野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

春に少ない黄色の花で目立つ「レンギョウ」(早春の花 024)

2021年03月17日 09時58分24秒 | 

春に少ない黄色の花で目立つ「レンギョウ」。生垣に多く使われる。この花が咲くと、ああ春だなと実感する。「出雲風土記」に連翹の名前が記載されているというが、到来は江戸時代という説もある。英名「金色のベル」(golden bellsgolden bell flower)は納得の名前だ。俳句でも好まれた季題だ。「連翹の黄のうとましき昼下り 鷹羽狩行」という気持ちもなんとなくわかる。

(2021年早春 川崎市)

■早春の花シリーズ

「チロリアンデージー」(早春の花 001)
「クリスマスローズ」(早春の花002)
「ツルニチニチソウ」(早春の花 003)
「ペーパーホワイト」(早春の花 004)
「日本水仙」(早春の花 005)
「黄水仙」(早春の花 006)
「カラスノエンドウ」(早春の花 007)
「ラッパスイセン」(早春の花 008)
「ヒマラヤユキノシタ」(早春の花 009)
「ジンチョウゲ」(早春の花 010)
「ヒメオドリコソウ」(早春の花 011)
「アラセイトウ」(早春の花 012)
「オオイヌノフグリ」(早春の花 013)
「ハクモクレン」(早春の花 014)
「玉縄桜」(早春の花 015)
「タチツボスミレ」(早春の花 016)
「河津桜」(早春の花 017)
「ノースポール」(早春の花 018)
「ヒヤシンス」(早春の花 019)
「ミモザ」(早春の花 020)
「フレンチ・ラベンダー」(早春の花 021)
「シデコブシ」(早春の花 022)
「ムスカリ」(早春の花 023)

「レンギョウ

レンギョウの基本情報
学名:Forsythia
和名:レンギョウ(連翹)  その他の名前:レンギョウウツギ、イタチハゼ(古名)
科名 / 属名:モクセイ科 / レンギョウ属

特徴
一般にレンギョウ属の植物を総称してレンギョウと呼んでいます。しかし、レンギョウ(Forsythia suspensa)という標準和名をもった種があります。この種は中国原産で、早くから欧州へ紹介され広く普及している園芸的に重要な種です。
レンギョウ属は中国大陸、朝鮮半島および日本に自生していますが、日本ではシナレンギョウ、チョウセンレンギョウ、アイノコレンギョウなどが広く植えられています。日本原産のヤマトレンギョウやショウドシマレンギョウは、花数が少なくあまり植えられていません。レンギョウ属は北海道南部から九州まで広く栽培されています。

基本データ
園芸分類 庭木・花木
形態 低木 原産地 中国
草丈/樹高 1.5~3m 開花期 3月中旬~4月中旬
花色 黄 栽培難易度(1~5) 
耐寒性 普通 耐暑性 普通
特性・用途 落葉性,生け垣向き,盆栽向き

 

連翹 の例句 
いたちはぜ日輪天に鋼鉄なす 飯田蛇笏 白嶽
かんばせやいま連翹の中通る 森澄雄
きはまりて連翹の黄は緑さす 松村蒼石 雁
くちづけて連翹あまき露のたま 飯田蛇笏 白嶽
たもとほる兵の郷愁いたちはぜ 飯田蛇笏 白嶽
べっとりと連翹黄なり復活祭 百合山羽公 寒雁
また一人はなれて立ちて連翹黄 後藤夜半 底紅
れんげうの朝なり妻も子もとほき 大野林火 海門 昭和七年
れんげうの風吹き入れよ微笑仏 雨滴集 星野麥丘人
れんげうやこゑこそ妙にをとめどち 上田五千石『琥珀』補遺
れんげうや壺をつつみてふろしきに 岡井省二 五劫集
れんげうや夜目に拾へる妹がみち 石川桂郎 四温
不満で連翹の花黄なる日々 中川一碧樓
人待つと連翹活けて湯を沸かす 下村槐太 天涯
古佛見て連翹の晝憂かりけり 藤田湘子 途上
四阿の障子にかまれ連翹花 阿波野青畝
基督は鬱にあらずやいたちぐさ 亭午 星野麥丘人
壷の連翹庭の連翹夕心 高田風人子
大阪を西に霞の連翹花 右城暮石 句集外 昭和九年
山坂や雨をはじきていたちぐさ 星野麥丘人
旅三日連翹の花こゝに咲く 高野素十
枝先を全枝余さず連翹花 右城暮石 句集外 昭和五十四年
枝揺れて連翹の黄の固くなる 後藤夜半 底紅
業平朝臣連翹寺を在所かな 百合山羽公 樂土以後
此春も早連翹の散りかゝる 政岡子規 連翹
死病診るや連翹の黄に励まされ 相馬遷子 雪嶺
流速に連翹の黄の靡きつれ 上田五千石『森林』補遺
焼跡の片隅にゆれ連翹は 松崎鉄之介
熔岩に伸びて連翹花ざかり 阿波野青畝
皃よせて見る連翹や雨の中 右城暮石 句集外 昭和七年
目に汲みて連翹の黄の冷たけれ 斎藤玄 狩眼
目に立ちて連翹ばかり遠敷(をにふ)郡 森澄雄
瞭らかに山息づきぬ連翹忌 藤田湘子 てんてん
石垣を垂れて二三花いたちはぜ 飯田蛇笏 白嶽
空白のありてすなはち連翹黄 後藤夜半 底紅
篤忌の連翹の花遅れたり 山口青邨
芽吹く中黄なるは咲きて連翹に 林翔 和紙
若者と大断絶や連翹忌 藤田湘子 てんてん
薪積む畑新しく連翹花 右城暮石 句集外 昭和八年
行き過ぎて尚連翹の花明り 中村汀女
走りゆく景色の中に連翹黄 右城暮石 句集外 昭和六十三年
近よりて紛ふ方なき連翹花 右城暮石 句集外 昭和八年
連翹が溢れ桜が溢れけり 相生垣瓜人 負暄
連翹が色めきわたり明日を待つ 細見綾子 桃は八重
連翹に一閑張の机かな 政岡子規 連翹
連翹に似て非なる木の花黄なり 政岡子規 連翹
連翹に声ありとせば嬌声か 鷹羽狩行
連翹に山風吹けり薪積む 飯田蛇笏 山廬集
連翹に月のほのめく籬かな 日野草城
連翹に登り来し息はづませて 右城暮石 声と声
連翹に白き鳩ゐて動きけり 日野草城
連翹に空のはきはきしてきたる 後藤比奈夫
連翹に継ぐ金雀枝の黄は強し 松本たかし
連翹に芽やアンテナと丈競ひ 石川桂郎 高蘆
連翹に顔近づけて見たくなる 右城暮石 散歩圏
連翹に首めぐらして遠嶺見る 斎藤玄 狩眼
連翹の*ずわえに花のまみれつく 右城暮石 散歩圏
連翹のうつる家より渡舟かな 水原秋櫻子 葛飾
連翹のはつはつ汝を愛しをり 森澄雄
連翹のひかりに遠く喪服干す 鷲谷七菜子 天鼓
連翹の一度び光浴び切りに 中村草田男
連翹の一枝づゝの花ざかり 星野立子
連翹の下に連翹挿木かな 高野素十
連翹の先づ魁けし蝦夷の春 清崎敏郎
連翹の咲きのさかりの聖林寺 森澄雄
連翹の垂れたるところ下萌ゆる 山口青邨
連翹の垣をつらねてあたたかき 日野草城
連翹の夜毎黄が濃し何かある 三橋鷹女
連翹の庭駈けすぎし雉子のあり 水原秋櫻子 殉教
連翹の明るさダムを照らすほど 右城暮石 散歩圏
連翹の枝の白さよ嫋さよ 山口青邨
連翹の枝輪となりて空捕へ 上野泰 佐介
連翹の枯四五尺に花の黄が 右城暮石 句集外 昭和九年
連翹の潤める花や水曇り 石川桂郎 含羞
連翹の猖獗ぶりや黄みどろに 百合山羽公 樂土
連翹の繩をほどけば八方に 山口青邨
連翹の花に葉が出てまぎれあり 松本たかし
連翹の見えるところで老いてゐし 飯島晴子
連翹の迷ふことなき明るき黄 後藤比奈夫
連翹の雨に乱れてしどろ也 政岡子規 連翹
連翹の雨見てゐたり膝並べ 森澄雄
連翹の鬱金に雪の二月かな 三橋鷹女
連翹の黄のうとましき昼下り 鷹羽狩行
連翹の黄のことさらや宿酔 鈴木真砂女 夏帯
連翹の黄のはじきゐるもの見えず 後藤夜半 底紅
連翹の黄の一翔に合格す 上田五千石『森林』補遺
連翹の黄は見習はず山茱萸黄 後藤比奈夫
連翹はやきもち花やうすぐもり 雨滴集 星野麥丘人
連翹は散つて玉巻く芭蕉哉 政岡子規 芭蕉の巻葉
連翹は雪に明るき彼岸かな 渡邊水巴 白日
連翹やこけし飾らむ他人の家 小林康治 四季貧窮
連翹やたばねられたる庭の隅 政岡子規 連翹
連翹やむかしは市の七日町 上田五千石『天路』補遺
連翹や三戸もやひの筧水 上田五千石『琥珀』補遺
連翹や人過ぎ人過ぎ黄うする 下村槐太 天涯
連翹や位牌拭ふに白き布れ 松村蒼石 雁
連翹や天の緑に枝とどく 百合山羽公 寒雁
連翹や手古奈が汲みしこの井筒 水原秋櫻子 葛飾
連翹や明智の森は口丹波 角川源義
連翹や昨日は雨にえり挿して 藤田湘子
連翹や歳月我に現なし 角川源義
連翹や真間の里びと垣を結はず 水原秋櫻子 葛飾
連翹や紅梅散りし庭の隅 政岡子規 連翹
連翹や語尾を高音に出羽をとめ 上田五千石『天路』補遺
連翹や雨の堅田の蓮如みち 雨滴集 星野麥丘人
連翹を走りぬけたる猪の震え 金子兜太
連翹を鎮むる雨の降り続く 相生垣瓜人 明治草抄
連翹咲けば日のあかり古人の心 中川一碧樓
連翹忌日陰に生きて光源たり 香西照雄 素心
連翹忌智恵を光となせば成る 香西照雄 素心
連翹直々(すくすく)円満になる詩人達 中村草田男
連翹花咲きたるる地の霑へり 飯田蛇笏 白嶽
進徳館れんげう垣のしをり戸を 大野林火 潺潺集 昭和四十三年
道曲るところに猫と連翹と 藤田湘子 神楽
遠くゐて連翹の黄と思ひをり 森澄雄
遠山を連翹の黄の立ちふさぐ 波多野爽波 鋪道の花
野の霞吹きよす山辺連翹花 右城暮石 句集外 昭和四年
鉢栽の連翹に来る小鳥哉 政岡子規 連翹
雨弾きゐし連翹も暮れにけり 岡本眸
雪折の連翹すいと長き枝 高野素十
飯坂に夜明け連翹ばかりかな 森澄雄
黄も黄なりいたちはぜとも言ふからに 藤田湘子 てんてん



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