野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

美しく枝垂れて咲く「雪柳」(早春の花 028)

2021年03月19日 08時20分47秒 | 

美しく枝垂れて咲く「雪柳」。これも春の訪れを告げる大切な花だ。ふつうはソメイヨシノが終わった頃に咲くというが、今年はユキヤナギも早い。雪の積もったように見える花だけに、俳句でも好まれている。「山門に雪のごとくに雪柳 山口青邨」。別名小米花は、花が枝垂れて散りこぼれるイメージと密接に結びついているようだ。「こぼれまたこぼれさそひて小米花 鷹羽狩行」。この二つのイメージほ重ねた秀句「こぼれねば花とはなれず雪やなぎ 加藤秋邨」。

(2021年早春 川崎市)

■早春の花シリーズ

「チロリアンデージー」(早春の花 001)
「クリスマスローズ」(早春の花002)
「ツルニチニチソウ」(早春の花 003)
「ペーパーホワイト」(早春の花 004)
「日本水仙」(早春の花 005)
「黄水仙」(早春の花 006)
「カラスノエンドウ」(早春の花 007)
「ラッパスイセン」(早春の花 008)
「ヒマラヤユキノシタ」(早春の花 009)
「ジンチョウゲ」(早春の花 010)
「ヒメオドリコソウ」(早春の花 011)
「アラセイトウ」(早春の花 012)
「オオイヌノフグリ」(早春の花 013)
「ハクモクレン」(早春の花 014)
「玉縄桜」(早春の花 015)
「タチツボスミレ」(早春の花 016)
「河津桜」(早春の花 017)
「ノースポール」(早春の花 018)
「ヒヤシンス」(早春の花 019)
「ミモザ」(早春の花 020)
「フレンチ・ラベンダー」(早春の花 021)
「シデコブシ」(早春の花 022)
「ムスカリ」(早春の花 023)
「レンギョウ」(早春の花 024)
「クロッカス」(早春の花 025)
「馬酔木」(早春の花 026)
「ヤグルマギク」(早春の花 027)

 

「ユキヤナギ」

科・属  バラ科・シモツケ属
和名 ユキヤナギ(雪柳)
英名  Thunberg’s meadowsweet
学名  Spiraea thunbergii
原産地  中国
開花期  4月
ユキヤナギ(雪柳)は春に枝一面に白い花が咲く落葉性低木です。ユキヤナギ(雪柳)の花丈は1~2m、土質を選ばずやせ地でも育つ、とても丈夫な庭木です。ユキヤナギ(雪柳)の名前の由来は、枝垂れような枝ぶりが柳に似ていて、その枝に雪のように真っ白な小花が咲く姿が雪を連想させることから名前がつきました。

ユキヤナギ(雪柳)は生育が良い植物なので、公園の花壇などに植えられています。開花後に株元まで切り戻しても新しい枝が伸びて、翌年には綺麗な花が咲きます。

 

雪柳 小米花 の例句 

あたたかき試歩をとどむる雪柳 日野草城
こぼれねば花とはなれず雪やなぎ 加藤秋邨
こぼれまたこぼれさそひて小米花 鷹羽狩行
ひくく在す墓一刷毛の雪やなぎ 古沢太穂 捲かるる鴎
ふたみことこぼしてやみぬ小米花 鷹羽狩行
ゆふづつや風のはつかに雪柳 石川桂郎 四温
リラ似合ふ人雪柳似合ふ人 後藤比奈夫
井戸ばたにこほれて白し小米花 政岡子規 小米花
四月の雪のあとの雪柳まさかり 荻原井泉水
城内に保育園あり雪柳 清崎敏郎
墓にさせば早やも散りけり小米花 細見綾子 桃は八重
妻逝きて百白近し雪柳 松崎鉄之介
小米花うまれし蝿にこぼれけり 百合山羽公 春園
小米花奈良のはづれや鍛冶が家 万乎
山吹の垣うら白し小米花 政岡子規 小米花
山門に雪のごとくに雪柳 山口青邨
拳骨を突き出しゆく子雪柳 加藤秋邨
枕所にて白曼陀羅の雪やなぎ 百合山羽公 樂土
母の忌や名残りの花の雪やなぎ 鷹羽狩行
水の上に出てうねり枝の雪柳 能村登四郎
生まれたる蠅を一滴雪柳 百合山羽公 寒雁
男と女夜目にも若し雪柳 右城暮石 句集外 昭和三十五年
病院に漸く馴れぬ雪柳 村山故郷
積る雪柳の形を定めけり 白井鳥酔
船曳の狭きに散れる雪柳 松崎鉄之介
行く人に籠居見らるるや雪柳 村山故郷
返り咲く小米花あり門の春 松本たかし
返り咲く雪柳より目に止めて 後藤夜半 底紅
遍路着の汚れを脱ぐ宿 雪柳 伊丹三樹彦
鉄橋のとゞろきてやむ雪柳 山口誓子
雪やなぎ海竜王寺風もなし 百合山羽公 樂土以後
雪やなぎ白濃き午前海が見たし 大野林火 雪華 昭和三十七年
雪やなぎ苑をしろくしひと死せり 山口誓子
雪柳くらべて桜蒲柳かな 平畑静塔
雪柳しきりにゆるる手紙書く 山口青邨
雪柳ひとかたまりの情かな 山口青邨
雪柳ふぶくごとくに今や咳く 石田波郷
雪柳ふるハンカチと吹きなびき 山口青邨
雪柳一ト朝露を綴りけり 松本たかし
雪柳仏の花となる悲し 高野素十
雪柳垣とし外に苗代田 山口青邨
雪柳妻より端書毎日来る 右城暮石 句集外 昭和三十六年
雪柳岩の上に咲き吾と吹かる 山口青邨
雪柳昼見し月を夜も見て 岡本眸
雪柳活けて艾屋奥暗し 松崎鉄之介
雪柳海へ傾く街の貌 角川源義
雪柳白き手套の手を振れり 山口誓子
雪柳白く烈風吹き収まり 右城暮石 句集外 昭和十六年
雪柳雪のごとくに夜は明くる 山口青邨
首洗ひ井戸のほとりの雪やなぎ 鷹羽狩行
鰈ほす風に小米花の咲きにけり 西島麥南 金剛纂



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