野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

小さな小さな雑草「ハコベ」(早春の花 046)

2021年03月28日 10時13分22秒 | 

小さな小さな雑草「ハコベ」。それでもよくみると二つに裂けた五枚の花弁がかわいい。どこにでも咲く花だが、今年はなかなかみつけられなかった。それでもう桜も咲く時期になってしまった。俳句では古い「はこべら」の呼び名も好まれるようだ。「心づけばいつもひとりやはこべ萌ゆ 藤田湘子」。

(2021年早春 川崎市)

■早春の花シリーズ

「チロリアンデージー」(早春の花 001)
「クリスマスローズ」(早春の花002)
「ツルニチニチソウ」(早春の花 003)
「ペーパーホワイト」(早春の花 004)
「日本水仙」(早春の花 005)
「黄水仙」(早春の花 006)
「カラスノエンドウ」(早春の花 007)
「ラッパスイセン」(早春の花 008)
「ヒマラヤユキノシタ」(早春の花 009)
「ジンチョウゲ」(早春の花 010)
「ヒメオドリコソウ」(早春の花 011)
「アラセイトウ」(早春の花 012)
「オオイヌノフグリ」(早春の花 013)
「ハクモクレン」(早春の花 014)
「玉縄桜」(早春の花 015)
「タチツボスミレ」(早春の花 016)
「河津桜」(早春の花 017)
「ノースポール」(早春の花 018)
「ヒヤシンス」(早春の花 019)
「ミモザ」(早春の花 020)
「フレンチ・ラベンダー」(早春の花 021)
「シデコブシ」(早春の花 022)
「ムスカリ」(早春の花 023)
「レンギョウ」(早春の花 024)
「クロッカス」(早春の花 025)
「馬酔木」(早春の花 026)
「ヤグルマギク」(早春の花 027)
「雪柳」(早春の花 028)
「イベリス」(早春の花 029)
「オオアラセイトウ」(早春の花 030)
「スノーフレーク」(早春の花 031)
「モクレン」(早春の花 032)
「ハナニラ」(早春の花 033)
「ヤマザクラ」(早春の花 034)
「ネモフィラ」(早春の花 035)
「キンギョソウ」(早春の花 036)
「福寿草」(早春の花 037)
「ベニスモモ」(早春の花 038)
「ソメイヨシノ」(早春の花 039)
「ハルジオン」(早春の花 040)
「キュウリグサ」(早春の花 041)
「コブシ」(早春の花 042)
「ヤエベニシダレ」(早春の花 043)
「カタバミ」(早春の花 044)
「ゼラニウム」(早春の花 045)

「ハコベ」

分類 ナデシコ科 ハコベ属
学名 Stellaria media
花の色 白
開花時期 2月 、 3月 、 4月 、 5月 、 6月 、 7月 、 8月 、 9月
誕生花11 月 25日花言葉初恋の思い出
花の特徴 茎のつけ根に花径4~6ミリの小さな白い五弁花をつける。 細い花びらが10枚あるように見えるが、これは5枚の花びらがそれぞれ2つに深く裂けているためである。
葉の特徴 葉は互い違いに生え(互生)、卵円形をしていて先は尖っている。
実の特徴 花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
この花について 属名の Stellaria はラテン語の「stella(星)」にちなむ。花の形が星形をしていることから名づけられた。 種小名の meadia は「草原の」という意味である。
その他 春の七草の一つで、葉を小鳥や兎のえさなどにする。 別名を小繁縷(コハコベ)という。 炒った粉に塩をまぜると、よいハミガキ粉になるという。 俳句の季語は春である。

生育地 田畑や畦道、道端、荒れ地など
植物のタイプ 多年草
大きさ・高さ 10~20センチ
分布 北海道から沖縄にかけて分布。 海外では、世界の寒帯から熱帯にかけて広く分布。

 

はこべ の例句 

*はこべもう霜の真白に葉を揃へ 右城暮石 句集外 昭和十三年
*はこべ蒲公英原爆以後の子も遊べり 藤田湘子 途上
*はこべ鮮し躓き入りし四五歩の間 藤田湘子 途上
いちはやく萌えしはこべは踏むまじく 清崎敏郎
すかんぽもはこべも応へてはくれぬ 星野麥丘人 2001年
ななくさのはこべのみ萌え葛飾野 能村登四郎
はこべらに物干す影の吹かれ飛び 野澤節子 未明音
はこべらのいしふみ古りし社日かな 星野麥丘人 2005年
はこべらの中に埋まり雀の子 細見綾子
はこべらの花にいよ~雪こまか 高野素十
はこべらはかたまつて萌え離々と萌え 清崎敏郎
はこべらは遊行の寺の雨落に 飴山實 句集外
はこべらやたてがみ薄き雨の馬 鷹羽狩行
はこべらや亡骸を掘る如くなり 藤田湘子 途上
はこべらや川岸の名の澱町 中村汀女
はこべらや日の当りゐる素焼甕 燕雀 星野麥丘人
はこべらや旧里にとどむ恨なし 赤尾兜子 玄玄
はこべらや春二重なす妻の顎 石田波郷
はこべらや焦土のいろの雀ども 石田波郷
はこべらや片空碧く暮れなづむ 角川源義
はこべらや犬も来てゐる草野球 村山故郷
はこべらや病手枕のうきしづみ 斎藤玄 狩眼
はこべらや雪嶺は午後うつとりす 森澄雄
はこべらを小鳥にやりし手で物食ふ 山口誓子
はこべ咲くにも頷く男 知命の髭 伊丹三樹彦
はこべ見て垣行くなりし家の花 細見綾子 桃は八重
むなしき冬を庭にはこべのあるあらぬ(青々先生逝去) 細見綾子
むなしき冬を庭にはこべのあるありぬ 細見綾子 桃は八重
やはらかきはこべと水と鴨帰る 百合山羽公 故園
わすれんやはこべらを食ひあまさぬ日 加藤秋邨
カナリヤの餌に束ねたるはこべ哉 政岡子規 はこべ
一粒の花ははこべや草青む 山口青邨
七草のはこべら莟もちてかなし 山口青邨
下萌のそこらはこべらいぬふぐり 山口青邨
何かありし跡輪になつてはこべ萌ゆ 右城暮石 声と声
冬*はこべ養子を田舎医にたよりをり 能村登四郎
冬の草青しはこべらとたんぽゝと 山口青邨
冬はこべ風のとどまるところなし 石田勝彦 百千
四五日をすぎしはこべの黄みかな 右城暮石 句集外 昭和九年
園の雨はこべ最もみどりなる 富安風生
引き抜かれきたる*はこべとしか見えず 後藤比奈夫
心づけばいつもひとりやはこべ萌ゆ 藤田湘子
栄達に遠しはこべら道に咲き 安住敦
水ためてある田の土にはこべの實 右城暮石 句集外 昭和九年
沖の眼を*はこべに戻す安らぎに 古舘曹人 能登の蛙
灰棄てに出る 朝あさの はこべ天国 伊丹三樹彦
無花果の盛りあげ泥に花はこべ 右城暮石 句集外 昭和九年
牡丹にあたりのはこべ延ぶがまゝ 杉田久女
牡丹にあたりのはこべ抜きすてし 杉田久女
稚牛の蹄血を透く冬はこべ 能村登四郎
筑紫野ははこべ花咲く睦月かな 杉田久女
粥草のなずなはこべら庭の内 山口青邨
草紅葉したりはこべに至るまで 清崎敏郎
萌え出でしはこべを試食して見たし 右城暮石 散歩圏
萌ゆるものもとよりはこべのみならず 清崎敏郎
落枝の下びつしりと冬はこべ 石田勝彦 秋興
薺咲く はこべ咲く この懸命事 伊丹三樹彦
衣古りてもはこべに跼みかゞやくや 岸田稚魚 雁渡し
雨享けて墓のはこべは血より濃し 古舘曹人 砂の音



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