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78回転のレコード盤◎ ~社会人13年目のラストチャンス~

昨日の私よりも今日の私がちょっとだけ優しい人間であればいいな

◎大胆予言!『天気の子』はYahoo!映画の評点で『青ブタ』を超えられないだろう

2019-07-18 03:35:09 | ほぼ週刊サンマイ新聞

新海誠監督作品 天気の子 公式ビジュアルガイド

 

 4.39という数字からこの記事は始まる。TVアニメ『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』の劇場版『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』は、公開から早1ヶ月が経過したが、2019年7月18日現在のYahoo!映画におけるユーザーレビュー欄の評点が4.39なのだ。5点満点でこの数字はかなり高いと言える。ちなみに同日時点で『トイ・ストーリー4』は2.95、『ミュウツーの逆襲EVOLUTION』は3.83、既に興行収入が90億円を突破している『名探偵コナン 紺青の拳』でさえも3.63に踏みとどまっている。

 

劇場版 青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない 劇場パンフレット

 

 劇場版『青ブタ』は知名度こそ高くない作品だが、僅か31館での公開ながら興収は2.5億円を突破し話題となっている。個人的には2019年公開のアニメ映画で最も泣ける作品に認定したいくらいである。何なら明日19日に封切られる新海誠監督の最新作『天気の子』よりも感動できるのでは、と言いたいのだ。

 

 新海作品といえば『君の名は。』が興収250億という邦画歴代2位の数字を記録したことで有名だが、確かにこれも感動した。だから『天気の子』もやってくれるのではないかとの期待を抱く国民は多いはずである。しかし繰り返すが、当方は『天気の子』よりも『青ブタ』のほうが感動できると予言する。

 

 一口に感動と言っても多様なパターンがあるが、劇場版『青ブタ』と『君の名は。』は“積み重ねの感動”という点で共通している。『青ブタ』はTVシリーズ全13話の続編として劇場版が公開されたので、TVシリーズからの積み重ねで感動やカタルシスが生まれるようになっている。TVシリーズを視聴したという限られた人にしか向けられていないのが本当に勿体ない。一方『君の名は。』は作品単体での感動もあるのだが、過去の新海作品を全て観てきた人にとっては“積み重ねの感動”にもなっているのだ。何故ならそれまでの新海作品に明確なハッピーエンドは存在しなかったからである。『君の名は。』の終盤で『秒速5センチメートル』を思い出した人は少なくなかっただろう。「そうか、秒速のようなバッドエンドをまた繰り返すのだな」と。しかし結果的に2人は再会を果たし、本当に度肝を抜かれた。「あの新海がついにハッピーエンドを作ってくれた」という“積み重ねの感動”だったのである。

 

 それはつまり、新海の物語は『君の名は。』で一区切りが付いたことも意味する。『天気の子』はどう足掻いても作品単体で観るしか無くなる。それが感動したとしても作品単体の感動でしかなく、新海作品で積み重ねの感動というカタルシスは二度と得ることが出来ない。ちなみに『君の名は。』のYahoo!映画の評点は4.12である。果たして『天気の子』は『青ブタ』の4.39を上回ることが出来るのか。あえて当方は不可能だと予言する。それでも内容は気になるので、観に行くしかないだろう。

(#36:1192字)

 

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◎『なつぞら』第11~13週(78話まで)感想……天陽もあっさり結婚し、なつの結婚相手の選択肢がどんどん狭まっていくが、まさか坂場なのか!?

2019-07-05 10:27:24 | 思ったことそのまま

モモッチ役・伊原六花2nd写真集『sáu hoa』

三村茜役・渡辺麻友2nd写真集『知らないうちに』

 

 

朝ドラ『なつぞら』の感想記事を書かないまま3週分も溜まってしまったので、

小野さんと芋子さんにはお休みいただいて、当方が簡潔に感想を語ります。

本編はどんどん面白くなっていき、溜めずにほぼ毎日観ていますよマジで。

 

<第11週『なつよ、アニメーターは君だ』61~66話>

  • 東洋動画で働くなつ(広瀬すず)たちは、数万枚におよぶ動画を描き上げ「白蛇姫」を完成させた。なつが風車に帰ってくると、新婚旅行で東京を訪れていた照男(清原翔)と砂良(北乃きい)の姿が。思い出話に盛り上がっていると、咲太郎(岡田将生)も帰宅。なつの2人の兄が、初めて顔を合わせた夜だった。日が変わり、咲太郎(岡田将生)の劇団の公演が幕を開け、なつは雪次郎(山田裕貴)とともに観劇に訪れる。興奮の中舞台は終わり、2人は咲太郎の案内で、舞台の主演女優・亀山蘭子(鈴木杏樹)と面会した。その日以来、なつはアニメーターになるための練習に一層励み、一方で蘭子の演技に魅了された雪次郎は、舞台に通いつめるようになる・・・。

 

前回の記事で触れなかったが、第10週で照男と砂良がついに結婚。絶世の美女・北乃きいが普通に柴田家に居るという違和感。

山寺宏一と鈴木杏樹がアフレコするというのは現代なら実に豪華である。鈴木さんも声優かと思えるほど演技が上手い。というか映画1本に役者2人しか使わない(兼役が多い)というのも時代を感じさせる。

なつは3度目の正直で動画の試験に採用となり、無事アニメーターになりますた。第10週のパイニャンの一件で熱意を見せたのが契機になったね。

上記のあらすじには一切書かれていないが、なつが妹・千遥を再び偲ぶようになる。兄・咲太郎は千遥の現況を知っていて、それが残酷(行方不明や死亡など)だからなつに隠しているものと思っていたが、咲太郎も本当に知らないと判明し驚いた。そして新聞記者の幼馴染・信哉の捜索により、千遥が住んでいたという家の場所が明らかになる。なつと咲太郎は終戦記念日にその家に向かう(ここまでが第11週)。

うーん、5分でまとめられた動画だと細かい部分まで思い出せず、感想があまり書けない(というかあらすじ説明しているだけ)。

にしても第11週だけで半年近くも経過。最近、時間の経過が早い気がする。

 

 

<第12週『なつよ、千遥のためにつくれ』67~72話>

  • なつ(広瀬すず)と咲太郎(岡田将生)は、生き別れになっている妹・千遥がいるはずの住所を訪ねる。部屋から出てきた若い女性の姿に息をのむ2人は、やっとの思いで声をかける。しかし、それは人違いだった。千遥の消息不明にショックを受けたなつは、咲太郎や亜矢美(山口智子)のなぐさめに対しても心を閉ざしてしまう。翌日、東洋動画に出社すると、仲(井浦新)や井戸原(小手伸也)、下山(川島明)ら、アニメーターたちが集まり、キャラクター検討会が行われている。そこでなつは、唯一仕上げたキャラクターを提出するが、そのキャラクターを巡ってなつと麻子(貫地谷しほり)の意見がぶつかる。一歩も引かない2人に対し、仲たちは、ある提案を行う・・・。

 

千遥は10年以上も前に家出していた。なつのショックは計り知れない。咲太郎の『千遥のために描け』という台詞に無理矢理感が。

新作アニメ『わんぱく牛若丸』のキャラクター検討会では、なつが先輩の麻子に堂々と意見をぶつける場面も。この現実世界ではなかなか起きない下克上感が観ていて爽快になる。なつよ、ガンガレ(小並感)。

なつは20歳になり、飲酒の描写もチラホラ。酔った(演技の)すずも良き。

69話(6/19放送)は必見。まさかの麒麟・川島が2番目にクレジットされた(はずの)回。彼演じる下山の台詞がとてもカッコイイです。もうなつと結婚しちゃえよ。だって天陽君は……(※第13週で衝撃の展開に)。

『牛若丸』の制作があっという間に佳境になり、カチンコ君こと演出助手・坂場一久の登場がなつに衝撃を与える。71話(6/21放送)も必見です。というかここんとこ毎話面白くて必見です。

一方で雪次郎が川村屋を辞めて役者になりたいと言い出す。そして第13週は雪次郎メイン週となる。

 

<第13週『なつよ、“雪月”が大ピンチ』73~78話>

  • 光子(比嘉愛未)から、雪次郎(山田裕貴)が川村屋を辞めると聞いたなつ(広瀬すず)。芝居の道に進む決意を固めた雪次郎を必死に説得するが、咲太郎(岡田将生)からは、本人の意思を尊重すべきだと諭されてしまう。数日後、なつたちが住む風車に、小畑雪之助(安田顕)、とよ(高畑淳子)、妙子(仙道敦子)がやってきた。雪次郎が芝居の道を目指した背景に、咲太郎の影響があるはずと考える雪之助は、にらむように咲太郎を見つめる。その後、雪之助たちは雪次郎がいるアパートに押しかけた。雪次郎は家族に自分の夢を切々と語るが、抵抗むなしく、雪之助に川村屋へと強制的に連れ戻されてしまう。

 

またまた咲太郎がやってくれました。

一人っ子なのに家系を継がないという当時では有り得ないアンチテーゼをどう視聴者を納得させる展開にするか、制作陣は相当悩んだと思いますが、上手く落としてくれたとは思います。

階段から落ちそうになるなつを坂場が助ける意味深なシーン、5分版でもしっかり入れていましたね。これは結婚フラグ? いやまさかね……

と思っていた矢先、帯広の幼馴染・天陽が結婚するという突然の知らせ。なつが悲しみの表情を浮かべるシーンこそあるが、天陽の兄・陽平の口から語られるだけで、結婚までの経緯が一切描かれていないし、ちょっと尺が足り無すぎませんかねえ。結局そのまま1年経ってなつもあっさり元気を取り戻しているし(その元気になるまでの過程も欲しかった)。

そして信哉も帯広へ転勤。これで東京に残ったイケメンは陽平と坂場くらいになる。坂場……いやまさかねえ。

モモッチのダンスはお見事です。演じる伊原さんは広瀬さんをべた褒めしてくれるので好きです。

 

 

<総評>

ようやく放送が1クール経過し、折り返し地点に。

やはり時間の経過が早く感じる。これはなつがアニメーターとして有名になった後にも何かありそうだ。

唯一のモヤモヤである天陽の突然の結婚は、第14週以降で補足が欲しいところ。

最近知ったのだが、なつ以外の出演者にも実在のモデルが存在する(らしい)ということ。

まゆゆ演じる茜はまだ脇役程度の出演しか無いが、モデルがあの有名な人では? と言われているだけに、今後メイン回は確実にあるだろう。

坂場のモデルもあの大物ではないかと囁かれており、もしそれが事実なら今後が楽しみで仕方ない。

いや本当に面白いっす。途中からでも観なきゃ損ですよ。

過去の放送は『5分でなつぞら』がYouTubeにもUPされているので、そちらを参考にすれば途中からでも話についていけるかと思います。まだご覧になられていない方も是非。

 

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◎『なつぞら』第9・10週(60話まで)感想……パイニャン動画のくだりの脚本が秀逸! 良い話だった

2019-06-08 19:19:27 | 小野と芋子

麻子役・貫地谷しほり主演朝ドラ『ちりとてちん』

 

芋子「NHKの朝ドラ『なつぞら』ですが、視聴率が微妙に下がってきていると報じられています」

小野「下がっていると言っても、直近の第10週、55~58話でも19.4→21.2→20.7→20.0%と、決して悪く無いどころか良すぎるくらいなんだけどね」

(https://news-topics24.com/natsuzora_tvrating/#i)

芋子「ただ皮肉にも、最後の山は第7週、39話の23.2%。なつが東京に行きたいと家族に打ち明け、泰樹が激怒したあたりです」

小野「その翌週から東京編が本格的にスタートし、僅かながらも下降線を辿っているというわけか」

 

<東洋動画の採用試験不合格>

芋子「個人的には十勝編より最近の展開のほうが面白いですけどね。ここ2週間の話について感想を語っていきましょう」

小野「第9週はアニメーターを目指すなつがついに東洋動画の臨時採用試験を受験。しかし、まさかの兄・咲太郎が原因で不合格に」

芋子「咲太郎の所属する『赤い星座』がプロレタリア演劇の流れを汲んだ『新劇』を行っていることや、彼の風貌が愚連隊(=暴力団)や太陽族(=不良集団)といった悪いイメージに繋がり、大杉社長の判断で不合格にしたわけです」

小野「当時、ヨーロッパ流の近代的な演劇を目指していたのが『新劇』だよね。資本主義社会へのアンチテーゼとして、演劇を通して貧困層の階級闘争、つまり“革命”を推進していたのが『プロレタリア演劇』だ。しかし、反社会的勢力故に、国家からの弾圧も厳しくなり、投獄された人もいるとかいないとか」

芋子「あの大杉社長のさらっと言った台詞にそんな闇深い意味が隠されていたのですね」

小野「赤い星座が反社会組織かどうかは置いておいても、少なくとも咲太郎は暴力団でも不良でもないことは事実だ。そこを社長に誤解されたのは大きかったね」

芋子「衝撃の不合格理由を知ったなつは、それでも最初は怒りを抑えていたのは偉いです」

小野「なのに、咲太郎が最悪のタイミングで警察に捕まるから、とうとうなつの堪忍袋の緒が切れる(笑)」

 

<なつが視聴者を代表して(笑)咲太郎に激怒>

芋子「私たちを含む一部の視聴者がヘイトを溜めていた“空気の読めない咲太郎”に対し、なつがついに言ってくれました(笑)」

小野「『私の為に働いているなら辞めてよ』『ムーランルージュを復活させたいのも亜矢美さんの為でしょ』『しかも結果的に人に迷惑をかけているだけ』と正論の連続、挙句に『人の為に頑張らなくて良い、もっと自分の為に頑張ってよ』と吐き捨てる。観ていてすげえ気持ち良かった(笑)

芋子「なつがそれを言うと重みがありますよね。幼少期からずっと柴田家への恩返しの為だけに生きてきたのに、高校の演劇を通して自分の為に頑張ることの喜びを知りました。そんな彼女だからこそ言える台詞です」

小野「その後、マダムと亜矢美によって咲太郎へのフォローが入ったね。ウッチャンも『許してやってくれ』と言っていたし、僕も今回は咲太郎を黙認することにする」

 

<東洋動画で新旧朝ドラヒロイン対決>

芋子「3か月後、なつは仕上げの臨時採用試験を受け、今度は無事合格。晴れて東洋動画に入社します」

小野「川村屋を退職し寮を出ていかねばならなくなり、住居をどうするのかと思いきや、あっさり亜矢美さんのところに決定(笑)

芋子「ネットニュースでも指摘がありましたけど、衣食住に関しては、なつはそんなに大きな苦労をしていないから感情移入しづらいのですよね」

小野「まあ尺の都合もあるだろうけどね」

芋子「しかし、第10週でついになつは職場の人間関係に悩まされます

小野「ついに貫地谷しほりさんの登場だ。彼女演じる麻子は、なつの派手すぎる衣装を指摘、『結婚相手を探しに来ているのか』と憤慨した」

芋子「確かに衣装は派手かもしれませんが、なつは仕上げの仕事に対しては一生懸命取り組んでいます」

小野「広瀬すずさんをいじめるのは許さない、パワハラだとNHKにクレームの電話を入れようとしたが、なつ自身が対抗心を燃やして戦ってくれたので、見守ることにした」

 

<パイニャン問題の解決方法が秀逸>

芋子「本当に電話しそうで怖いから落ち着いて下さい。その後なつは、動画マンの堀内が上手く描けず悩んでいる中割りを描くことで、麻子をギャフンと言わせます」

小野「『パイニャン問題』と名付けよう。ここの脚本が秀逸なんだよね。問題の動画は『戦いに敗れたパイニャンが白蛇に戻ることを知って、シュウセンを想って泣くシーン』。原画のパイニャンの感情を読み取って中割りを描いてほしいという麻子の指示に、堀内が応えられない、しかも逆ギレまでする始末」

芋子「そして、なつが絵の勉強の為に描いてみた中割りは『泣く直前に一瞬何かを振り向いてまだ戦う目、強くて恨みがましい目をしながら泣き伏せる』というものでした。ラフ画だったとはいえ、麻子が高く評価します」

小野「面白いのは、当初麻子はこの中割りを堀内が描いたものだと勘違いして、堀内の評価が上がりかけていたところだったのに、堀内自身がキッパリ否定したところ。しかも道徳心からではなく『僕はこんな稚拙な絵は描かない、こんな絵を描いたと思われたら心外』と本心から反論した」

芋子「仲はなつの勝手な行動に対し『彼女はアニメーター志望だ』と補足し、井戸原は堀内に『純粋で正直な絵だ。技術はあるから発想の仕方でいくらでも変わることができる』とフォローを入れたのもイケメンでした」

小野「麻子もすぐデレたし(笑)、実は良い人しか居ないホワイト企業だった。この感動は第4週に匹敵するかもしれない。久々に良い話だったよ」

 

<天陽が久々の登場>

芋子「最後に天陽君ですが、母親にキッパリ『なつのことは諦めろ』と言われてしまいます」

小野「これもまたハッキリ言いきったね。十勝の酪農を継ぐ宿命にある彼が東京で頑張るなつと結ばれることは不可能」

芋子「この問題があるので、なつが誰と結ばれるのか、ネット上でも議論が白熱しています」

小野「もう雪次郎で良いんじゃないかな(笑)」

 

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◎『アメトーーク! バラエティ観るの大好き芸人』感想……“非予定調和”“ライブ感”“下ネタ無し”で面白い番組になるはず

2019-06-01 02:01:04 | 思ったことそのまま

※今回は1200字に収めることは出来なかったので、『思ったことそのまま』カテゴリーにて執筆させていただきます。





 5月30日放送の『アメトーーク!』は異色の企画だった。出川哲朗や品川祐を始めとする8人のお笑い芸人を迎えて良く観るバラエティー番組の面白かった回について熱く語るというもの。しかもテレビ朝日のみならず他局の番組まで含めて語っていた。

 コーナーは2本立てで、前半が「良く観る番組発表(複数回答)と、その中から一番組を取り上げ面白かった回について語る」、後半が「俺の永久保存版」である。


 前半は8人の芸人のセンスが表れていた。個人的に「良いところを突いた」と思った人と、「一つしか語れないのにそこかよ」と突っ込みたくなる人に分かれていたので、まずは8人がどの番組をフィーチャーしたのかまとめてみる。



<1:出川哲朗『水曜日のダウンタウン』>

 出川は「おぼんこぼん解散ドッキリ」と「クロちゃんドッキリ」を高く評価。クロちゃんの流れで品川が「モンスターハウス」も取り上げていた。
 個人的にはこのパートが一番良かった。『水曜日』は現存するバラエティーの中でも数少ない“非予定調和”が面白さのカラクリになっている番組であり、あの出川が的確に解説できたのも番組に対する愛というか、本当に面白いと思っているからこそだろう。



<2:品川祐『ゴッドタン』>

 実は『ゴッドタン』を語る前に「深夜に移動してからお笑いではなく魂を研磨する番組になった」と『ロンドンハーツを高く評価していた。おそらく4月16日に放送された「狩野英孝とフルポン村上の仲裁企画」のことを言っているのだと思うが、確かにこの回は当方も、2人がリアルにぶつかり合う様子を見て「このライブ感は久々に観た」と思った。“ライブ感”という表現で伝わっているのか不安だが、昨今のバラエティー番組でそれを感じることはほぼ無くなったし、“ライブ感”も“非予定調和”と同様に番組を面白くする要素だと思っている。

 しかし、品川がフィーチャーしたのはロンハーではなく『ゴッドタン』の「西野をもう一度嫌いになろう」だった。お互いの尻の匂いを嗅ぎ合うという、要は下ネタだったのだ。あれだけオープニングで評論家気取りをしておいて下ネタに逃げてしまったのは誠に遺憾である。



<3:銀シャリ橋本『探偵!ナイトスクープ』>

「オナラでシャボン玉を出す」と「北海道を旅するオジサン」を取り上げた。後者は良かったが、前者はまたしても下ネタ。少なくとも当方は下ネタで笑いを獲ることは卑怯というか最終手段だと思っている。



<4:ロッチ中岡『全力!脱力タイムズ』>

 まさに“非予定調和”の真骨頂とも言える番組。なんやかんや4年以上も続いているのは昨今のフジテレビ23時枠では奇跡に近い。中岡は、ピース綾部に通訳の人を付けた回と、ロンブー淳がにゃんこスターのネタをやらされている途中に元カノのmisonoが乱入するシーンを高く評価していた。この選び方はセンスがあると思う。
 また、中岡から「この番組に出演する芸人は本当に事前情報無しで収録に臨んでいる」という証言を得られただけでも大きな収穫である。ヤラセ無しのライブ感を味わえる数少ない番組。



<5:ハナコ菊田『アメトーーク!』>

 この選択は禁断技だが、おそらく番組自身について熱く語った回(いわゆる「アメトーーク!大好き芸人」という形での放送)は無かったので、逆に新鮮に感じた。しかし、肝心のハナコのお気に入りは「相方大好き芸人」の「タカトシのロケ」という、少し的を外している感があった。むしろ出川の選んだ「(仮)バラシ芸人」のほうがセンスがあった。



<6:パンサー向井『くりぃむナンチャラ』>

 伝説の『くりぃむナントカ』の血を受け継いだ番組。「ラジオのノリに近い」という意外な評価をするも、向井が笑ったというシーンは「鈴木亮平選手権でのパンティ仮面相撲でポロリ」という、またしても下ネタだった。そこは残念。もっと他にあったはず。



<7:ずん飯尾『東野・岡村の旅猿』>

 うーん……申し訳ないが、あえてノーコメント。



<8:アンガールズ田中『相席食堂』>

 大ブレイク中の千鳥の番組。長州力の回を神回とし、そのロケ映像の一部も流れたが、当方には良さがイマイチ伝わらなかった。


===


 そして後半はいよいよ「俺の永久保存版」である。出川は『とんねるずのみなさんのおかげでした』『めちゃ×2イケてるッ!』のいずれも最終回、品川は『笑っていいとも!グランドフィナーレ』、飯尾は『内村プロデュース』の出川をモニタリングした回と『リンカーン』の説教先生(有吉編)、橋本も『めちゃイケ』だが初期(1997年)の「オファーシリーズ」における岡村がSMAPライブに乱入した回、中岡は『にけつッ!!』の中岡vsアンガ田中をそれぞれ取り上げた。


 ほとんど有名な伝説回で、特に『みなおか』『めちゃイケ』『いいとも』の最終回については多くの識者が既に語り尽くしているほどの伝説だが、3番組ともここ5年以内のフジテレビの番組であるというのは驚きである。近年は落ち目と言われているフジだが、長寿番組の最終回では必ず伝説を残す傾向にあるので、いずれ訪れるであろう『ネプリーグ』『VS嵐』『アンビリバボー』最終回に期待したい。特に『VS嵐』は2020年までの終焉が現実のものとなっているので、今から最終回の内容を考えて欲しいくらいである。



 というわけで『アメトーーク!』の企画としては久々に面白かった。個人的には『マツコ有吉かりそめ天国』『陸海空 こんなところでヤバいバル』『超人女子戦士ガリベンガーV』『松之丞カレンの反省だ!』など、他にもフィーチャーして欲しい番組はいくつかあったものの、あまりディープすぎる番組を取り上げるのも冒険になってしまうので、23時枠の地上波で語るのであれば、このくらいがベストなのかもしれない。

 

 

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◎『なつぞら』第7・8週(48話まで)感想……山口智子のダンスが見所! 空気の読めない咲太郎は諦めるしかないのか

2019-05-28 07:36:47 | 小野と芋子

岸川亜矢美役・山口智子の過去の名作『ロングバケーション』

 

芋子「NGT48が大変なことになっています」

小野「山口真帆の卒業は序章に過ぎなかった。荻野由佳への脅迫状加藤美南のインスタ誤爆、そして極めつけは早川支配人のTwitter開設からの秒で炎上である」




芋子「これで東大卒の才女というから驚きです」

小野「良く考えず失言したり、裏アカと本アカを間違えたり、操作ミスで全体に公開してしまうような人はSNSに向いていないよ。炎上が怖いならそもそもやらなければ良いだけだと思う。ジャニーズだって誰もやっていないだろう」

芋子「強いて言うなら、良く考えて長文を書けるブログだけにすれば良いと思います」

小野「その点、声優は炎上がほぼ無いから安心して応援できるね。みんな頭良いのかな」

芋子「ハイハイ声優ネタはまた今度話しましょうね。今回は朝ドラ『なつぞら』第7・8週の感想についてです」

小野「油断していたらもう2週間分溜まっちゃったか」



<第7週はさらっと>

芋子「第7週はなつが東京に行きたいと家族に打ち明け、それが泰樹との和解を経て認められます」

小野「ここも感動するシーンはいくつかあるのだけど、細かくは触れない。個人的にはなつを東京に行かせる為の強制ムービーというかクッション回だと思っている」

芋子「大事なのはアニメーターを本格的に目指す第8週以降ですからね」

小野「泰樹はアニメーション(漫画映画)のことをさっぱり知らなかったけど、それでもなつの夢を応援すると決めたのは、信頼しているからこそだよね。そこは本当に良かった」

芋子「あとは天陽君ですね。なつが東京へ行く=別離になることが確定してからは切ない表情を良く見せていました」

小野「まあ第7週はそれくらいにして、いよいよ第8週を振り返ろう」



<天陽の告白>

芋子「第8週は帯広での送別会から始まります(43話)」

小野「ついに天陽が皆の前で『俺はなっちゃんが好きだ』と公開告白したね」

芋子「ドキッとしましたよ。第7週42話のラストシーンですら匂わせつつも言わなかったのに」

小野「ただ東京でも何人もの若い男と出会うことになる。しかも何故かイケメンばかり

芋子「なつのハートは誰に向かうのか、それにも注目ですね」

小野「それにしても最近の朝ドラは狙ったようにイケメンばかり出すよね」



<そしてなつは雪次郎、雪之助と上京>

芋子「44話でなつは上京。公式サイトの人物相関図もリニューアルし、ここからは第二章とでも言うべきでしょうか」

小野「お菓子職人を目指していた雪次郎も8週目にしてついにフィーチャーされ、川村屋での本格的な修行が始まり、それをなつが皿洗いをしながら見守るという構図になったね」

芋子「その川村屋ですけど、小野先輩、第5週感想の記事で思いっきり『中村屋』と間違えていましたね」

小野「お前も突っ込まなかったじゃないか(笑)」

芋子「中村屋は川村屋のモデルとなった実在する有名なカレー店です。関東に住んでいる人ほど間違えやすいかもしれません」

小野「この場を借りてお詫びいたします。リンクも貼っておくので興味があれば是非中村屋へどうぞ

洋食レストラン 新宿中村屋 池袋東武本店
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<山口智子のダンスは必見>

芋子「第8週で株を上げたのはおでん屋の女将、岸川亜矢美を演じる山口智子さんでしょう」

小野「おでん屋なのに、至る所でダンスのステップを踏むんだよね。特に45話、外の掃き掃除をしている時のダンスは必見(笑)」

芋子「今や本編よりもそっちが楽しみになっています(笑)」

小野「そして彼女は、なつの兄・咲太郎を息子のように長年育ててきたことも明らかに」



<空気の読めない咲太郎>

芋子「その咲太郎も、なつとの二度目の再会を果たします」

小野「いや申し訳ないけど、やっぱ俺、咲太郎ダメだわ。空気の読めない行動が多すぎて感情移入できない」

芋子「第8週だけでも、なつを住居含めて世話してくれる川村屋から引き離そうとしたり、東洋映画社長に『なつを採用させてくれ』というニュアンスの発言をして懇願するなど、妹にとって巨大なお世話とも言うべき言動ばかりしています」

小野「ヒロインの生き別れた兄なんて、ドラマとしてもかなりキーパーソンになるはずなのに、そこに感情移入できないのは致命傷だよ。今のところ、咲太郎が居なくても物語は成立しているし」



<それでも第9週に期待>

芋子「第9週の予告を観る限り、咲太郎は更に余計なことをしでかすみたいです」

小野「もう諦めるよ。あくまでも本筋はなつがアニメーターを目指すこと。広瀬すずさんだけを見守ろうじゃないか」

芋子「私は川村屋のマダムを演じる比嘉愛未さんのほうが好みですかね」

小野「まもなく貫地谷しほりさんも登場するから楽しみだ」

芋子「まゆゆも忘れないで下さい。彼女もそろそろ現れることでしょう」

小野「女性陣も負けていないではないか。安易にイケメンで釣ろうとばかりしないで欲しいね」

 

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2019-05-24 09:04:50 | 男の24時間クッキング

<キャベツたっぷりUFO>

カットキャベツを炒めてUFOにかけるだけ。

シンプルでもキャベツが加わるだけで病み付きになる一品。

ペヤング、一平ちゃんでも試したが、UFOが一番キャベツに合う。

 

 

<コロッケごまドレうどん>

茹でたうどんに惣菜コーナーのコロッケを載せ、ごまドレッシング(またはごまだれ)をかけるだけ。

めんつゆなどのスープは一切入れない。どういう経緯で思いついたかは覚えていないが、とにかくごまドレはうどんに合うし、コロッケが加われば更に美味しくなる。

 

<ポニョラーメン>

『崖の上のポニョ』に登場するラーメンを再現しただけだが、卵を茹でたりハムを焼いたりと地味に時間がかかる。ラーメンを茹でるタイミングに注意しよう。


◎『陸海空』深夜移動で面白くなった! ナスD無しで“非予定調和”を生み出す美女10人

2019-05-16 04:21:33 | ほぼ週刊サンマイ新聞

 

 バラエティー番組を面白くするキーワードの一つに“非予定調和”がある。番組冒頭の企画趣旨説明の時点で多くの視聴者が想定する展開を、良い意味で裏切った場合にこれが当てはまる。TBS『水曜日のダウンタウン』のほとんどの検証VTRがこれにあたるし、トーク番組だと日本テレビ『しゃべくり007』もこの手法を用いている。

 そして当方は、新たな“非予定調和”の番組を見つけた。テレビ朝日で月曜23時20分より放送中の『陸海空 こんなところでヤバいバル』である。その前身番組『陸海空 地球征服するなんて』で、U字工事がアマゾン奥地に生息する部族を取材する企画のはずが、同行ディレクター友寄隆英(ナスD)の破天荒な言動が思わぬ“非予定調和”を生み出し、いつの間にかナスDメインの企画になってしまった経緯がある。

 そして現在の『ヤバいバル』で放送中の企画が「美女10人10日間サバイバル生活」である。年末特番の『無人島0円生活』に酷似しているが、「10人が10日間のサバイバル生活を経て合計10kg太れば100万円獲得」というルールが加わる。男性でも過酷なサバイバル生活を現役アイドルや女優が10人も挑戦するというだけで異例の企画だが、賞金を付けることで彼女達に共通の目標が与えられ、それに向けて団結するという構図が生まれるわけだ。

 しかし実際はそうはならなかった。回を重ねる毎に10人の人間関係は少しずつ崩壊していく。表面上は団結しているように見えるが、内面では“ガチ勢”と“やる気なし勢”に分断され、後者が前者への陰口を零す場面も度々見受けられる。そもそも僅かな食料と不慣れな自給自足の生活で太れるはずも無く、「太れば100万円」というご褒美はまやかしに過ぎず(強いて言うなら美女10人の参加を実現させる動機でしかない)、極限状態が生み出す女性特有のドロドロした人間関係が非予定調和となったのである。


 また、5月13日の最新回でクレームを回避するフォローを2つ入れた工夫にも評価したい。1つ目は唯一の無人島生活経験者である落合真彩に、ナスDが事前に「ロケ日までに火の起こし方を再確認しておいて」「食べられる野草やキノコなどの情報を積極的にメンバーに提供して」などと伝えていた場面を放送したこと。過酷なサバイバル生活をナスDの力を借りず、美女10人だけで順調に進める為の準備を入念に行っていたのだ。



 2つ目は川で魚を獲る方法をナスD自身が(美女達の居ないところで)実演して見せたことである。美女達は魚獲りに何度も苦戦していたが、無理ゲーではなく簡単に獲る方法は確かに存在することを証明し、よゐこ濱口の1ヶ月1万円生活のロケハンで得た技術であると説明することで視聴者を納得させる。これが専門家の解説ではなく番組ディレクターなのだから驚かされる。


 ナスDが居なくとも破天荒な美女10人による非予定調和の連続。次回以降も目が離せない。

 

(#35:1197字)


◎『なつぞら』第6週(36話まで)感想……31話と33話は必見だが、ネタバレ特番のせいで大事なシーンも茶番に見えてしまう

2019-05-13 11:07:56 | 小野と芋子

「広瀬すずinなつぞら」PHOTO BOOK―連続テレビ小説「なつぞら」 (TVガイドMOOK 12号)

 

芋子「やってしまいましたねえ」

小野「ああ、やってしまったな」

芋子「私はただ、第5週までの名場面を振り返りたかっただけなのです」

小野「僕はただアニメ制作の現場を見たかっただけなのに」

2人「まさか番組の最後に壮大なネタバレがあったとは」


<特別番組で起きた悲劇>

芋子「読者の方は何のこっちゃだと思いますので、説明いたします」

小野「4月の下旬に朝ドラの特別番組『まだ間に合うなつぞら』が放送された。30分番組で、内容は主に朝ドラ『なつぞら』第5週までの名場面集と、OPアニメの制作現場を取材した映像の2本立てだった。その模様はNHKオンデマンドで今なら無料で視聴できるので、先日拝見したわけだが……」

芋子「名場面集は、私たちが再三感動したと言っている24話のラストシーンも含めて見ごたえのある映像になっていました。まあそれまでの積み重ねがあって初めて感動を得られるものですから、そこだけ観ても……とはなりますが、今そのツッコミは置いておきましょう」

小野「アニメ制作現場の取材映像もリアルで良かったね。大体知っていたことだけど、タブレットでコンテや原画を描いたり、影を追加するテクニックなど、驚かされることもあった」

芋子「それらをも上回る最大の見所は、アニメーターの仕事の基礎を学ぶ広瀬すずさんのドキュメント映像です」

小野「役を演じる為に実際に学んだわけだ。ドラマや映画の撮影においてそれは普遍的なことだけど、その様子にカメラが密着することは珍しいんじゃないかな」

芋子「そんな感じでNHKの取材力に脱帽しながらその特番を観続けていたら、ラスト3分で悲劇が起きました」

小野「『この先の展開を少しだけお見せします』と前置きしてからの壮大なネタバレ集だよ。あれ、ひょっとすると、2~3ヶ月くらい先の放送分まで見せちゃったんじゃないかな」

芋子「少しどころじゃなかったですね。あのネタバレを観てしまったあとだと、第6週の感想をいくら語ろうが無意味に感じます」

小野「まあ、それでも語るんだけどね


<絶対に観るべき31話>

芋子「第6週は東京編の続きから始まります」

小野「31話はすごかったね。まさか東京編のラストにこんな神展開が待っていたとは」

芋子「天陽君の兄・山田陽平がアルバイトで勤務しているアニメーション制作会社になつが潜入し、動画を5枚くらい描く体験をします」

小野「前述の特番を観れば分かるが、その動画は実際に広瀬さんが描いたものだから、リアル感があって良いよね」

芋子「特番では実際に身体を動かして薪を割るイメージをしていましたが、ドラマ本編でもなつ本人による薪割りのイメージ映像がカットインされるなど、現実とリンクさせています」

小野「放送日は5月6日、つまり連休最終日で高視聴率が見込まれるから、NHKもここぞとばかりに本気を出してきたね(事実、31話は21.1%と前回の19.4%よりも1.7ポイント上げてきた)。とにかく31話だけでも観てほしい」


<なつと天陽の映画デート>

芋子「32話で季節は夏から冬に飛びます。そして翌33話はいよいよなつ×天陽の映画デートです」

小野「『ファンタジア』はディズニーの長編アニメーションとしてはまだ3作目となるかなり古い作品。なつの感想で『あんな風に音楽を表現できたり』と言っていたけど、『くるみ割り人形』や『魔法使いの弟子』など8曲のクラシック音楽からイメージした物語をアニメで表現したものらしく、これに影響されクリエイターの血が騒いだ人も少なくないのだとか」

芋子「私達も何とかして観てみたいですね。もうレンタルしていなさそうですけど」

小野「観た感想は改めて語るとしよう」

芋子「そして、映画の本編に感動したなつの余韻覚めやらぬ中、スクリーンには『東洋映画』の新作アニメ制作発表と人員募集のCMが映し出されます」

小野「あのCMはクドかったね。使える予告映像が完成していないから、制作現場の映像と社長の熱弁で誤魔化しただけ(笑)。『白蛇姫、制作開始!』なんて宣伝されても、今の時代なら『ああこれ、6年は公開されないパターンや』と冷めた反応になるだけだろう」

芋子「シャ○トの悪口はそこまでです」

小野「その『白蛇姫』だけど、なつが演劇をした『白蛇伝説』と関係がありそうだよね。後者は倉田先生のオリジナル作品だけど、わざわざ同じワードを出してきたわけだし」


<分かりきった答えをどうやって導き出すか>

芋子「どのみち、なつがアニメ業界への興味を更に深く抱くきっかけとなる重要なデートでしたね。さて物語は、照男と天陽のスキー対決を経て、なつと泰樹の絆にヒビが入ります」

小野「泰樹は『なつに牧場を継いで欲しいから照男と結婚すべき』、照男は『なつと天陽が相思相愛なら山田家に嫁ぐべき』、天陽は『なつは帯広を離れて夢を追いかけるべき』と、それぞれ意見が異なっているね」

芋子「果たしてなつの選んだ答えは3つのうちどれなのでしょうか!? 第7週に続きます」

小野「いや答えはもう分かりきっているんだけどね。ネタバレ特番を観た僕等はもちろん、それ以外の視聴者もほぼ全員分かっている。だから36話の喧嘩シーンも茶番に見えてしまうんだよ」

芋子「答えを導き出す過程が気になります。柴田家、何より泰樹のもとを離れる決断を、なつには簡単に下せないでしょう。夢と家族、そして天陽との間でも揺れ動くなつ。暗雲が立ち込めた矢先、なつは吹雪の中で倒れてしまいます」

小野「これで次週予告が流れるのかと思いきや、最後になつが謎の家で目を覚ますシーンに切り替わってホッとしたよ。週末に視聴者を不安にさせない配慮をしてくれるのはありがたい」

芋子「次週予告ですけど、なつがビンタされていましたね。コンプラが厳しい今の時代でもそういうのやるんですね

小野「広瀬すずさんに暴行したら僕が許さないよ。いつでもクレームの電話入れるからな」

芋子「まあ、弱めのビンタでしたけどね」

 

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2019-05-08 01:41:07 | 小野と芋子

連続テレビ小説 ひまわり 完全版 DVD-BOX 第一集

 

※壮大なネタバレあります。

 

芋子「今朝の電車、激混みでしたね」

小野「世間は10連休が終わり今日から学校や仕事が再開。まあ、そのまま辞めたりバックれた奴も居るんだろうけど

芋子「闇深い五月病あるあるは言わないで下さい! 確かに元から嫌気がさしていた人なら、10連休で休み癖がついてしまったのがトドメになりそうですけど」

小野「たった一ヶ月で結論を出さずにもう少し頑張ってみよう。小野先輩との約束だぞっ☆」

芋子「それはそうと、今回はNHK朝ドラ『なつぞら』第5週の感想についてです」

小野「東京にてなつの実兄・咲太郎(さいたろう)との再会編か。もっと引っ張るかと思いきや、かなり早い段階で会わせちゃったね」


<リアルな表情が見どころの干し草作り>

芋子「東京編の前に25~26話から振り返りましょうか」

小野「干し草作りはかなりリアルだったね。前週は広瀬すずさんの演技力を褒めたけど、ここでは実際に作業をしている広瀬さんの素の表情が見られる貴重なシーンになった」

芋子「こういう作りの丁寧さが朝ドラ58年の歴史の賜物ですよね。似たようなノウハウを何度も撮ってきたのでしょうから」

小野「そして26話はなつの幼馴染、佐々岡信哉が登場」

芋子「1話冒頭のあの再会シーンに繋がるのですね」

小野「ここで引っかかったのは、信哉の『咲太郎はまだ生きている』『今は分からないけど4年前までは生きていた』という2つの発言である」

芋子「矛盾していますね」

小野「なつを安心させる為の発言なのだろうけど、その4年の間に死んでいるかもしれないだろっていう(笑)」


<そしてなつは富士子と東京へ>

芋子「翌27話で物語の舞台は東京に飛びます」

小野「なつと富士子、2人だけをフィーチャーすることで、両者の親子とは似て非なる関係が浮き彫りになったね」

芋子「富士子の母親になりきれない葛藤、なつを傷つける発言からの抱擁と謝罪。これらの微妙で繊細な演技を見事にこなしていました」

小野「演じている松嶋菜々子さんは今でこそ数多の作品に出演するベテラン女優だが、23年前に朝ドラ『ひまわり』で初主演を果たしていた」

芋子「『ひまわり』観ていましたよ。弁護士を目指す話でしたよね」

小野「お前まだ高校生だろ(恒例のツッコミ)」

芋子「かつてのヒロインが母親役となって朝ドラに戻ってきたというのも感慨深いですよね」

小野「『なつぞら』は役者陣が安定しているから、演技面で安心して観ていられるのも良いね」


<兄との再会、そして>

芋子「なつと咲太郎は29話でついに再会を果たし、その咲太郎は30話で誤認逮捕されるという超展開が訪れます」

小野「11~12話を髣髴とさせる駆け足展開になっちゃったのは惜しい。感情移入が付いていけなかった」

芋子「そもそも咲太郎の様子がおかしかったですが、なつも再会した割には微妙な表情を見せることが多かったですね。こうなることを予感していたかのように」

小野「咲太郎に関しては、違和感がありすぎて偽者なのではないかと思ってしまったよ」

芋子「まあ、元からああいう人なのでしょうね。ちょっと子供時代の人物像に関する描写が足りなかったのかもしれません」

小野「結局、せっかく再会できた2人は翌日に再び引き離されてしまった。なつにいたっては実妹の千遥にも会えずじまい」


<東京編の感想>

芋子「2度目の再会が来ることを信じるしかないですね。というわけで東京編も終わったわけですが(第6週にも少しあるらしいけど)、率直な感想はいかがでしたか?」

小野「なつと富士子の抱擁シーン、両者の演技力、これに尽きるね。肝心の咲太郎との再会シーンは微妙な感じだったけど」

芋子「やはり第4週、24話のラストシーンを超える感動はそう簡単には沸き起こらないのでしょうか」

小野「ただこの東京編は、後のアニメーターを目指す展開に向けて重要なポイントになるだろう。12年前の朝ドラ『どんど晴れ』ヒロイン比嘉愛未さん演じる中村屋のマダムを始め、登場人物が覚えきれないくらい多く登場したのも、今後の再登場を示唆しているのだろうし」

芋子「まだ進捗は6分の1ですからね。今後が楽しみで仕方ありません」

 

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2019-05-06 09:25:04 | 小野と芋子

NHK連続テレビ小説 なつぞら 上

 

※壮大なネタバレあります。

 

 

芋子「視聴率20%超えを連発する大好評のNHK朝ドラ『なつぞら』前回の記事(第2週(12話)まで観た段階)では厳しい評価をさせていただきましたが……」

 

小野「広瀬すずさんが本格的に登場してからの2週間で確変したね」

 

芋子「正直、11~12話の山田家問題が急に発覚してからの即解決は駆け足過ぎてカタルシスを得られなかったのに、ネット上では多くの視聴者が感動されているので、私にはこのドラマは向いていないと思っていました」

 

小野「12話と13話の間で9年が経過し、ヒロイン奥原なつが高校生に。役者も子役から広瀬さんにバトンタッチ。それ以降はマジで毎回面白い

 

芋子「放送上は既に第5週まで終わっていますが、今後この第3・4週を超える感動があるのかというくらい良かったですね」

 

小野「早速この2週間を振り返ってみるか」

 

 

<牛の破水からの出産で一気に引き込んだ13話>

 

芋子「広瀬さん本格参戦の初回が早くも神回となりました」

 

小野「生まれた仔牛が息をせず、なつの人工呼吸によって羊水を取り除いたシーン」

 

芋子「私は助からないと思っていましたが、まさかの仔牛が目を覚まします」

 

小野「その感動を引き立てたのは間違いなく広瀬さんの迫真の演技力だった。それまで一定の距離を置いて視聴していたのに、そのシーンで完全に物語の世界に没入しちゃったよ」

 

芋子「羊水を口に含んで吐き出す演技なんて良く引き受けましたよね。若い女性が身体を張ったという意味も込めて、あの演技は100点です」

 

小野「もちろん周囲のベテラン俳優陣の演技も完璧だったからこそだからね」

 

 

<農協と泰樹の確執>

 

芋子「その後の14・15話で農協と泰樹じっちゃんの確執が明らかになります」

 

小野「ポイントは泰樹は悪役ではなく、なつの尊敬するじっちゃんであるということだね。そして泰樹もなつのことを大事に思っている」

 

芋子「その相思相愛は11~12話でちゃんと描いているので、視聴者も泰樹を悪役だとは思わず、農協と泰樹の両方に感情移入出来るようになっていますから、話が俄然面白くなりますし、構成が上手いですよね」

 

小野「農協に務める剛男も、なつにとっては父親同然。2つの意見で板挟みにされるなつの苦悩を、視聴者もそのまま感じられるようになっているのも実に面白い」

 

 

<女優編で更に面白さを増す>

 

芋子「農協問題になつ自身の答えを出そうと、彼女は演劇部に入ります」

 

小野「ここからが第4週だね。どんどんアニメ業界から離れていくかと思いきや、実はアニメーターも女優も表現力という点において酷似している」

 

芋子「戦争孤児だった自分を拾ってくれた柴田家への恩返しの為だけに9年間生きてきたなつが、ついに100%自分の意志でやりたいことを始めるというのも感慨深いですね」

 

小野「その演劇も当初は農協に反対する泰樹の心を動かす為にやっていたのに、途中から自分の為になっていたからね」

 

芋子「後にアニメーターというなつの本当になりたい職業が見つかる展開になるのでしょうが、こうやって自分の意志で動くことが、夢への第一歩となったわけです」

 

小野「そしてここでも広瀬さんの演技力だよね。演技が少しずつ上手くなっていく過程を完璧に演じるには彼女ほどのキャリアが必要。広瀬さん無くしてこのドラマは成立しなかった

 

 

<なつと天陽の関係>

 

芋子「最後に天陽君についてです」

 

小野「うーん。いずれはなつとの恋仲に発展するんだろうけどさ」

 

芋子「朝ドラらしい王道展開ですし、素敵なことじゃないですか」

 

小野「確かに本来なら恋愛は朝ドラの核の一つでもあるよ。150話という長尺で、結婚したその先、場合によっては子供が生まれた先までもを描く“人生ドラマ”“家族ドラマ”の側面も持つからね。ただ『なつぞら』の場合、恋愛面だけは微妙かな」

 

芋子「感情移入できないのですか?」

 

小野「いやさあ。彼は正直、急に登場して急になつと出会ったからね。問題の11~12話も、山田家(天陽)と柴田家(なつ)に接点を作る為の舞台装置になっていたし」

 

(※これは個人の見解です! 感動した皆様ごめんなさい!)

 

芋子「しかし、天陽君がきっかけでなつも絵を描くようになりました。彼の絵が演劇の舞台美術に採用されたり、なつが演劇の登場人物を絵に描いてイメージしてみたりと、やはりアニメ業界に少しずつ近付いてきています

 

小野「第5週以降に期待しよう」

 

 

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