野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

ユニークな花の形が魅力的なヒヤシンス(早春の花 019)

2021年03月15日 07時44分20秒 | 

球根から育つ春の花「ヒアシンス」。青紫の花がクラシックだ。アポロンに愛されたが、アポロンの投げた円盤にあたって死んだ若者ヒュアキントスから名付けられた。死の間際に流した深紅の血が地面を染めて、そこから深紅の花が咲き出したという。洋花だが、俳句でも好まれた季題だ。「大地より噴きてむらさきヒヤシンス 斎藤 道子」。

(2021年早春 川崎市)

■早春の花シリーズ

「チロリアンデージー」(早春の花 001)
「クリスマスローズ」(早春の花002)
「ツルニチニチソウ」(早春の花 003)
「ペーパーホワイト」(早春の花 004)
「日本水仙」(早春の花 005)
「黄水仙」(早春の花 006)
「カラスノエンドウ」(早春の花 007)
「ラッパスイセン」(早春の花 008)
「ヒマラヤユキノシタ」(早春の花 009)
「ジンチョウゲ」(早春の花 010)
「ヒメオドリコソウ」(早春の花 011)
「アラセイトウ」(早春の花 012)
「オオイヌノフグリ」(早春の花 013)
「ハクモクレン」(早春の花 014)
「玉縄桜」(早春の花 015)
「タチツボスミレ」(早春の花 016)
「河津桜」(早春の花 017)
「ノースポール」(早春の花 018)

ヒアシンス(ヒヤシンス)の基本情報
学名:Hyacinthus orientalis
和名:ヒアシンス(風信子)  その他の名前:ヒヤシンス、夜香蘭、ダッチヒアシンス
科名 / 属名:キジカクシ科 / ヒアシンス属

特徴
ヒアシンスはチューリップやスイセンなどと並んで、春の花壇を彩るポピュラーな秋植え球根です。葉と花とのバランスがよく、均整のとれた草姿でボリューム感もあり、強い香りを漂わせます。ギリシャ神話にも登場し、古くから観賞されて数多くの品種がつくり出されてきました。日本では、10品種ほどが栽培されています。野生種の花は青紫色ですが、園芸品種は花色も豊富です。主にオランダで育成され、ダッチヒアシンスと呼ばれています。球根の表皮が花色と同じような色なので、球根を見るとおおよその花色がわかります。通常は1球から1本の花茎が出ますが、大きな球根では、さらに1~2本の花茎が伸びてきます。最近は、何本もの花茎が一度に出て咲く、マルチフローラタイプの品種も育成されています。
また、水栽培が容易で、すらりと伸びた白い根や、透明な容器とマッチした全体の美しさはヒアシンスならではのものです。

※科名:ヒアシンス科、ユリ科で分類される場合もあります。

基本データ
園芸分類 球根
形態 多年草 原産地 ギリシャ、シリア、小アジア
草丈/樹高 約20cm 開花期 3月~4月
花色 赤,ピンク,白,黄,青,紫 栽培難易度(1~5) 
耐寒性 強い 耐暑性 強い(夏期は休眠)
特性・用途 香りがある,耐寒性が強い

 

ヒヤシンス

いたづらに葉を結びありヒヤシンス 高濱虚子
うつぶせに寝て父の夢ヒヤシンス 大木あまり 雲の塔
だまされたふりをしてゐるヒヤシンス 佐野典子
へろ~と咲きつかれたりヒヤシンス 永井翠畝
みごもりてさびしき妻やヒヤシンス 瀧春一
ガーデンの女あるじやヒヤシンス 五十嵐播水 播水句集
ヒヤシンスなす髪揺りてよゝと泣く 林原耒井 蜩
ヒヤシンスにほふ三時の花時計 野入京子
ヒヤシンスひしめき咲きて三株かな 星野立子
ヒヤシンスひとりつきりは夢見がち 鎌倉佐弓
ヒヤシンス二列に咲きて濃紫 城戸崎 松代
ヒヤシンス吾が真髄を我と知る 見館定子
ヒヤシンス咲いて和らぐ啄木像 法本フミ女
ヒヤシンス妻亡きあとは地におろす 田村萱山
ヒヤシンス彼の日の同じ藍の濃し 仁杉とよ
ヒヤシンス日溜の色頒ち合ひ 小坂かしを
ヒヤシンス束ねて胸に光置く 仙田洋子 橋のあなたに
ヒヤシンス水に根を張り卒業期 樋笠文
ヒヤシンス水栽培の根を張れり 若木一朗
ヒヤシンス湖照らむには春浅し 有働亨 汐路
ヒヤシンス犬聞いてゐしわかるらし 中村汀女
ヒヤシンス獣のやうに夜は届き 櫂未知子 蒙古斑以後
ヒヤシンス空しか見えぬ窓なりし 麻生玲子
ヒヤシンス窓にかがやく沖の雲 中村 信一
ヒヤシンス紫は祖母眠る色 入口久弥女
ヒヤシンス高きを渡る風に和す 有馬朗人
ヒヤシンス鴎の眸過ぎゆけり 千代田葛彦
一筋の繩引きありてヒヤシンス 高浜虚子
乳の香は風信子色汝の辺より 文挟夫佐恵 黄 瀬
入試地獄に水栽培のヒヤシンス 津田翠女
午後の日の影重ねあふヒヤシンス 岡部六弥太
友二忌の土割つて萌ゆヒヤシンス 鈴木しげを
味ききりし鏡の前のヒヤシンス 麻田ツル
園丁や胸に抱き来しヒヤシンス 島村元句集
墨の香も孫に磨らせつ風信子 瀧井孝作
大地より噴きてむらさきヒヤシンス 斎藤 道子
宇宙是れ洗濯板にヒヤシンス 攝津幸彦
室蘭や雪ふる窓のヒヤシンス 渡辺白泉
思ひ切り悪き女やヒヤシンス 高澤良一 燕音
敷く雪の中に春置くヒヤシンス 水原秋櫻子
春昼や村の床屋のヒヤシンス 田中冬二 麦ほこり
春来ぬと風憂かりけりヒヤシンス 水原秋櫻子
替へたての水虹色にヒヤシンス 平田はつみ
根も花もさらし学舎ヒヤシンス 二村典子
水にじむごとく夜が来てヒヤシンス 岡本眸
水栽培針の根降ろすヒヤシンス 高澤良一 宿好
眼をとむるヒヤシンスあり事務の閑 日野草城
眼を伏せてほくろが媚びるヒヤシンス 日野草城
縁の日に映る葉裏やヒヤシンス 島村元句集
脳病むに似てヒヤシンス凭れ合ふ 堀 葦男
足裏のとげぬく女神ヒヤシンス 有馬朗人
遠く見ゆ雪に影置くヒヤシンス 秋元草日居
遺失物係の窓のヒヤシンス 夏井いつき
銀河系のとある酒場のヒヤシンス 橋間石
髪切つて逆らふ少女ヒヤシンス 中拓夫
髪編みて輪ゴムでとめてヒヤシンス 西本一都 景色



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