野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

一重のバラのようなやさしい花を咲かせる「ハマナス」(春の花 21-48)

2021年04月25日 08時07分38秒 | 

一重のバラのようなやさしい花を咲かせる「ハマナス」。海岸に自生する植物だが、今では多くの園芸種が生まれているようだ。かつて網走の海岸で咲き乱れているのをみた遠い記憶がある。「はまなすや今も沖には未来あり 中村草田男」。根は染料に、花はお茶に、果実は食用になるという。

(2021年春 川崎市)

■春の花シリーズ

「サクラソウ」(春の花 21-01)
「ワスレナグサ」(春の花 21-02)
「ヒメツルソバ」(春の花 21-03)
「レウィシア」(春の花 21-04)
「オオキバナカタバミ」(春の花 21-05)
「スイート・アリッサム」(春の花 21-06)
「ドウダンツツジ」(春の花 21-07)
「カントウタンポポ」(春の花 21-08)
「ホウキモモ」(春の花 21-09)
「アリウム・トリケラトゥム」(春の花 21-10)
「シャガ」(春の花 21-11)
「チョウセンレンギョウ」(春の花 21-12)
「キブシ」(春の花 21-13)
「キランソウ」(春の花 21-14)
「アネモネ」(春の花 21-15)
「タネツケバナ」(春の花 21-16)
「ヘビイチゴ」(春の花 21-17)
「山吹」(春の花 21-18)
「ホトケノザ」(春の花 21-19)
「海棠」(春の花 21-20)
「セイヨウシャクナゲ」(春の花 21-21)
「ホウチャクソウ」(春の花 21-22)
「ラミウム・ガレオブドロン」(春の花 21-23)
「キツネノボタン」(春の花 21-24)
「ビオラ・ソロリア・プリセアナ」(春の花 21-25)
「シロヤマブキ」(春の花 21-26)
「 アニソドンテア・マルウァストロイデス」(春の花 21-27)
「オランダミミナグサ」(春の花 21-28)
「斑入りビンカ・マジョール」(春の花 21-29)
「チエリーセージ」(春の花 21-30)
「スズラン」(春の花 21-31)
「ユウゲショウ」(春の花 21-32)
「レンゲ」(春の花 21-33)
「フジ」(春の花 21-34)
「シラン」(春の花 21-35)
「ヒメウツギ」(春の花 21-36)
「ナルコユリ」(春の花 21-37)
「アヤメ」(春の花 21-38)
「ナデシコ」(春の花 21-39)
「クレマチス」(春の花 21-40)
「シラー・カンパニュラータ」(春の花 21-41)
「ブルビネ・フルテッセンス」(春の花 21-42)
「ヒメライラック」(春の花 21-43)
「シラー・ペルビアナ」(春の花 21-44)
「サボンソウ」(春の花 21-45)
「スパラキシス」(春の花 21-46)
「ウツギ」(春の花 21-47)

■早春の花シリーズ

「チロリアンデージー」(早春の花 001)
「クリスマスローズ」(早春の花002)
「ツルニチニチソウ」(早春の花 003)
「ペーパーホワイト」(早春の花 004)
「日本水仙」(早春の花 005)
「黄水仙」(早春の花 006)
「カラスノエンドウ」(早春の花 007)
「ラッパスイセン」(早春の花 008)
「ヒマラヤユキノシタ」(早春の花 009)
「ジンチョウゲ」(早春の花 010)
「ヒメオドリコソウ」(早春の花 011)
「アラセイトウ」(早春の花 012)
「オオイヌノフグリ」(早春の花 013)
「ハクモクレン」(早春の花 014)
「玉縄桜」(早春の花 015)
「タチツボスミレ」(早春の花 016)
「河津桜」(早春の花 017)
「ノースポール」(早春の花 018)
「ヒヤシンス」(早春の花 019)
「ミモザ」(早春の花 020)
「フレンチ・ラベンダー」(早春の花 021)
「シデコブシ」(早春の花 022)
「ムスカリ」(早春の花 023)
「レンギョウ」(早春の花 024)
「クロッカス」(早春の花 025)
「馬酔木」(早春の花 026)
「ヤグルマギク」(早春の花 027)
「雪柳」(早春の花 028)
「イベリス」(早春の花 029)
「オオアラセイトウ」(早春の花 030)
「スノーフレーク」(早春の花 031)
「モクレン」(早春の花 032)
「ハナニラ」(早春の花 033)
「ヤマザクラ」(早春の花 034)
「ネモフィラ」(早春の花 035)
「キンギョソウ」(早春の花 036)
「福寿草」(早春の花 037)
「ベニスモモ」(早春の花 038)
「ソメイヨシノ」(早春の花 039)
「ハルジオン」(早春の花 040)
「キュウリグサ」(早春の花 041)
「コブシ」(早春の花 042)
「ヤエベニシダレ」(早春の花 043)
「カタバミ」(早春の花 044)
「ゼラニウム」(早春の花 045)
「ハコベ」(早春の花 046)
「おやゆび姫」(早春の花 047)
「ヒュウガミズキ」(早春の花 048)
「ヒイラギナンテン」(早春の花 049)
「ムラサキサギゴケ」(早春の花 050)
「源平枝垂れ桃」(早春の花 051)
「レッドキャンピオン」(早春の花 052)
「イワニガナ」(早春の花 053)
「アブラナ」(早春の花 054)
「ジャノメエリカ」(早春の花 055)

 

ハマナス(浜梨)
落葉低木
北海道〜太平洋側は茨城県、日本海側は島根県までの海岸の砂地に生える。幹は叢生し、高さ1〜1.5mになる。地下茎を伸ばして増え、しばしば大群落をつくる。枝には軟毛があり、太い扁平な刺と針のように小さな刺が混生する。刺にも短毛が密生する。葉は互生。長さ9〜11cmの奇数羽状腹葉で、3〜4対の小葉がある。小葉は長さ2〜3cmの楕円形または卵状楕円形で、先端は丸く、基部は広いくさび形または円形。縁には鈍い鋸歯がある。脈は表面で凹み、しわが多い。裏面には短い軟毛が密生し、腺が混じる。托葉は膜質で幅が広く、中程まで葉柄に合着する。先は尖る。枝先に紅色または紅紫色の花が1〜3個ずつつく。花は直径5〜8cmと大きい。花弁は5個。花柱は有毛、離生し、花ののどの部分をふさぐ。萼筒はほぼ球形。萼片は長さ3〜4cmで、背面に軟毛と細い刺があり、ときに腺毛が混じる。花柄は長さ1〜3cmで、小さな刺がある。果実は偽果。直径2〜3cmの扁球形で、8〜9月に赤く熟す。先端には萼片が残り、中には長さ5〜6mmのそう果が入っている。別名ハマナシ。花期は6〜8月。
冬芽は卵形。葉痕は馬蹄形で上を向く。(樹に咲く花)
学名は、Rosa rugosa
バラ科バラ属
白花をつけるものを、品種としてシロバナハマナス(R. rugosa f. alba)という。
鹿島町のハマナスは最初は植栽と思ったが、地元の手入れをしていた人の話では、「子供の頃には砂浜にたくさん生えていたが、今は少なくなった。」とのことであり、自生のものとわかった。

 

はまなす の例句(←ここをクリック)
http://fudemaka57.exblog.jp/22805009/


はまなす 補遺

*はまなすに僅かの日ざし急爆音 佐藤鬼房
*はまなすに幾度行を共にせし 高野素十
*はまなすに白波寄するかぎりなし 山口青邨
*はまなすのたとへば夜の黒眸美女(マラゲーニア) 佐藤鬼房
*はまなすのひと恋しげに百人浜 鷹羽狩行
*はまなすの一叢夜を濃くしたる 佐藤鬼房
*はまなすの傷める花に鰊臭 能村登四郎
*はまなすの匂ひに淫しゐたりけり 飯島晴子
*はまなすの古江細江に加賀言葉 前田普羅 能登蒼し
*はまなすの吹きしぼらるる大輪よ 山口青邨
*はまなすの尖る莟に砂きよら 山口青邨
*はまなすの枯れにつづける一墓域 木村蕪城 寒泉
*はまなすの棘ためらはず髪挿しけり 山田みづえ 木語
*はまなすの白きを咲かす紙漉場 松崎鉄之介
*はまなすの砂丘縮まる傘のうち 古舘曹人 能登の蛙
*はまなすの花の香水鄙びたり 山口青邨
*はまなすの花ひとつとて花の園 角川源義
*はまなすの芽ぶきの沖のはがれ寄る 岡井省二 明野
*はまなすの風に光を加へけり 松崎鉄之介
*はまなすやあはれ江差の鴎島 石塚友二 磊[カイ]集
*はまなすやオホーツクの海重波す 角川源義
*はまなすや人地にありて地を惜しむ 中村草田男
*はまなすや夕潮ながら碁盤波 上田五千石『琥珀』補遺
*はまなすや宵に相寄る峰と月 古舘曹人 樹下石上
*はまなすや小便小僧砂まみれ 佐藤鬼房
*はまなすや樺太までを海の皺 飴山實 辛酉小雪
*はまなすや灯台を日に二つ見て 鷹羽狩行
*はまなすや裏口に立つ見知らぬ子 中村苑子
*はまなすや離ればなれに墓標立つ 母国拾遺
*はまなすや靴を小脇の声透る 佐藤鬼房
*はまなす赤し滞留長き口シヤ船 松崎鉄之介
はまなすが沈む湖底へ青の層 加藤秋邨
はまなすに凧をつなげば花うごく 加藤秋邨
はまなすに己が愁ひをもてあます 鈴木真砂女 夏帯
はまなすに水平線の今しるし 清崎敏郎
はまなすに汐高鳴れば昏るゝかな 鈴木真砂女 夏帯
はまなすに礁透く潮の幾尋ぞ 水原秋櫻子 帰心
はまなすに船の漂流いつか見し 阿波野青畝
はまなすのかをりは遠き薔薇のかをり 中村草田男
はまなすのこの紅とかすべにさしゆび 山口青邨
はまなすの実がくれなゐといふ旅情後藤比奈夫
はまなすの実にひびくもの秋の海 加藤秋邨
はまなすの実に秋寒の風こもり 能村登四郎
はまなすの散るを促すのこぎり草 斎藤玄 雁道
はまなすの数珠のくれなゐ魂迎ヘ 大野林火 白幡南町 昭和三十一年
はまなすの砂丘の果を作る海 稲畑汀子
はまなすの香水といふ波音も 山口青邨
はまなすは暗き花とぞ沖の風 松村蒼石 雪
はまなすは棘も露けき一砂丘 水原秋櫻子 晩華
はまなすやきのふより濃き空の色 深見けん二
はまなすやサィ口に下りし湖の鳶 水原秋櫻子 晩華
はまなすや今も沖には未来あり 中村草田男
はまなすや多端の葉叢花秀づ 中村草田男
はまなすや季節風吹き鍛へたる 阿波野青畝
はまなすや断崖夕日に夕応へ 中村草田男
はまなすや樺太までを海の皺 飴山實
はまなすや波こまごまと与謝の海 鷹羽狩行
はまなすや涙の重き子買船 平畑静塔
はまなすや石狩河口水平ら 高浜年尾
はまなすや砂丘にたたかい砂丘に墓 古沢太穂 捲かるる鴎
はまなすや細き汽笛の斜里線は 松崎鉄之介
はまなすや親潮と知る海のいろ 及川貞 榧の實
はまなすや遊子立つとき濤激す 阿波野青畝
はまなすや鯛を寄せくる沖津波 水原秋櫻子 帰心
はまなすや黄塵やメモせし頁 加藤秋邨
はまなすを噛めば酸かりし何を恋ふ 加藤秋邨
はまなす折りくるる共産党員の月日 古沢太穂 捲かるる鴎
はまなす群生過去も未来もわれになし 鈴木真砂女 夏帯
墓ここも囲ふ*はまなす南限界 木村蕪城 寒泉
家はまなす塩田小屋の荒れに添ふ 角川源義
家はまなす鰊大尽夢に来む 角川源義
島泊り*はまなすの香に寝落ちけり 松崎鉄之介
弁当の絵のはまなすも花ざかり 後藤比奈夫
指ふれてはまなすを愛づ海荒き 山口青邨
日輪は跳ぶはまなすの巖頭に 古舘曹人 砂の音
朝澄んではまなす色をつくしけり 寒食 星野麥丘人
海青き*はまなすの花香水に 山口青邨
渺茫と歩をはまなすの中よりす 古舘曹人 能登の蛙
濤屏風寄せては倒れ*はまなすに 山口青邨
燈台の陰はまなすの香を高む 古舘曹人 能登の蛙
盆近くはまなすの実の赤きこと 大野林火 月魄集 昭和五十四年
石狩のはまなす花瓣欠け易し 高浜年尾
花咲く木はまなすに並み荒柏 中村草田男
連絡船出でゆく*はまなすに繊き雨 山口青邨
野の花のはまなす濃きに旅ゆけり 山口誓子
風強うしてはまなすに佇ち難し 清崎敏郎
香水の*はまなすの花籠に摘む 山口青邨
髪乱れ風の*はまなすわれに憑く 山口青邨



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