78回転のレコード盤◎ ~社会人13年目のラストチャンス~

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◎『なつぞら』第7・8週(48話まで)感想……山口智子のダンスが見所! 空気の読めない咲太郎は諦めるしかないのか

2019-05-28 07:36:47 | 小野と芋子

岸川亜矢美役・山口智子の過去の名作『ロングバケーション』

 

芋子「NGT48が大変なことになっています」

小野「山口真帆の卒業は序章に過ぎなかった。荻野由佳への脅迫状加藤美南のインスタ誤爆、そして極めつけは早川支配人のTwitter開設からの秒で炎上である」




芋子「これで東大卒の才女というから驚きです」

小野「良く考えず失言したり、裏アカと本アカを間違えたり、操作ミスで全体に公開してしまうような人はSNSに向いていないよ。炎上が怖いならそもそもやらなければ良いだけだと思う。ジャニーズだって誰もやっていないだろう」

芋子「強いて言うなら、良く考えて長文を書けるブログだけにすれば良いと思います」

小野「その点、声優は炎上がほぼ無いから安心して応援できるね。みんな頭良いのかな」

芋子「ハイハイ声優ネタはまた今度話しましょうね。今回は朝ドラ『なつぞら』第7・8週の感想についてです」

小野「油断していたらもう2週間分溜まっちゃったか」



<第7週はさらっと>

芋子「第7週はなつが東京に行きたいと家族に打ち明け、それが泰樹との和解を経て認められます」

小野「ここも感動するシーンはいくつかあるのだけど、細かくは触れない。個人的にはなつを東京に行かせる為の強制ムービーというかクッション回だと思っている」

芋子「大事なのはアニメーターを本格的に目指す第8週以降ですからね」

小野「泰樹はアニメーション(漫画映画)のことをさっぱり知らなかったけど、それでもなつの夢を応援すると決めたのは、信頼しているからこそだよね。そこは本当に良かった」

芋子「あとは天陽君ですね。なつが東京へ行く=別離になることが確定してからは切ない表情を良く見せていました」

小野「まあ第7週はそれくらいにして、いよいよ第8週を振り返ろう」



<天陽の告白>

芋子「第8週は帯広での送別会から始まります(43話)」

小野「ついに天陽が皆の前で『俺はなっちゃんが好きだ』と公開告白したね」

芋子「ドキッとしましたよ。第7週42話のラストシーンですら匂わせつつも言わなかったのに」

小野「ただ東京でも何人もの若い男と出会うことになる。しかも何故かイケメンばかり

芋子「なつのハートは誰に向かうのか、それにも注目ですね」

小野「それにしても最近の朝ドラは狙ったようにイケメンばかり出すよね」



<そしてなつは雪次郎、雪之助と上京>

芋子「44話でなつは上京。公式サイトの人物相関図もリニューアルし、ここからは第二章とでも言うべきでしょうか」

小野「お菓子職人を目指していた雪次郎も8週目にしてついにフィーチャーされ、川村屋での本格的な修行が始まり、それをなつが皿洗いをしながら見守るという構図になったね」

芋子「その川村屋ですけど、小野先輩、第5週感想の記事で思いっきり『中村屋』と間違えていましたね」

小野「お前も突っ込まなかったじゃないか(笑)」

芋子「中村屋は川村屋のモデルとなった実在する有名なカレー店です。関東に住んでいる人ほど間違えやすいかもしれません」

小野「この場を借りてお詫びいたします。リンクも貼っておくので興味があれば是非中村屋へどうぞ

洋食レストラン 新宿中村屋 池袋東武本店
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<山口智子のダンスは必見>

芋子「第8週で株を上げたのはおでん屋の女将、岸川亜矢美を演じる山口智子さんでしょう」

小野「おでん屋なのに、至る所でダンスのステップを踏むんだよね。特に45話、外の掃き掃除をしている時のダンスは必見(笑)」

芋子「今や本編よりもそっちが楽しみになっています(笑)」

小野「そして彼女は、なつの兄・咲太郎を息子のように長年育ててきたことも明らかに」



<空気の読めない咲太郎>

芋子「その咲太郎も、なつとの二度目の再会を果たします」

小野「いや申し訳ないけど、やっぱ俺、咲太郎ダメだわ。空気の読めない行動が多すぎて感情移入できない」

芋子「第8週だけでも、なつを住居含めて世話してくれる川村屋から引き離そうとしたり、東洋映画社長に『なつを採用させてくれ』というニュアンスの発言をして懇願するなど、妹にとって巨大なお世話とも言うべき言動ばかりしています」

小野「ヒロインの生き別れた兄なんて、ドラマとしてもかなりキーパーソンになるはずなのに、そこに感情移入できないのは致命傷だよ。今のところ、咲太郎が居なくても物語は成立しているし」



<それでも第9週に期待>

芋子「第9週の予告を観る限り、咲太郎は更に余計なことをしでかすみたいです」

小野「もう諦めるよ。あくまでも本筋はなつがアニメーターを目指すこと。広瀬すずさんだけを見守ろうじゃないか」

芋子「私は川村屋のマダムを演じる比嘉愛未さんのほうが好みですかね」

小野「まもなく貫地谷しほりさんも登場するから楽しみだ」

芋子「まゆゆも忘れないで下さい。彼女もそろそろ現れることでしょう」

小野「女性陣も負けていないではないか。安易にイケメンで釣ろうとばかりしないで欲しいね」

 

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◎インスタント麺を少しアレンジするだけで更に美味しくしてみた

2019-05-24 09:04:50 | 男の24時間クッキング

<キャベツたっぷりUFO>

カットキャベツを炒めてUFOにかけるだけ。

シンプルでもキャベツが加わるだけで病み付きになる一品。

ペヤング、一平ちゃんでも試したが、UFOが一番キャベツに合う。

 

 

<コロッケごまドレうどん>

茹でたうどんに惣菜コーナーのコロッケを載せ、ごまドレッシング(またはごまだれ)をかけるだけ。

めんつゆなどのスープは一切入れない。どういう経緯で思いついたかは覚えていないが、とにかくごまドレはうどんに合うし、コロッケが加われば更に美味しくなる。

 

<ポニョラーメン>

『崖の上のポニョ』に登場するラーメンを再現しただけだが、卵を茹でたりハムを焼いたりと地味に時間がかかる。ラーメンを茹でるタイミングに注意しよう。


◎『陸海空』深夜移動で面白くなった! ナスD無しで“非予定調和”を生み出す美女10人

2019-05-16 04:21:33 | ほぼ週刊サンマイ新聞

 

 バラエティー番組を面白くするキーワードの一つに“非予定調和”がある。番組冒頭の企画趣旨説明の時点で多くの視聴者が想定する展開を、良い意味で裏切った場合にこれが当てはまる。TBS『水曜日のダウンタウン』のほとんどの検証VTRがこれにあたるし、トーク番組だと日本テレビ『しゃべくり007』もこの手法を用いている。

 そして当方は、新たな“非予定調和”の番組を見つけた。テレビ朝日で月曜23時20分より放送中の『陸海空 こんなところでヤバいバル』である。その前身番組『陸海空 地球征服するなんて』で、U字工事がアマゾン奥地に生息する部族を取材する企画のはずが、同行ディレクター友寄隆英(ナスD)の破天荒な言動が思わぬ“非予定調和”を生み出し、いつの間にかナスDメインの企画になってしまった経緯がある。

 そして現在の『ヤバいバル』で放送中の企画が「美女10人10日間サバイバル生活」である。年末特番の『無人島0円生活』に酷似しているが、「10人が10日間のサバイバル生活を経て合計10kg太れば100万円獲得」というルールが加わる。男性でも過酷なサバイバル生活を現役アイドルや女優が10人も挑戦するというだけで異例の企画だが、賞金を付けることで彼女達に共通の目標が与えられ、それに向けて団結するという構図が生まれるわけだ。

 しかし実際はそうはならなかった。回を重ねる毎に10人の人間関係は少しずつ崩壊していく。表面上は団結しているように見えるが、内面では“ガチ勢”と“やる気なし勢”に分断され、後者が前者への陰口を零す場面も度々見受けられる。そもそも僅かな食料と不慣れな自給自足の生活で太れるはずも無く、「太れば100万円」というご褒美はまやかしに過ぎず(強いて言うなら美女10人の参加を実現させる動機でしかない)、極限状態が生み出す女性特有のドロドロした人間関係が非予定調和となったのである。


 また、5月13日の最新回でクレームを回避するフォローを2つ入れた工夫にも評価したい。1つ目は唯一の無人島生活経験者である落合真彩に、ナスDが事前に「ロケ日までに火の起こし方を再確認しておいて」「食べられる野草やキノコなどの情報を積極的にメンバーに提供して」などと伝えていた場面を放送したこと。過酷なサバイバル生活をナスDの力を借りず、美女10人だけで順調に進める為の準備を入念に行っていたのだ。



 2つ目は川で魚を獲る方法をナスD自身が(美女達の居ないところで)実演して見せたことである。美女達は魚獲りに何度も苦戦していたが、無理ゲーではなく簡単に獲る方法は確かに存在することを証明し、よゐこ濱口の1ヶ月1万円生活のロケハンで得た技術であると説明することで視聴者を納得させる。これが専門家の解説ではなく番組ディレクターなのだから驚かされる。


 ナスDが居なくとも破天荒な美女10人による非予定調和の連続。次回以降も目が離せない。

 

(#35:1197字)


◎『なつぞら』第6週(36話まで)感想……31話と33話は必見だが、ネタバレ特番のせいで大事なシーンも茶番に見えてしまう

2019-05-13 11:07:56 | 小野と芋子

「広瀬すずinなつぞら」PHOTO BOOK―連続テレビ小説「なつぞら」 (TVガイドMOOK 12号)

 

芋子「やってしまいましたねえ」

小野「ああ、やってしまったな」

芋子「私はただ、第5週までの名場面を振り返りたかっただけなのです」

小野「僕はただアニメ制作の現場を見たかっただけなのに」

2人「まさか番組の最後に壮大なネタバレがあったとは」


<特別番組で起きた悲劇>

芋子「読者の方は何のこっちゃだと思いますので、説明いたします」

小野「4月の下旬に朝ドラの特別番組『まだ間に合うなつぞら』が放送された。30分番組で、内容は主に朝ドラ『なつぞら』第5週までの名場面集と、OPアニメの制作現場を取材した映像の2本立てだった。その模様はNHKオンデマンドで今なら無料で視聴できるので、先日拝見したわけだが……」

芋子「名場面集は、私たちが再三感動したと言っている24話のラストシーンも含めて見ごたえのある映像になっていました。まあそれまでの積み重ねがあって初めて感動を得られるものですから、そこだけ観ても……とはなりますが、今そのツッコミは置いておきましょう」

小野「アニメ制作現場の取材映像もリアルで良かったね。大体知っていたことだけど、タブレットでコンテや原画を描いたり、影を追加するテクニックなど、驚かされることもあった」

芋子「それらをも上回る最大の見所は、アニメーターの仕事の基礎を学ぶ広瀬すずさんのドキュメント映像です」

小野「役を演じる為に実際に学んだわけだ。ドラマや映画の撮影においてそれは普遍的なことだけど、その様子にカメラが密着することは珍しいんじゃないかな」

芋子「そんな感じでNHKの取材力に脱帽しながらその特番を観続けていたら、ラスト3分で悲劇が起きました」

小野「『この先の展開を少しだけお見せします』と前置きしてからの壮大なネタバレ集だよ。あれ、ひょっとすると、2~3ヶ月くらい先の放送分まで見せちゃったんじゃないかな」

芋子「少しどころじゃなかったですね。あのネタバレを観てしまったあとだと、第6週の感想をいくら語ろうが無意味に感じます」

小野「まあ、それでも語るんだけどね


<絶対に観るべき31話>

芋子「第6週は東京編の続きから始まります」

小野「31話はすごかったね。まさか東京編のラストにこんな神展開が待っていたとは」

芋子「天陽君の兄・山田陽平がアルバイトで勤務しているアニメーション制作会社になつが潜入し、動画を5枚くらい描く体験をします」

小野「前述の特番を観れば分かるが、その動画は実際に広瀬さんが描いたものだから、リアル感があって良いよね」

芋子「特番では実際に身体を動かして薪を割るイメージをしていましたが、ドラマ本編でもなつ本人による薪割りのイメージ映像がカットインされるなど、現実とリンクさせています」

小野「放送日は5月6日、つまり連休最終日で高視聴率が見込まれるから、NHKもここぞとばかりに本気を出してきたね(事実、31話は21.1%と前回の19.4%よりも1.7ポイント上げてきた)。とにかく31話だけでも観てほしい」


<なつと天陽の映画デート>

芋子「32話で季節は夏から冬に飛びます。そして翌33話はいよいよなつ×天陽の映画デートです」

小野「『ファンタジア』はディズニーの長編アニメーションとしてはまだ3作目となるかなり古い作品。なつの感想で『あんな風に音楽を表現できたり』と言っていたけど、『くるみ割り人形』や『魔法使いの弟子』など8曲のクラシック音楽からイメージした物語をアニメで表現したものらしく、これに影響されクリエイターの血が騒いだ人も少なくないのだとか」

芋子「私達も何とかして観てみたいですね。もうレンタルしていなさそうですけど」

小野「観た感想は改めて語るとしよう」

芋子「そして、映画の本編に感動したなつの余韻覚めやらぬ中、スクリーンには『東洋映画』の新作アニメ制作発表と人員募集のCMが映し出されます」

小野「あのCMはクドかったね。使える予告映像が完成していないから、制作現場の映像と社長の熱弁で誤魔化しただけ(笑)。『白蛇姫、制作開始!』なんて宣伝されても、今の時代なら『ああこれ、6年は公開されないパターンや』と冷めた反応になるだけだろう」

芋子「シャ○トの悪口はそこまでです」

小野「その『白蛇姫』だけど、なつが演劇をした『白蛇伝説』と関係がありそうだよね。後者は倉田先生のオリジナル作品だけど、わざわざ同じワードを出してきたわけだし」


<分かりきった答えをどうやって導き出すか>

芋子「どのみち、なつがアニメ業界への興味を更に深く抱くきっかけとなる重要なデートでしたね。さて物語は、照男と天陽のスキー対決を経て、なつと泰樹の絆にヒビが入ります」

小野「泰樹は『なつに牧場を継いで欲しいから照男と結婚すべき』、照男は『なつと天陽が相思相愛なら山田家に嫁ぐべき』、天陽は『なつは帯広を離れて夢を追いかけるべき』と、それぞれ意見が異なっているね」

芋子「果たしてなつの選んだ答えは3つのうちどれなのでしょうか!? 第7週に続きます」

小野「いや答えはもう分かりきっているんだけどね。ネタバレ特番を観た僕等はもちろん、それ以外の視聴者もほぼ全員分かっている。だから36話の喧嘩シーンも茶番に見えてしまうんだよ」

芋子「答えを導き出す過程が気になります。柴田家、何より泰樹のもとを離れる決断を、なつには簡単に下せないでしょう。夢と家族、そして天陽との間でも揺れ動くなつ。暗雲が立ち込めた矢先、なつは吹雪の中で倒れてしまいます」

小野「これで次週予告が流れるのかと思いきや、最後になつが謎の家で目を覚ますシーンに切り替わってホッとしたよ。週末に視聴者を不安にさせない配慮をしてくれるのはありがたい」

芋子「次週予告ですけど、なつがビンタされていましたね。コンプラが厳しい今の時代でもそういうのやるんですね

小野「広瀬すずさんに暴行したら僕が許さないよ。いつでもクレームの電話入れるからな」

芋子「まあ、弱めのビンタでしたけどね」

 

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2019-05-08 01:41:07 | 小野と芋子

連続テレビ小説 ひまわり 完全版 DVD-BOX 第一集

 

※壮大なネタバレあります。

 

芋子「今朝の電車、激混みでしたね」

小野「世間は10連休が終わり今日から学校や仕事が再開。まあ、そのまま辞めたりバックれた奴も居るんだろうけど

芋子「闇深い五月病あるあるは言わないで下さい! 確かに元から嫌気がさしていた人なら、10連休で休み癖がついてしまったのがトドメになりそうですけど」

小野「たった一ヶ月で結論を出さずにもう少し頑張ってみよう。小野先輩との約束だぞっ☆」

芋子「それはそうと、今回はNHK朝ドラ『なつぞら』第5週の感想についてです」

小野「東京にてなつの実兄・咲太郎(さいたろう)との再会編か。もっと引っ張るかと思いきや、かなり早い段階で会わせちゃったね」


<リアルな表情が見どころの干し草作り>

芋子「東京編の前に25~26話から振り返りましょうか」

小野「干し草作りはかなりリアルだったね。前週は広瀬すずさんの演技力を褒めたけど、ここでは実際に作業をしている広瀬さんの素の表情が見られる貴重なシーンになった」

芋子「こういう作りの丁寧さが朝ドラ58年の歴史の賜物ですよね。似たようなノウハウを何度も撮ってきたのでしょうから」

小野「そして26話はなつの幼馴染、佐々岡信哉が登場」

芋子「1話冒頭のあの再会シーンに繋がるのですね」

小野「ここで引っかかったのは、信哉の『咲太郎はまだ生きている』『今は分からないけど4年前までは生きていた』という2つの発言である」

芋子「矛盾していますね」

小野「なつを安心させる為の発言なのだろうけど、その4年の間に死んでいるかもしれないだろっていう(笑)」


<そしてなつは富士子と東京へ>

芋子「翌27話で物語の舞台は東京に飛びます」

小野「なつと富士子、2人だけをフィーチャーすることで、両者の親子とは似て非なる関係が浮き彫りになったね」

芋子「富士子の母親になりきれない葛藤、なつを傷つける発言からの抱擁と謝罪。これらの微妙で繊細な演技を見事にこなしていました」

小野「演じている松嶋菜々子さんは今でこそ数多の作品に出演するベテラン女優だが、23年前に朝ドラ『ひまわり』で初主演を果たしていた」

芋子「『ひまわり』観ていましたよ。弁護士を目指す話でしたよね」

小野「お前まだ高校生だろ(恒例のツッコミ)」

芋子「かつてのヒロインが母親役となって朝ドラに戻ってきたというのも感慨深いですよね」

小野「『なつぞら』は役者陣が安定しているから、演技面で安心して観ていられるのも良いね」


<兄との再会、そして>

芋子「なつと咲太郎は29話でついに再会を果たし、その咲太郎は30話で誤認逮捕されるという超展開が訪れます」

小野「11~12話を髣髴とさせる駆け足展開になっちゃったのは惜しい。感情移入が付いていけなかった」

芋子「そもそも咲太郎の様子がおかしかったですが、なつも再会した割には微妙な表情を見せることが多かったですね。こうなることを予感していたかのように」

小野「咲太郎に関しては、違和感がありすぎて偽者なのではないかと思ってしまったよ」

芋子「まあ、元からああいう人なのでしょうね。ちょっと子供時代の人物像に関する描写が足りなかったのかもしれません」

小野「結局、せっかく再会できた2人は翌日に再び引き離されてしまった。なつにいたっては実妹の千遥にも会えずじまい」


<東京編の感想>

芋子「2度目の再会が来ることを信じるしかないですね。というわけで東京編も終わったわけですが(第6週にも少しあるらしいけど)、率直な感想はいかがでしたか?」

小野「なつと富士子の抱擁シーン、両者の演技力、これに尽きるね。肝心の咲太郎との再会シーンは微妙な感じだったけど」

芋子「やはり第4週、24話のラストシーンを超える感動はそう簡単には沸き起こらないのでしょうか」

小野「ただこの東京編は、後のアニメーターを目指す展開に向けて重要なポイントになるだろう。12年前の朝ドラ『どんど晴れ』ヒロイン比嘉愛未さん演じる中村屋のマダムを始め、登場人物が覚えきれないくらい多く登場したのも、今後の再登場を示唆しているのだろうし」

芋子「まだ進捗は6分の1ですからね。今後が楽しみで仕方ありません」

 

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2019-05-06 09:25:04 | 小野と芋子

NHK連続テレビ小説 なつぞら 上

 

※壮大なネタバレあります。

 

 

芋子「視聴率20%超えを連発する大好評のNHK朝ドラ『なつぞら』前回の記事(第2週(12話)まで観た段階)では厳しい評価をさせていただきましたが……」

 

小野「広瀬すずさんが本格的に登場してからの2週間で確変したね」

 

芋子「正直、11~12話の山田家問題が急に発覚してからの即解決は駆け足過ぎてカタルシスを得られなかったのに、ネット上では多くの視聴者が感動されているので、私にはこのドラマは向いていないと思っていました」

 

小野「12話と13話の間で9年が経過し、ヒロイン奥原なつが高校生に。役者も子役から広瀬さんにバトンタッチ。それ以降はマジで毎回面白い

 

芋子「放送上は既に第5週まで終わっていますが、今後この第3・4週を超える感動があるのかというくらい良かったですね」

 

小野「早速この2週間を振り返ってみるか」

 

 

<牛の破水からの出産で一気に引き込んだ13話>

 

芋子「広瀬さん本格参戦の初回が早くも神回となりました」

 

小野「生まれた仔牛が息をせず、なつの人工呼吸によって羊水を取り除いたシーン」

 

芋子「私は助からないと思っていましたが、まさかの仔牛が目を覚まします」

 

小野「その感動を引き立てたのは間違いなく広瀬さんの迫真の演技力だった。それまで一定の距離を置いて視聴していたのに、そのシーンで完全に物語の世界に没入しちゃったよ」

 

芋子「羊水を口に含んで吐き出す演技なんて良く引き受けましたよね。若い女性が身体を張ったという意味も込めて、あの演技は100点です」

 

小野「もちろん周囲のベテラン俳優陣の演技も完璧だったからこそだからね」

 

 

<農協と泰樹の確執>

 

芋子「その後の14・15話で農協と泰樹じっちゃんの確執が明らかになります」

 

小野「ポイントは泰樹は悪役ではなく、なつの尊敬するじっちゃんであるということだね。そして泰樹もなつのことを大事に思っている」

 

芋子「その相思相愛は11~12話でちゃんと描いているので、視聴者も泰樹を悪役だとは思わず、農協と泰樹の両方に感情移入出来るようになっていますから、話が俄然面白くなりますし、構成が上手いですよね」

 

小野「農協に務める剛男も、なつにとっては父親同然。2つの意見で板挟みにされるなつの苦悩を、視聴者もそのまま感じられるようになっているのも実に面白い」

 

 

<女優編で更に面白さを増す>

 

芋子「農協問題になつ自身の答えを出そうと、彼女は演劇部に入ります」

 

小野「ここからが第4週だね。どんどんアニメ業界から離れていくかと思いきや、実はアニメーターも女優も表現力という点において酷似している」

 

芋子「戦争孤児だった自分を拾ってくれた柴田家への恩返しの為だけに9年間生きてきたなつが、ついに100%自分の意志でやりたいことを始めるというのも感慨深いですね」

 

小野「その演劇も当初は農協に反対する泰樹の心を動かす為にやっていたのに、途中から自分の為になっていたからね」

 

芋子「後にアニメーターというなつの本当になりたい職業が見つかる展開になるのでしょうが、こうやって自分の意志で動くことが、夢への第一歩となったわけです」

 

小野「そしてここでも広瀬さんの演技力だよね。演技が少しずつ上手くなっていく過程を完璧に演じるには彼女ほどのキャリアが必要。広瀬さん無くしてこのドラマは成立しなかった

 

 

<なつと天陽の関係>

 

芋子「最後に天陽君についてです」

 

小野「うーん。いずれはなつとの恋仲に発展するんだろうけどさ」

 

芋子「朝ドラらしい王道展開ですし、素敵なことじゃないですか」

 

小野「確かに本来なら恋愛は朝ドラの核の一つでもあるよ。150話という長尺で、結婚したその先、場合によっては子供が生まれた先までもを描く“人生ドラマ”“家族ドラマ”の側面も持つからね。ただ『なつぞら』の場合、恋愛面だけは微妙かな」

 

芋子「感情移入できないのですか?」

 

小野「いやさあ。彼は正直、急に登場して急になつと出会ったからね。問題の11~12話も、山田家(天陽)と柴田家(なつ)に接点を作る為の舞台装置になっていたし」

 

(※これは個人の見解です! 感動した皆様ごめんなさい!)

 

芋子「しかし、天陽君がきっかけでなつも絵を描くようになりました。彼の絵が演劇の舞台美術に採用されたり、なつが演劇の登場人物を絵に描いてイメージしてみたりと、やはりアニメ業界に少しずつ近付いてきています

 

小野「第5週以降に期待しよう」

 

 

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