KFCブログ~Growing old is not shame~

格闘芸術家集団KFCブログ、満を持して復活です。
明るく楽しく真剣に格闘技に取り組む社会人の格闘倶楽部です。

タイ後記~心友~

2013-08-04 15:58:18 | 友人紹介


わかってはいたことですが、タイから帰国してからというもの日常に追われております。
そんな中で時間を見つけて海岸の周りを走ったりシャドーをしたり、自分のペースで続けています。

タイについて書き残していたことをもう少し書こうと思います。
彼はレック。私と同い年のタイの友達です。
彼のことは以前も書きましたが、私の定宿グランドマンダリンホテルのスタッフをしながら、ラットプラオ132通りでタイウイスキーのチョイ飲み屋台を開いています。
今までずっと一人でタイに来ていた私は、寂しくなって誰かと話したくなると必ずといっていいほどレックのところで一杯やりながら相手をしてもらっていました。
レックはあまり英語が話せず、私もタイ語はほとんど話せませんがそんなことはどうでも私達はちゃんと会話が成り立つのです。(拳で語り合ったわけじゃありません。笑)
少しの英語とタイ語、それからお互いの表情とジェスチャーで、私はこの同い年の気の良い男と今まで十分に意思疎通ができました。
それは不思議で、とても愉快なことでした。
周りで飲んでいる見ず知らずの街の人達とも身振り手振りで会話し、みんな思い思いのおつまみを近くのセブンイレブンで買ってきては、分け合って楽しく飲んだりもしました。
いつの間にか無くなってしまったけど、かつて蒲田にあった屋台のおでん屋さんみたいに、ここで飲む人はみんな仲間みたいな、奇妙で心地よいコミュニティーがここにはまだあります。

ある晩ひょっこりその屋台に嫁さんを連れて顔を出したらレックは喜んでくれました。
私はレックとの再会が嬉しく、場違い感満載の嫁さんを少しだけ放ったらかして(笑)、その日はしこたま飲みました。
明くる日のロードワーク時に後悔の海に溺れるほど飲みました。(笑)
なぜだかもうほとんどお酒を飲もうとしないレックは、二人目の子供ができたのだと言っていました。
俺達はもうこんな歳になっちまったんだと、酔いの回った鼻先辺りの意識の中で思いました。

それからも滞在中に何度か寄って以前のように一緒に飲もうとしました。
するとレックはこう言ったのです。
「ナオキ、こんなところで飲んでないで部屋に帰ってシャワーして寝なよ。そんで明日またボクシング頑張んなよ。」

その晩は大人しく帰って、後になってなんだかレックの言葉にジーンと来ました。
レックはチョイ飲み屋の親父で、私は友達だけどお客でもあります。
本当は毎日来てたくさん飲んでくれた方が商売としては良いはずです。
でも、レックは嫁さんを連れてきた私の立場と私の身体のことを気遣って、こんなところで飲まないで嫁さんと一緒にゆっくり休めと言ってくれたのだと思います。
「アイツは本当にいいヤツなんだよ。本当に・・・。」
タイにいる間中、何度も嫁さんにレックの話を聞いてもらいました。