Master Builder (Remastered 2018)
久々に、カンタベリー・ロック特集です。
やっぱり、このバンド、「GONG」を紹介しないわけにはいかないでしょう。
創設者のデヴィッド・アレンはオーストリア人だし、このバンドの本拠地はフランスのパリなので、ずばりカンタベリー・ロックではないのですが、デヴィッド・アレンはソフト・マシーンのオリジナル・メンバーの一人です。そして、やってる音楽もソフト・マシーンに近いので、カンタベリー・ロックの一派と言ってまちがいありません。
1967年結成のゴングですが、今回ご紹介するのは1974年発表の5作目「ユー」からです。
メンバーはデヴィッド・アレン(V,g)、スティーブ・ヒレッジ(g)、ジリ・スマイス(g)、ピエール・ムーラン(d)、ティム・ブレイク(K)、マイク・ハウレット(b、v)、ディディエ・マルレブ(sax、フルート)という時代で、「The Radio Gnome Invisible 見えない電波の妖精の物語」三部作(フライング・ティーポット、エンジェルズ・エッグ、ユー)の最終作です。
この時代のゴングは、多くのファンが表現するように、サイケデリック的で、スペーシーです。この頃のプログレというのはある意味、尖がっていてわかりにくい面もあるのですが、聴きこむと快感になる音楽で、ゴングも最初は?と思うところがありますけど、気持ち良くなっていく気がします。ソフト・マシーンよりは軽い感じがするんですが、私の個人的な感覚かもしれません。
まず、ご紹介するのは、4曲目「Master Builder」。スペーシーなシンセに原始的な躍動感を持つドラムに激しいサックスの組み合わせがまさにジャズ・ロック的展開。実にかっこいい。3分30秒過ぎにちょっとおふざけ的展開がありますが、元にもどります。そして、変態的ギター・プレイが入り、ちょっとした聴きどころになります。ソフト・マシーンよりはるかにロックっぽい曲ですね。ドラムがすごい。この人はテクニシャンですね。ロバート・ワイアットよりもすごいかも。ベースも何気にうまいなー。
次にこの曲。5曲目。「A Sprinkling Of Clouds」です。いかにもプログレっていう感じのシンセではじまります。なかなか展開しないのですが、3分過ぎからベースが主張してきます。そして、4分過ぎからドラムが入って、ロックっぽくなります。5分過ぎからパワフルな混沌の世界へ。激しいギターが入り、7分過ぎからバイオリンっぽい音が入り、サックス、フルートも入ってくる。最後の盛り上がりがすごい。 間違いなく、このアルバムのハイライトだと思います。
A Sprinkling Of Clouds (Remastered 2018)
というわけで、もっともわかりやすく、躍動感のある2曲ご紹介しました。
アルバム全体としては、単調なところがあったり、ふざけたようなところがあったりで、気の短いリスナーには耐えられない部分もありますが、まったり聴く人ならば、楽しめると思います。
このバンドはプログレらしさに溢れています。マニアにたまらないでしょうね。一般の音楽ファンがとっつきにくいけど・・・(笑)。聴きこめば聴きこむほど虜になる要素があるような気がします。聴きこみを要求するツウのためのロックのような気がします。
このバンドはメンバーの入れ替わりが多く音楽性も変化がありますので、研究すると面白そうですが、きりがないのでカンタベリー・ロック特集ではこの作品にとどめておきますね。
さて、次回のカンタベリー・ロック特集はソフト・マシーンにメンバーを供給したジャズ・ロック・バンド、「ニュークリアス」を取り上げますのでよろしくお願いします。
ラジオ・ノーム・インヴィジブル三部作の完結編で初期GONGを代表するアルバムですね。
フルートの音色て語るようなナレーションで幕を開ける本作はサウンド面でサイケでありながら1stや2ndの完成度がより高まりプログレッシブになってきますね。
特にラストでは10分を超える2曲は圧巻ではないかと思います。
この後ギターのスティーヴ・ヒレッジはソロに、ゴングもドラムのピエール・ムーランズ中心に分かれますがどれも傑作でした。
コメントありがとうございます。
ゴング、お好きなんですね。
プログレらしいプログレ・バンドだと思います。
大衆に迎合してないので、いわゆる普通のポップス・ファンは近寄らない。そのへんが、キャラヴァンとは違う魅力を放ってると思います。
「Master Builder」の冒頭は “スペーシー” という形容がピッタリですが、個人的には “スピリチュアル” な印象も感じてました。
仰る通りGONGはメンバーの変遷が凄まじいですね~。
挙句の果てには言い出しっぺのデヴィッド・アレン自身が脱退するくらいですから(苦笑)
その後のGONG(アラン・ホールズワース在籍時)も結構お気に入りなのですが、若干作風が変化しちゃいましたね。
コメントありがとうございます。
お持ちだったんですね^^
確かに、スピリチュアルなところもあるかもしれませんね。
ソフトマシーン同様、メンバーの変化、サウンドの変化がありますが、それぞれ楽しめると思います。
コメントありがとうございます。
スティーブ・ヒレッジは人気ありますね。
フィッシュ・ライジングは色々な音が楽しめますね。
あの頃の、プログレにはドキドキします。
どんな音が出てくるんだろう?なんて感じで。
おはようございます。コメントありがとうございます。
スティーブ・ヒレッジ、大人気ですね。
私の仲間うちでは、それほどでもなかったのですが、けっこう人気者なんですね。
プログレ・ファンにとっては、必聴のギタリストってところでしょうか?