とんねるず主義+

クラシック喜劇研究家/バディ映画愛好家/ライターの いいをじゅんこのブログ 

蜘蛛の巣

2012年09月29日 16時14分07秒 | わたくしの詩と小説
1  森不二夫は、33才の春、世界でもっともすぐれた奇術師のひとりとよばれた。  かの“偉大なるゼウス”のひとり息子としてうまれた彼は、父が飛行機事故であっけなく死んだ15才の冬にその仕事を継いだ。  ゼウスは息子に奇術をおしえなかった。公演旅行で不在がちな父の記憶は、不二夫にはほとんどなかった。おぼえているのは、夢におびえて泣きだした幼い不二夫を、車の助手席に乗せ、真夜中の街をドライブす . . . 本文を読む