野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

少女の赤面を思わせるピノコ(紫陽花シリーズ9)

2019年06月30日 12時52分20秒 | 

アジサイは愛好者も多く、さまざまに品種改良しやすい種だけに、商業的に育成された種も多いようだ。このピノコも名前からしてその一つであることが分かる。この名前で連想するのは漫画の「ブラックジャック」だし、ほかに関連はないだろう。だから名前の由来を探しても意味のないことだろう。それでも装飾花の縁のところがかすかに赤らんでいるところが、少女の赤面を思わせるかもしれない。

 (2019-06 東京都 神代植物公園) 

 

 

 


万葉の昔から親しまれてきたオミナエシ

2019年06月30日 12時08分36秒 | 

オミナエシは万葉の昔から日本人がなじんできた花である。秋の七草として有名だが、春の七草とは違って食用にならない。名前が女郎花なので、万葉では女性にたいする思いを語ることが多いようである。「我が里に今咲く花のをみなへし堪へぬ心になほ恋ひにけり」などはその一例だろう。「手折りても霧をまとへり女郎花 水原秋櫻子 蘆雁」のように、俳句では旅の思い出とつながるようである。
敗醤の名前は中国由来で、乾燥させると醤油が腐った臭いがすることから名付けられたという漢方では今でもこの名で呼ぶという。血目草はもともとの日本名だが、由来はよく分からない。

 (2019-06 東京都 神代植物公園) 

オミナエシ

オミナエシ(女郎花 Patrinia scabiosifolia)は、合弁花類オミナエシ科オミナエシ属 の多年生植物。秋の七草の一つ。チメグサ、敗醤(はいしょう)ともいう。

特徴
沖縄をのぞく日本全土および中国から東シベリアにかけて分布している。

夏までは根出葉だけを伸ばし、その後花茎を立てる。葉はやや固くてしわがある。草の丈は60-100 cm程度で、8-10月に黄色い花を咲かせる。

日当たりの良い草地に生える。手入れの行き届いたため池の土手などは好適な生育地であったが、現在では放棄された場所が多く、そのために自生地は非常に減少している。 日本では万葉の昔から愛好され、前栽、切花などに用いられてきた。漢方にも用いられる。

 

女郎花(おみなへし)を詠んだ歌
万葉集には14首に登場します。秋(あき)のきれいな花として詠んでいる歌と、他の多くの花と同じように女性を表現している歌とがあります。また、「佐紀」の枕詞(まくらことば)として使われていることもあります。その当時、秋の佐紀には、女郎花が咲き乱れていたのでしょうか。

0675: をみなへし佐紀沢に生ふる花かつみかつても知らぬ恋もするかも

1346: をみなへし佐紀沢の辺の真葛原いつかも繰りて我が衣に着む

1530: をみなへし秋萩交る蘆城の野今日を始めて万世に見む

1534: をみなへし秋萩折れれ玉桙の道行きづとと乞はむ子がため

1538: 萩の花尾花葛花なでしこの花をみなへしまた藤袴朝顔の花

1905: をみなへし佐紀野に生ふる白つつじ知らぬこともち言はえし我が背

2107: ことさらに衣は摺らじをみなへし咲く野の萩ににほひて居らむ

2115: 手に取れば袖さへにほふをみなへしこの白露に散らまく惜しも

2279: 我が里に今咲く花のをみなへし堪へぬ心になほ恋ひにけり

3943: 秋の田の穂向き見がてり我が背子がふさ手折り来るをみなへしかも

3944: をみなへし咲きたる野辺を行き廻り君を思ひ出た廻り来ぬ

3951: ひぐらしの鳴きぬる時はをみなへし咲きたる野辺を行きつつ見べし

4297: をみなへし秋萩しのぎさを鹿の露別け鳴かむ高圓の野ぞ

4316: 高圓の宮の裾廻の野づかさに今咲けるらむをみなへしはも

女郎花 の例句

あらくれの熔岩山のぼり女郎花 角川源義
いつの世に名づけし花や女郎花 森澄雄
その丈の揺れ出して来し女郎花 清崎敏郎
みちのくの山に姫神山女郎花 山口青邨
ゆらゆらと立つや冬野の女郎花 正岡子規 冬野
ドライブやかぞへられざる女郎花 阿波野青畝
一もとは誰が塚古りて女郎花 正岡子規 女郎花
一合目いま走り過ぐ女郎花 山口青邨
一様に風来る中の女郎花 高野素十
一茎のきちかうを添ゆ女郎花 山口青邨
休らへば手折りもぞする女郎花 河東碧梧桐
何うらむさまか枯野の女郎花 正岡子規 枯野
何戀ひて痩するぞ小野の女郎花 正岡子規 女郎花
信濃路は甘藷畑に立つ女郎花 富安風生
十里來て旅僧暮れぬ女郎花 正岡子規 女郎花
友に傘ささせて雨の女郎花 相馬遷子 山国
吹かるゝや薄の中の女郎花 正岡子規 女郎花
咲いてゐし頃には早き女郎花 清崎敏郎
四つ小屋という駅さびし女郎花 山口青邨
堀わりや此頃はえし女郎花 正岡子規 女郎花
夕ごころおのれいとしみ女郎花 森澄雄
夜にして月の出のいろ女郎花 森澄雄
女郎花かがやきぬるる駒岳の雨 山口青邨
女郎花こんな悪臭ありしとは 右城暮石 散歩圏 補遺 頑張れよ
女郎花その黄の映ゆる日ざしかな 高浜年尾
女郎花たゞはづかしき許り也 正岡子規 女郎花
女郎花の宿を尾花に尋ねばや 正岡子規 女郎花
女郎花みだれてすべて国つ神 橋閒石 卯
女郎花やや略したる床の間に 松本たかし
女郎花より男郎花多くなる 右城暮石 句集外 昭和十年
女郎花刀のこじりさはりけり 正岡子規 女郎花
女郎花夏花に添へて供へけり(母の忌八月十五日) 細見綾子
女郎花女なからも一人前 正岡子規 女郎花
女郎花宮守ならば物語れ 正岡子規 女郎花
女郎花少しはなれて男郎花 星野立子
女郎花尾白の馬をあそばしむ 下村槐太 天涯
女郎花岨に滝見る老となりぬ 渡邊水巴 富士
女郎花押しわけ早瀬沼に落つ 水原秋櫻子 古鏡
女郎花日毎にのびてあはれなり 正岡子規 女郎花
女郎花昔の人のすがた也 正岡子規 女郎花
女郎花枝の出るこそわりなけれ 正岡子規 女郎花
女郎花根本を手折る男の手 阿波野青畝
女郎花汝朝顏を知るや知らずや 正岡子規 女郎花
女郎花滝白く土用明けにけり 渡邊水巴 富士
女郎花男郎花戀のはじめ也 正岡子規 女郎花
女郎花色と帯にも染めしなり 細見綾子 桃は八重
女郎花花の高さの揺れ交し 清崎敏郎
女郎花野馬かきくもる日なりけり 古舘曹人 樹下石上
女郎花關屋の厠やつれけり 正岡子規 女郎花
女郎花霧に咲き男郎花霧を抽き 水原秋櫻子 蘆雁
に心ゆるすな女郎花 正岡子規 女郎花
山がちに足寄は昏るる女郎花 古舘曹人 樹下石上
山蟻の雨にもゐるや女郎花 飯田蛇笏 霊芝
峠より折り来しものと女郎花 山口青邨
嵯峨野行く被衣姿や女郎花 正岡子規 女郎花
忘れゐしこの花の黄よ女郎花 右城暮石 句集外 昭和四十九年
患者らの朝は声高女郎花 石田波郷
戀塚や男芒に女郎花 正岡子規 女郎花
手折りても霧をまとへり女郎花 水原秋櫻子 蘆雁
新帰元供華の中なる女郎花 清崎敏郎
旅にをるおもひに折るや女郎花 森澄雄
日のあたるところといへば女郎花 星野麥丘人
晝月のうつろありけり女郎花 森澄雄
朝の汽車すこやかに露女郎花(丹後由良) 細見綾子
朝空の疑ひなさよ女郎花 細見綾子
松の外女郎花咲く山にして 河東碧梧桐
此邊を通ふ汽車あり女郎花 正岡子規 女郎花
波立てて霧来る湖や女郎花 水原秋櫻子 蓬壺
淋しさに堪へて廣野の女郎花 正岡子規 女郎花
淋しさや芒の中の女郎花 正岡子規 女郎花
玉の湯に浴み女郎花男郎花 阿波野青畝
男郎花折らず女郎花のみ折りて 山口青邨
皆やせけり男薄に女郎花 正岡子規 薄
秋立つと咲く雑草園女郎花 山口青邨
粟花とみちのくびとは女郎花 山口青邨
芒より一尺高し女郎花 正岡子規 女郎花
花野なほ裾をひきつつ女郎花 山口青邨
若君は駕にめされつ女郎花 正岡子規 女郎花
草に黄をふくむはじめの女郎花 右城暮石 句集外 昭和十四年
萩桔梗されど花野の女郎花 細見綾子
藪からしは偽女郎花患者らよ 角川源義
蟷螂もおなじ黄色や女郎花 阿波野青畝
行きいゆく雲の晴曇女郎花 森澄雄
裾山や小松が中の女郎花 正岡子規 女郎花
裾山や小松の上の女郎花 正岡子規 女郎花
裾山や小松の中の女郎花 正岡子規 女郎花
訪ねしが女郎花はや桔梗はや 高野素十
踏み込みてそこが野の径女郎花 稲畑汀子
逝く水や坊主めくりの女郎花 橋閒石 和栲
道ぶしんに刈られし艸の女郎花 右城暮石 句集外 昭和九年
遠くまでゆれかはしつつ女郎花 山口青邨
釣堀の池の出島の女郎花 上野泰
關越えて野道になりぬ女郎花 正岡子規 女郎花
雨ノ日や皆倒レタル女郎花 正岡子規 女郎花
馬柵潰え高く咲きけり女郎花 山口青邨
駕舁の裸て寐たり女郎花 正岡子規 女郎花
鷄頭はまだ下草よ女郎花 正岡子規 女郎花
鹿島槍消ぬるや露の女郎花 水原秋櫻子 玄魚


夜空に花開く花火を思わせる八重の花火アジサイ

2019年06月29日 09時47分36秒 | 

花火アジサイという品種は、装飾花の柄が長くて、宙に浮いて咲いているようにみえる。八重なので、豪華で花火を連想したのも不思議ではない。偶然にみつかった品種というが、アジサイの変化ぶりには驚かされる。

 (2019-06 東京都 神代植物公園) 

 

スミダノハナビ

開花時期 6月7月
花の色
名前の読み すみだのはなび(あじさい)
分布 額紫陽花(ガクアジサイ)の園芸品種
生育地 庭木
植物のタイプ 樹木
大きさ・高さ 1~2メートル
分類 ユキノシタ科 アジサイ属
学名 Hydrangea macrophylla f. normalis Sumidanohanabi
花の特徴
特徴は、周りの装飾花が八重になっていることである。
装飾花は白から次第に青色がほのかに入る。
花火のように星形の花が飛び出すような形をしている。
葉の特徴
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
その他
名の由来は、花の様子を隅田川の花火大会にたとえたものである。

 


嫌われ者世に憚るタケニグサ

2019年06月29日 08時25分56秒 | 

嫌われ者世に憚るといわれるが、タケニグサも人家の近くに生えて嫌われることが多いようだ。あっという間にすくすくと伸びて花を咲かせるが、有毒植物で、かぶれることもあるようだ。ヨーロッパでは観賞用に植えられるようだから、人の好みの違いというものは面白いものだ。葉の裏が白く、風が吹くと裏の白いところがみえて、人目を惹く。

(2019-06 川崎市 路傍)

 

タケニグサ

タケニグサ(竹似草、学名: Macleaya cordata (Willd.) R.Br.)はケシ科の多年草で日当たりのよい草原、空地などによく見られる雑草である。
特徴
葉は切れ込みがあり形はキクの葉に似るが大きい。葉の裏や茎は粉をふいたように白っぽい。高さは1.5~2m以上に達する。花は夏に咲き、花弁がなく、萼は2枚、円錐花序をつくる。果実は長さ2cmほどで扁平。茎を切ると黄色の乳液が出る。

名前について
語源には茎が中空で竹に似るからというもののほかに、竹と一緒に煮ると竹が柔らかくなって加工しやすいからとの俗説もある[1]。別名チャンパギクともいい、チャンパ(南ベトナム)付近からの帰化植物と思われたためらしいが、実際には日本および東アジア一帯の在来種と考えられている。

毒性
アルカロイドの一種プロトピン(protopine)、ホモケリドニン(homochelidonine)、サングイナリン(あるいはサンギナリン、sanguinarine)、ボッコニン(bocconine)、ボッコノリン(bocconoline)、ケレリスリン(英語版)(あるいはケレリトリン、chelerythrine)塩[2]、α-allocryptopineなどを含み有毒。民間療法で皮膚病や虫さされに使われたが、逆にかぶれることも多く危険である。なお、サングイナリン、プロトピン、ケレリスリンは同じケシ科の有毒植物として知られるクサノオウにも含まれている[2]。

欧米では観賞用に栽培される(英名: plume poppy)。

 


両性花がきらびやかに立ち上がる王冠(紫陽花シリーズ7)

2019年06月28日 07時26分24秒 | 

この王冠という品種は、真ん中の両性花が美しい。大柄でシンプルな装飾花が冠の輪だとすると、真ん中に装飾花の色とあった青で両性花がきらびやかに立ち上がる。葉もあじさいには珍しいシンプルな形だ。
(2019-06 東京都 神代植物公園) 

 



黄色の花が遠くからも目立つキソケイ

2019年06月28日 06時29分30秒 | 

しばらく前に、近くでソケイの仲間のキソケイが咲いていた。黄ソケイかと思ったら、木ソケイらしい。
ソケイの郁々たる香はないが、花の形はそっくりだ。木の花としては、この花の黄色はとても目立ち、離れていてすぐにわかるほどだ。

(2019-06 川崎市 路傍)

 

 

キソケイ

キソケイの基本データ

【分類】モクセイ科/ソケイ属  常緑広葉/低木

【学名】Jasminum humile var.revolutum

【別名】ヒマラヤジャスミン    イエロージャスミン

・キソケイはヒマラヤ地方を原産とするオウバイの仲間。

・初夏に枝いっぱいに咲く黄色い花は、葉の色とのコントラストが美しく、生け花にも利用される。香りはほとんどない。

・ソケイに比べて枝葉がしっかりしていることから「木ソケイ」と名付けられた。

・黄花種と白花種があるが、黄花種は寒さに強い。

【似ている木】

・香油「ジャスミン」を採取するソケイはインド原産の落葉低木で白花を咲かせる。寒さに弱く、日本の屋外で越冬させるのは難しい。


装わない素朴な味わいの白斑入りガクアジサイ

2019年06月27日 09時50分21秒 | 

白斑入りガクアジサイは江戸時代から栽培されているという。花ものものは額アジサイで、とくに代わり映えはしないが、中心の両性花は青からピンクになるという。花そのものではく、葉に特色があるのはアマチャと同じだが、この品種は葉に白斑を入れるという工夫が特徴になる。装わない素朴な味わいがあって、いいかも。

(2019-06 東京都 神代植物公園) 

 

白斑入りガクアジサイ


江戸時代からあるガクアジサイの古品種で、葉に白い掃け込み斑が入ります。
時々、「恋路が浜」という名前で販売されていることもあります。
花は一重ガク咲き。
装飾花は淡青色で両性花は紺色ですが、土の酸性度次第では桃色に咲かせることも可能です。


幻想的な雰囲気で人々を魅惑するスイレン

2019年06月27日 07時18分58秒 | 

神代植物公園の池では温帯スイレンが見ごろである。大きな池にたくさんのスイレンが花開いているのは圧巻である。うっすらとピンクがかったスイレンもすてきだが、白い花も美しい。伝来のヒツジグサと呼ばれる種は、白い花を咲かせるが、小さな鉢でも育てることができるので、日本人にはなじみの花だ。以前にお寺さんのものを紹介したことがある。こうした馴染みの花とは趣の異なるこの写真のような改良種は、幻想的な雰囲気をかもしだしてで人々を魅惑する。

(2019-06 東京都 神代植物公園) 

 

 

温帯スイレン

フランスの画家クロード・モネが愛したスイレンです。丸い葉とやさしい色合いの花が水面に浮かびます。花形は熱帯スイレンより豊富で、花と葉が小型のヒメスイレンもあります。花は昼咲き性で、日が高くなるころには閉じます。ワサビのように長く太った根茎をもち、春に根茎の先端から芽を水中に伸ばし、水面に葉を広げます。
4月下旬から苗が出回ります。しっかりとした腐っていない根茎で、芽が確認できるものを購入しましょう。植えつけ1年目の株は花数が少ないですが、2年目以降は立派な花をたくさん咲かせるようになります。

基本データ

園芸分類 水生植物

形態 多年草 原産地 世界の温帯域

草丈/樹高 ― 開花期 5月中旬~10月

花色 白,赤,ピンク,黄,複色 栽培難易度(1~5)

耐寒性 強い 耐暑性 普通

特性・用途 開花期が長い,落葉性

 

 


葉を煎じて甘酒代わりにも使われるアマチャ(紫陽花シリーズ5)

2019年06月26日 08時45分41秒 | 

アジサイの葉には毒があるが、アマチャの葉は名前どおりに煎じて飲むと甘いらしい。ガクアジサイと似ていので、アジサイの葉を煎じて飲んで集団中毒事故が起きたこともある。砂糖の数百倍の甘さというから、すごい。
寺院に植えられることが多いが、これは四月の釈迦の生誕記念日に行われる花祭りに、アマチャを飲む風習があったからだという。「木の花の咲くや甘茶の春が来て 平畑静塔」。
装飾花そのものは、シンプルで美しい花だ。青くなるらしいが、写真のはまだ白くて、清楚な感じを与える。

(2019-06 東京都 神代植物公園) 

 

 

 

アマチャ

甘茶(あまちゃ)は、ユキノシタ科の落葉低木落葉性の低木アジサイの変種である。 アジサイ科のガクアジサイと酷似しており、間違われる事が多い。 アマチャ(学名:Hydrangea macrophylla var. thunbergii)。また、その若い葉を蒸して揉み、乾燥させたもの、およびそれを煎じて作った飲料のことも指す。ウリ科のつる性多年草であるアマチャヅルの葉または全草を使った茶も甘茶ということもあるが、前者の「アマチャ」を使った甘茶が本来の甘茶である。

甘茶の茶葉に「御法楽」という御祈祷を神社で行った茶葉のみ「天茶」の称号が許される(読みは同じ「あまちゃ」)。

風習
飲料としての甘茶は、黄褐色で甘みがあり、灌仏会(花祭り)の際に仏像に注ぎかけるものとして古くから用いられた。これは、釈迦の生誕時に八大竜王がこれを祝って産湯に甘露を注いだという故事によるものである。また、潅仏会の甘茶には虫除けの効能もあるとされ、甘茶を墨に混ぜてすり、四角の白紙に「千早振る卯月八日は吉日よ 神下げ虫を成敗ぞする」と書いて室内の柱にさかさまに貼ると虫除けになるという風習がかつて全国的に行われていた。

薬用
甘茶は甘味成分としてフィロズルチンとイソフィロズルチンを含み、その甘さはショ糖の400あるいは600 - 800倍、サッカリンの約2倍である。葉を乾燥させることにより甘味が出る。また苦味成分としてタンニンを含むが、カフェインは含まない。

生薬としては、抗アレルギー作用、歯周病に効果を有する(日本薬局方に収載)。

茶・麦茶などに砂糖を入れたものは本来の意味での甘茶ではない。

毒性
昔から食用とされてきた植物であり、これまでアマチャから毒性のある成分が検出されたことも無く、毒性はないと考えられているが、濃すぎるアマチャを飲むと中毒を起こして嘔吐する恐れがある。


甘茶 の例句 

いただいてくちびる甘き五香水 上田五千石『森林』補遺
お甘茶や一人貌なる疲れ尼 阿波野青畝
かすみたる眼をこらしては甘茶佛 石田勝彦 百千
きのふ甘茶の日なりし寺に詣でけり 村山故郷
くろがねの丹田ひかる甘茶仏 野澤節子 鳳蝶
くろがねの御身甘茶の行に耐ふ 平畑静塔
さし入れし我が手醜し甘茶仏 右城暮石 天水
しほしほと媼が眼あらふ甘茶かな 松村蒼石 寒鶯抄
しりへにす東京タワー甘茶仏 阿波野青畝
とんとんと土橋を駈けて甘茶貰ひ 大野林火 飛花集 昭和四十六年
またたきをされしか甘茶目をつたひ 平畑静塔
み仏の産湯かはりてにほひけり 阿波野青畝
ゆれ合へる甘茶の杓をとりにけり 高野素十
一末寺曹洞を守り甘茶布施 阿波野青畝
一束に甘茶の杓の束ねられ 清崎敏郎
丈六の見下し給ふ甘茶仏 大野林火 月魄集 昭和五十六年
乾の手の一指を立てて甘茶仏 野見山朱鳥 運命
佛性もゆらぐ甘茶に酔ひたまひ 平畑静塔
修験寺の甘茶佛痩せ給ふなり 石田勝彦 雙杵
冷めきりし佛の産湯汲みにけり 上田五千石 森林
喉仏いづこ甘茶の迸る 阿波野青畝
地を指せる御手より甘茶おちにけり 中村草田男
坤の手の雫玉なす甘茶仏 野見山朱鳥 運命
壜に入れいただいてゆく甘茶かな 山口青邨
大空に田がひらめけり甘茶佛 永田耕衣
大釜の甘茶をのぞく童子かな 松村蒼石 寒鶯抄
寛永寺甘茶の杓の揺れ合へる 高野素十
山寺に甘茶の茶碗十余り 阿波野青畝
山寺や花さく竹に甘茶仏 飯田蛇笏 山廬集
山寺や花咲く竹に甘茶仏 飯田蛇笏 霊芝
山高く登りて小さき甘茶仏 松村蒼石 雁
御人品甘茶千年かけ申し 平畑静塔
御顔も夕暮のいろ甘茶佛 森澄雄
念々に甘茶の杓を傾けよ 石田勝彦 百千
掌へ甘茶を甘露の一滴に 中村草田男
掌を立てしほどの高さの甘茶仏 山口誓子
旅すがら今日の甘茶は甘かりし 阿波野青畝
日の暮れていまだにぎはふ甘茶寺 森澄雄
木の花の咲くや甘茶の春が来て 平畑静塔
末法の甘茶を灌ぎたてまつる 日野草城
本堂に幕打ち張つて甘茶かな 村上鬼城
杓の下小さくかなしや甘茶佛 松本たかし
桶の中の甘茶減りぬと子が覗く 高野素十
椿寿忌の南無一杓の甘茶受く 上田五千石『琥珀』補遺
欠け湯呑かずのうちなる甘茶かな 阿波野青畝
浮びをる甘茶の杓をとらへけり 後藤夜半 翠黛
漆黒の檀(たん)の生れか甘茶さま 平畑静塔
濡れづめにして夕暮れぬ甘茶仏 桂信子 草影
灌ぐとき甘茶の杓のうちあへる 上田五千石『琥珀』補遺
灌仏や甘茶の四海波しづか 鷹羽狩行
甘茶てふ語の甘かりし灌仏会 細見綾子
甘茶仏おんふくよかにましましぬ 山口青邨
甘茶仏の顔かくすほど山つつじ 細見綾子
甘茶仏ほのかに湯気を立ててをり 清崎敏郎
甘茶仏幾世経にけむ減り給ふ 山口青邨
甘茶佛伊豆の入江の曇りそむ 藤田湘子 神楽
甘茶佛杓にぎはしくこけたまふ 川端茅舎
甘茶佛竹の声など聞かれけり 岡井省二 鹿野
甘茶寺 隣れば 老婆の問わず語り 伊丹三樹彦
甘茶布施茶碗は有田いさぎよし 阿波野青畝
甘茶汲む鶏鳴かくも遠きかな 松村蒼石 雪
甘茶浴ぶ異形異相の唯一人(ゆいちにん) 平畑静塔
甘茶照り異国の相の童子佛 山田みづえ 草譜
疾風に甘茶の杓の逆立てる 石田勝彦 秋興
百拝に仏の産湯濁り初む 上田五千石 風景
空き瓶の甘茶を帰路に少し飲む 細見綾子
童形の甘茶さまにて乳子ならず 平畑静塔
筍の桶にたゝふる甘茶哉 政岡子規 筍
背のびして甘茶注ぐ子仔犬抱き 福田蓼汀 秋風挽歌
胸広に立たしたまへり甘茶仏 下村槐太 天涯
腰衣をまとひ甘茶を浴びたまふ 平畑静塔
裏山に鴬鳴くや甘茶寺 山口青邨
誕生仏甘茶いくたび浴びにけむ 桂信子 草影
車酔ひせず甘茶仏出開帳 百合山羽公 樂土以後
里寺の仏小き甘茶哉 政岡子規 甘茶
長短の甘茶の杓の長を執る 上田五千石『琥珀』補遺
雨だれも甘茶も楽し増上寺 阿波野青畝
雨ふれば甘茶と思ふ仏生会 山口青邨
雨嘆く人のこゑして甘茶寺 岸田稚魚

 


花期だけ葉の半分が白くなるために半化粧とも呼ばれる半夏生

2019年06月26日 06時54分11秒 | 

神代植物公園の水生植物園で、半夏生が群生していた。あたり一面に咲いていたというのが正確だろう。半分だけ葉が白くなり、そばにオカトラノオを小さくしたような白い花がいくつか咲く。この穂の形の花を「トカゲの尾」とみなして、英語の名前と学名がつけられている。
あまりみかけない花だが、一度みると忘れられない。和名の「半化粧」や「片白草」も特徴をうまくとらえている。花期が終わると、葉の白さは消えるとしいうから、うまくできている。

(2019-06 東京都 神代植物公園) 

半夏生

半化粧 (はんげしょう)(半夏生(はんげしょう)片白草(かたしろぐさ))

(Lizard's tail)
・毒痛み(どくだみ)科。
・学名 Saururus chinensis Saururus : ハンゲショウ属 chinensis : 中国の
 Saururus(ソーララス)は、ギリシャ語の「sauros(トカゲ)+ oura(尾)」が語源。  トカゲの尾のような穂状の花序から。
・開花時期は、 7/ 1 ~ 7/20頃。
・上の方の葉っぱが、ペンキをべったり塗ったように白くなるのがおもしろい。

・「半化粧」「半夏生」「片白草(かたしろぐさ)」など、いろんな呼び名がある。

・花期に葉が白くなるのは、虫媒花であるために虫を誘う必要からこのように進化したのではないか、といわれている(白くて目立つ)。

・花は葉と同じく白で、紐状。
・花が咲き終わって夏の盛りの頃になると、白い葉の白い部分は色落ちして、ふつうの緑色っぽくなる。

・山の水辺に群生することが多いが、都会でもときどき植えられてるのを見かける。

■名前の由来
「半夏生」(はんげしょう) 夏至から数えて11日目頃(もしくはその日から5日間)を「半夏生」と呼ぶが、その頃に花が咲くことから。


装飾花に絞りのような質感があって、ユニークな「渥美絞り」(紫陽花シリーズ4)

2019年06月25日 09時56分18秒 | 

渥美絞りの「渥美」は土地の名前で、渥美地方で開発されたためだという。「愛知県の渥美地域(田原市)で栽培されている。この地域では40年以上の栽培の歴史があり、100種以上の品種が生産されているという。渥美絞り(アツミシボリ)はそうした中で生まれたオリジナル品種である」だそうである(園芸品種図鑑)。絞りという着物のデザインからの着想で、いかにも日本らしい命名だと思う。装飾花に絞りのような質感があって、ユニークだ。花の色どりの多彩さではなく、質感で勝負する珍しい品種だろう。

(2019-06 東京都 神代植物公園) 

 

 園芸品種図鑑

渥美絞り(アツミシボリ)はユキノシタ科アジサイ属(ヒドランゲア属)の落葉低木である。
分類体系によっては(APG第3版)アジサイ科とされる。
ヒドランゲア属はアジアと南北アメリカ大陸に70種くらいが分布する。
また多くの園芸品種が作出されている。(紫陽花図鑑参照)
日本でも紫陽花(アジサイ)などが栽培され、属名の和名はアジサイ属という。
本種は額紫陽花(ガクアジサイ)の系統の園芸品種である。
愛知県の渥美地域(田原市)で栽培されている。
この地域では40年以上の栽培の歴史があり、100種以上の品種が生産されているという。
渥美絞り(アツミシボリ)はそうした中で生まれたオリジナル品種である。
樹高は100センチから150センチくらいである。
葉は卵形で厚く、向かい合って生える(対生)。
葉に柊(ヒイラギ)のような粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は5月から6月である。
花序の周辺には濃い青紫色の八重咲きの装飾花がある。
装飾花には白い絞りが入って複色となる。
中央部は両性花になっている。
両性花は花径1センチにも満たない5弁花である。
属名の Hydrangea はギリシャ語の「hydro(水)+angeion(容器)」からきている。さく果の形からから名づけられた。
種小名の macrophylla は「大きな葉の」という意味である。
品種名の normalis は「通常の」という意味である。
学名:Hydrangea macrophylla f. normalis 'Atsumi Shibori'

 

 

 


日本の風土にあったしっとりとした花を咲かせるギボウシ

2019年06月25日 07時35分50秒 | 

今どきはいたるところでギボウシが花を開いている。園芸種としても好まれているためだろう。写真のは神代植物公園のものだが、大きな株のオオバギボウシである。
名前のもとになった擬宝珠は、橋の欄干などについているネギの花に似た飾りのことだ。すぐに思い出せない人は、葱坊主とも呼ばれるロシアの寺院のドームの形を思い浮かべるとよい。蕾がこの擬宝珠に似ているというのだが、この蕾から擬宝珠を連想するのは難しいかも。
若芽はおいしいらしいのだが、有毒のバイケイソウと間違える人がときおりいて、中毒事故になる。今年の四月にもバイケイソウの「おすそわけ事故」が発生していので注意が必要だ。
日本からシーボルトによってヨーロッパに伝えられたというのも意外である。たしかに日本の風土によくあいそうなした涼しげで、しっとりとした花ではある。「涼しさやぎぼしの花をなぶる風 政岡子規 」。

(2019-06 東京都 神代植物公園) 

ギボウシ

ギボウシ(擬宝珠)は、キジカクシ科リュウゼツラン亜科ギボウシ属(学名: Hosta)の総称である。山間の湿地などに自生する多年草。食用となり、花が美しく、日陰でもよく育つため、栽培される。

新エングラー体系及びクロンキスト体系ではギボウシ属はユリ科 Liliaceae に含められていた。

名称
「ギボウシ」は擬宝珠(ぎぼうしゅ)の転訛であるが、これはこの植物のつぼみ、または包葉に包まれた若い花序が擬宝珠に似ることに由来する。ギンボ(青森県)、タキナ(高知県)などの地方名がある。英語名 plantain lily は「オオバコユリ」という意味であるが、これはギボウシの葉がオオバコに似ているためである。

形態・生態
葉は幅広く根元から出る。

夏に総状花序に青色(白色の品種もある)の細長い花をつけ、マルハナバチなど大型のハナバチの訪花によって受粉される。

果実は朔果で3裂するが、栽培品種には結実しないものもある。

分布
東アジア原産。

人間との関わり
食材
日本にはオオバギボウシ(Hosta montana または Hosta sieboldiana var. gigantea)など20種ほどが野生し、いずれも東北地方から中部地方の一部でウルイと呼び、西日本でもギボウシ、タキナなどの名で山菜として若芽、若葉などが利用される。ただし、若葉が毒草のバイケイソウに似ており、誤食事故が多いので注意を要する。スジギボウシ(Hosta undulata)やその他雑種などが栽培される。栽培品の主な産地は山形県で、薄い黄緑色の若芽を出荷し、サラダ、浅漬け、油炒め、味噌和え、酢味噌和え、味噌汁、混ぜご飯、巻き寿司などに利用する。食味に癖はなく、噛むと少しぬめりがある。

園芸
江戸時代の日本で変異個体が多数園芸品種として固定され、さらにこれがシーボルトらによってヨーロッパに紹介されてヨーロッパでも多くの品種が育成された。

花言葉は「落ち着き」「沈静」「静かな人」。



擬宝珠の花 の例句

その後のいよよ白さよ花擬宝珠 石田波郷
わが胸は小さくなりぬ花擬宝珠 石田波郷
七十の母が二人や花擬宝珠 弟子 星野麥丘人
光晴の死の擬宝珠咲くばかりかな 平井照敏 天上大風
宿もとめがたき地なるぞ花ぎぼし 角川源義
小房の花のぎぼし点々野は覚めつつ 古沢太穂 古沢太穂句集
山に木なし玉簪花花咲く滝の道 政岡子規 擬宝珠の花
旅ゆけば我招くがに擬宝珠咲く 角川源義
涼しさやぎぼしの花をなぶる風 政岡子規 涼し
石仏の百態ぎぼしの花終る 角川源義
絶壁に擬宝珠咲きむれ岩襖 杉田久女
花ぎぼし月光坂に息杖おとす 角川源義
草刈も影もさやけし花擬宝珠 藤田湘子 途上
露の碑のこれより木曾路擬宝珠咲く 角川源義
風吹てぎぼうしの花砕けり 政岡子規 擬宝珠の花
馬返はるかに朝の擬宝珠咲く 角川源義


どこか気品の高さを感じさせる撫子ガクアジサイ(紫陽花シリーズ3)

2019年06月24日 12時23分54秒 | 

撫子ガクアジサイは、装飾花の末端のひらひら模様が素敵だ。撫子と似ているかと言われると、うーんだが。
それでもどこか気取りのある気品の高さが感じられて、忘れられない。
(2019-06 東京都 神代植物公園) 

 

 

撫子ガクアジサイ

アジサイ科アジサイ属の落葉低木。ガクアジサイの品種の一つで、装飾花のふちがギザギザしているのが特徴です。ナデシコの花に似ていることから、この名前がつきました。ガクアジサイは日本に自生するアジサイの原種です。花期は5~7月で、時間の経過とともに、花色が変化します。アジサイは両性花と装飾花の2種類で構成されています。ガクアジサイの周辺に咲いている花びらに見えるものは、装飾花(ガク)で、実を結ぶことはありません。中央部に咲くのが両性花で、結実し、種子をつくります。


ネジバナに似た可憐な花を捩じれてつけるハエドクソウ

2019年06月24日 06時51分22秒 | 

ハエドクソウの名前は蠅取り紙の原料にしたことによるものらしい。色と形がネジバナに似た可憐な花を、同じように捩じれてつける野草なのだが。写真の花の終わった部分はすでにイノコズチのような種になっている。これが動物の毛について運ばれるらしい。英語名のlopseedはこの種の部分に注目した名前だろうか。下の写真では、これから咲こうとする蕾も見えている。しかし蠅取り紙も昔懐かしい風俗になった。かつては夏の海水浴の宿などで見かけたものだが。

(2019-06 東京都 神代植物公園) 

ハエドクソウ

ハエドクソウ(蠅毒草、学名:Phryma leptostachya subsp asiatica )はハエドクソウ科ハエドクソウ属(クロンキスト体系ではクマツヅラ科)の多年草。有毒植物。

特徴
茎の高さは50-70cmになり、直立し上部は枝分かれする。茎には下向きの短毛が生える。葉は対生し、長い葉柄をもち、葉身は卵円形または長楕円形で、長さ7-10cm、幅4-7cmになる。葉の両面、とりわけ葉脈上に毛が生え、縁にはあらい鋸歯がある。

花期は7-8月。茎の先または葉腋から出る枝先に細長い穂状花序を出し、対生する花をまばらにつける。花穂の長さは10-20cmになり、花は小さな苞ごとに1個ずつつける。萼は先端が唇形となる筒状で、果期の長さ5-6mm、上唇の先端は長さ約1.5mmの3歯のある刺状になり、下唇は小型の2歯がある。花冠は白色または淡桃色を帯び、筒状で先端は唇形、上唇は浅く2裂し下唇は3裂して広く開く。雄蕊は4個。子房は2個の心皮からなり1室がある。果実は蒴果で、萼の先の刺状の歯が成長し、硬く残ってイノコヅチに似た下向きになり、人や動物などにくっついて運ばれる。1果実に1個の種子がある。

分類
基本種のアメリカハエドクソウはアメリカ合衆国北東部に分布し、本種は日本、ネパール、インド、パキスタン西部に分布するが、本種を亜種扱いとするか同種とするかで議論がある。本種より大型のものをナガバハエドクソウ(P. leptostachya L. subsp. asiatica (H.Hara) Kitam. f. oblongifolia (Koidz.) Ohwi)と呼んで区別する場合がある。

和名の由来、成分
和名ハエドクソウは、蠅毒草の意で、この植物全体に有毒成分があり、根をすりおろしたり、煮詰めた汁でハエ取り紙をつくるのに使われていることに由来する。主な毒の成分はリグナンの一種フリマロリン(Phrymarolin)で、食べると嘔吐などを引き起こす。

 

 


丸まった萼片のニュアンスのある彩が魅力的なウズアジサイ (紫陽花シリーズ2)

2019年06月23日 09時54分46秒 | 

萼片が内側に丸まり、渦を巻くように見えるので渦紫陽花と名付けられた。

このユニークな特徴ですぐに見分けがつく。

ちょっと絵の具のバレットを思わせるようなニュアンスのある彩も魅力的だ。

(2019-06 東京都 神代植物公園) 

ウズアジサイ 

ウズアジサイ [渦紫陽花]
開花時期 6月、7月
花の色 ピンク、青、紫
名前の読み うずあじさい
分布 園芸品種
生育地 庭植え
植物のタイプ 樹木
大きさ・高さ 1~2メートル
分類 ユキノシタ科 アジサイ属
学名 Hydrangea macrophylla Uzuazisai
花の特徴 萼片が内側にまるまって渦を巻くように見える。
花の色はピンクや青紫色のものがある。
葉の特徴 葉は卵形で、向かい合って生える(対生)。
葉の色は艶のある淡い緑色で、葉脈がはっきりしている。
葉の縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。

ウズアジサイはアジサイの園芸品種の1つである。
特徴は萼片が内側にまるまって渦を巻くように見えることである。
ウイルスに侵されたものが園芸品種として定着したという。
属名の Hydrangea はギリシャ語の「hydro(水)+angeion(容器)」からきている。さく果の形からから名づけられた。
種小名の macrophylla は「大きな葉の」という意味である。