」

芋子「『オオカミちゃん~』でも、オオカミちゃんの疑いがある人に投票し、最多得票を得た女性メンバーが脱落してしまいます」

小野「でもそれを決めるのは視聴者なんだよね。これが画期的かつ残酷なシステムである」

芋子「視聴者投票は既に締め切られており、次回の配信(8月25日(日)22時~7話)で脱落者が発表されます」

小野「ただそれはあくまでも脱落者であって、オオカミちゃんが誰か明らかになるのはまだ先なんだよね」

芋子「まあ、おそらく12話前後やると思いますので、9月か10月になりそうですね」

小野「僕はもう、オオカミちゃんが誰か分かっちゃったけどね」



<↑2話時点での相関図。3話以降もこれを見ながらだと本編を理解しやすい>


<1話の時点でオオカミちゃんを見抜いてしまった>

芋子「えっ!? 本当ですか?」

小野「まあそもそも何人いるか分からないけど、そのうちの一人だけは1話の時点で予想できた

芋子「早すぎませんか!?」

小野「予想というか、ほぼ確定で良いと思う」

芋子「なぜそこまで自信が持てるのですか?」

小野「まあプロフィールだけ軽く調べさせてもらったけどね」

芋子「気になりますけど、ネタバレになってしまう可能性もあるので“炙り出し”で書いておきますか」

小野「僕の予想するオオカミちゃんとその理由を知りたい方は↓を反転させてご覧下さい

(※スマホの方はコピーしてメモ帳アプリなどに貼り付けて下さい)

↓ほぼ確の予想・ここから↓

   ほのばび    

理由:彼女だけオスカープロモーション所属。
オスカーは25歳まで恋愛禁止で有名。
まだ18歳で、万が一でも恋に落ちたら規約違反になる。
それを防ぐにはオオカミちゃんとして出演するしかない。

↑ほぼ確の予想・ここまで↑



芋子「ええ、意外ですね……」

小野「ちなみにファンが非公式で投票を実施したところ、↓こうなっている」

 

 

芋子「うーん……」


小野「僕が予想した女性をオオカミだと思って改めて1話から観ると見方が変わって色々面白くなるよ」

芋子「今すぐ観るしかないじゃないですか!! ちなみに配信済みの1~6話が現在無料でアーカイブ配信されています。興味のある方は是非ご覧下さい」

1~6話無料配信中→https://abema.tv/video/title/90-1286


小野「そして、25日22時からの7話をみんなで観よう!」


◎映画『天気の子』感想……あの結末は評価が難しい。だからこそ観に行って確かめよう

2019-08-15 08:50:29 | 小野と芋子

 

芋子「新海誠監督の最新作『天気の子』をようやく観て来ましたが、これは評価が難しいですね……」

小野「こちらの記事で予言したとおり、個人的には『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』のほうが感動しちゃう結果になってしまった。予言しておいてアレだけど、ちょっと残念である」

芋子「そもそも比較対象がおかしいかもしれませんので『青ブタ』の話は一旦置いておきましょう。『天気の子』に感じる複数の違和感が、感動を薄れさせてしまったことは事実です」

小野「いや『君の名は。』のような大団円ハッピーエンドが特殊事例だっただけで、『言の葉の庭』までの新海作品には毎回違和感を感じていたよ。ただ今回の違和感はそれらとも微妙に違うんだよなあ」





※ここからネタバレ有





<違和感の正体(1)主人公の罪と罰>

芋子「今回はその違和感について掘り下げていきましょう」

小野「何よりも一つ目に挙げたいのは犯罪行為だね。主人公・帆高の拳銃所持、しかも発砲までしたのは誰がどう見ても銃刀法違反である。たった一人の少女を救う為だけに罪を犯すという行為の是非を考えていたら、物語に集中できなかった」

芋子「いっそ『星を追うこども』くらいの完全なファンタジー世界に振り切れば、拳銃の登場くらい気にならなかったかもしれませんが、新海監督の大好きな“新宿”があらゆる箇所に登場しており、SFではあるけど舞台は現実世界の日本の東京だと思わざるを得ません」

小野「帆高の罪を犯した部分については相応の罰を与える必要があったが、なぜか警察の抑止力が弱すぎるし(特に手錠をかけてからも逃げられてしまうあたり)、それでも事後に罰は与えたけど、それが“3年間の保護観察”だけというのもなんだかなあ。たった3年で普通に街を歩けているのだから」

芋子「少し違うかもしれませんが、京都アニメーションの放火事件が頭をよぎってしまいました。あの犯人も、過去に下着泥棒やらコンビニ強盗やらをしており、服役させたとはいえ、普通に街を歩けるようにした結果が放火による大量殺人ですからね」

小野「僕は法律に詳しいわけではないし、ましてや前者はまだ16歳だから、どちらの事例もちゃんと日本の刑法に則った結果なのかもしれないけど、夏休みで小学生もたくさん観ている映画だし、いずれは地上波のゴールデンタイムで放送されることも考慮すべきだったとは思うよ」

芋子「これは令和元年という今の時代に、コンプラがうるさく、犯罪事件が無くならない日本という国でアニメ作品を制作することの難しさでもありますね」

小野「結局、そこを気にさせちゃったら素直に感動できないのは仕方のないことだと思うんだ。逆にコンプラとかが気にならない人なら大感動できたと思うよ」



<違和感の正体(2)新海らしくもない、かといって大団円ハッピーエンドでもない結末>

芋子「2つ目はやはりあの結末ですかね」

小野「大団円ハッピーエンドは『君の名は。』でやったから、個人的に今回は新海監督らしい結末を期待していた」

芋子「“新海監督らしい”というのは?」

小野「『ほしのこえ』『雲の向こう、約束の場所』『秒速5センチメートル』『星を追うこども』『言の葉の庭』……ここまでの新海作品はいずれも明確なハッピーエンドとはいえない結末になっている。だから僕は『天気の子』も、帆高が陽菜を救えないまま終わるんじゃないかと思っていた」

芋子「まあ、あれだけ警察に追われていたら普通は逃げられませんからね」

小野「たった一人の少女を救う為に罪まで犯すなんて決して許されることではないし、その制裁の意味でも陽菜を救えないという大きな罰を与えて欲しかった気持ちもある」

芋子「かといって帆高が陽菜を救ったことが明確なハッピーエンドでもないのですよね、世界が崩壊しちゃっていますから。世界もちゃんと救った『君の名は。』とも異なる結末でした」

小野「つまり今作は、新海監督らしい鬱全開の結末でもなければ、『君の名は。』のようなカタルシスを得られる大団円ハッピーエンドでも無い、どっちつかずになってしまったんだよ」

芋子「どうせ鬱ENDなら過去作みたいに鬱全開にして欲しかったですけど、東京沈没に対するフォローも入り、帆高と陽菜は再会して希望を持たせる結末になったことで中途半端感が否めなくなってしまいました」

小野「まあ今作も『君の名は。』同様、川村元気Pがガッツリ絡んでいるから、完全な鬱ENDにならないことは予測できたことではあるけどね」



<違和感の正体(3)企業タイアップ>

芋子「3つ目はもはや大したこと無いかもしれませんが、本編中に過度に登場する実在の企業や商品です」

小野「特にマクドナルドは本編に少なからず関わってくるからね。かなり大事な部分を実名にしてしまっているから違和感を感じざるを得なかった。『エヴァ』のUCCやローソンくらいの絡みなら許せたんだけど」

芋子「タイアップについてもう一つ言わせていただきますと、TVCMのタイアップも多すぎました」

小野「サントリーの天然水にカップヌードル、クーリッシュ、ソフトバンク、バイトルにミサワホームまで。全く関係のないバラエティー番組を観ていても帆高と陽菜が何度も目に付いてしまい、映画を観る前から少し萎えてしまった

芋子「新海監督のアニメCMといえば、過去にも『大成建設』『Z会』がありましたけど、企業宣伝を想起させず純粋に感動できる作品だったことが印象に残っていますからね」

小野「今見返せば『ミサワホーム』や『バイトル』など良かったCMもあるけど、それは『天気の子』を観たからなんだよね。映画を観ていない人への宣伝なのに、観ていない人にはそんなに響かない矛盾が発生してしまっているんだよ」

芋子「ただ、映画本編に出てきたポテチチャーハンチキンラーメンサラダは私も作ってみたくなったことだけは言わせて下さい」

小野「企業タイアップも、そういう使い方なら良いと思うよ」



<総評>

芋子「というわけで色々言ってしまいましたが、私達は紛れも無い新海作品のファンです」

小野「違和感があったのは事実だけど、作画や背景の美しさは健在だし、当然それだけでも観る価値はある。あと、須賀さんの秘密など本編では説明されていないカラクリも結構あるみたいなので、そういうのも繰り返し観て解き明かしていけば何倍も楽しめるアニメ映画だと思うよ」

芋子「内容も“どっちつかずの結末”と言いましたけど、言い換えれば“全く新しい結末”ですからね。あえて攻めたのだと思えば、これはこれでアリなのかもしれません」

小野「誤解しないで欲しいのは、良いシーンもたくさんあったんだよ。天気が晴れるだけで多くの人が笑顔になるところとか、ラブホでインスタント食品を3人で食べまくるシーンとか」

芋子「あそこ良かったですよね。カップ麺や冷凍食品でもパーティーのように楽しめる3人の絆にほっこりしますし、どう見ても別離フラグというか最後の晩餐にしか見えないのが切なくもあります」

小野「つまり何が言いたいのかというと、皆さんもぜひ劇場へ!

 

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