Queen, "Queen II," Side 1 ("White"), Medley 1
クイーンのセカンドアルバムは文句無しの名盤である。
確か、当時のロック雑誌「ミュージックライフ」で1974年のベストアルバムに選出されていたと記憶している。
当時、まだ新人バンドで、アメリカやイギリスで全く評価されていなかったのに、クイーンが日本のロックファンに与えた衝撃はあまりにも大きかった。結局、クイーンは日本での成功があったからこそ、その後の世界的な成功へと向かったのではないか?
私も、このアルバムのプロセッションという導入部を初めて聴いた時、鳥肌がたった。
こんなに劇的な音楽があるんだろうか?すごいっ!!
そう思ったものである。
当時から40年以上たっているわけだが、未だにその時の感動は蘇ってくる。
ところで1974年当時のことを思い出すと、当時はロックとポップスが明確に分かれていたような気がする。
誰でも聴くことのできる親しみが持てるメロディアスな洋楽がポップス。
ちょっと本気になって聞かないと理解できないのがロック。そういうイメージだ。
わかりやすい例を挙げると、私の場合、ロックの世界にはまる前の中学2年生始めの頃は、プログレを聴いても、訳がわからなかった。ハードロックを聴いてもうるさい音楽だなと思った。ロックを本格的に聞いている人間からみると、まさに「してやったり」という感じで、ロックはわかる人間しかわからないんだよ。わからないやつは、ポップスを聴いてればいいよ、という態度だったと思う。
唯一特別な存在がビートルズで、ビートルズだけは、ポップスファンでも、ロックファンでも両手をあげて、絶賛したものである。
そんな時代の中、ポップスファンでもびっくりするほど聞きやすいハードアンドプログレの要素をもったバンドが登場した。
それがクイーンである。
私は、このクイーンをきっかけにロックの深い世界に入っていく。
クイーンは3作品め以降どんどんポップになっていき、多くのファンをつかみ巨大になっていく。
前述した「ロックは一般の人に理解されては困る」と考えるタイプのファンにとっては、「どうして?」といった困惑があったのだが、今になって振り返れば、小さなことだ。
それにしても、やはり初期のクイーンはすごい。何度でも聴きたくなる。
そこで考えるのは、なぜ初期のクイーンが日本で成功したのかということだが、私は「美意識」にあると思う。モザイク状に作り込まれた作品は繊細で美しく、劇的な音の動きと展開はまさに日本人の嗜好、趣味にぴったりだった。
それを再確認した。このアルバムで。