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違法性は認識すれども罪悪感なし

2005年12月15日 | ツッコミ
人の行動基準は「違法か合法か」よりも「罪悪感の有無」に支配されているようだ。もちろん多くの場合、違法なら罪悪感がある。しかしずれはある。構造計算書の偽造問題では、登場人物全員が(証言内容はともかく)違法だという意識を共有していたはずだ。ただ罪悪感については開きがある。

総合経営研究所の内河健所長はおそらく罪悪感はほとんどない。理由がある。現在の耐震基準が施行されたのは1981年。それ以前は耐震性の低い建物でも合法的に建てられた。現在71歳の内河氏は当時47歳、すでに相当な経験を積んで仕事に自信をもっていただろう。ところが「合法的に耐震性の低い建物でも建てられる」時代に積んだ経験だ。それまで指導した建物には何の問題もなかったとすれば、内河氏の目に映る新耐震基準は、建築コストが急増するだけの悪法そのもの。違反することに経済的な正義はあれども何ら罪悪感はない。

木村建設の木村盛好社長も内河所長と同年代。内河所長と二人三脚のように行動してきただけに罪悪感の意識も似ていたのではないか。

そしてヒューザーの小嶋進社長。この人は過去の経歴から想像すると、性格的に遵法意識が低いように思えてならない。

だが前に述べたようにいずれも違法だという意識ははっきりと持っている。事実が明らかになれば自分が刑事罰を受けることはよく分かっている。だから「知らなかった」「記憶にない」「姉歯がやった」と口を揃える。

他方、姉歯秀次元建築士だけは「自分がやった」「悪かった」と証言する。姉歯氏の建築家としての経験はそのほとんどが新耐震基準が施行されてからのもの。だから当初は強い罪悪感があったはずだ。しかし弱い自分がいて、確認機関の手抜きに責任転嫁しながら罪悪感を切り抜けてきたのだろう。

法治国家である以上、本人の罪悪感にはかかわらず、違法か合法かの基準で厳正に処罰すべき。ましてや知らぬ存ぜぬ、他人がやったと言い逃れする輩は特に厳しくしなければならない。偽証罪も合併罪として取り入れるなどして法律の範囲内でできる限りの刑罰を与えるべきだと考える。


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4 コメント

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Unknown (ちゃめ)
2005-12-15 16:24:23
TB有難うございます。

ご高説、同感です。

口先だけで逃げを打とうと言う人が、あまりにも多いですね、今回の事件は。

「モラルハザード」ですね。教育に良くないですね。

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全くその通りです (かりん)
2005-12-15 23:35:34
内河所長が罪悪感なしの背景がやっとわかりました。

昔の耐震基準は甘かったのですね。

罪悪感が判断の基準になるとしたらその後のの展開が読める人だけが逃げ切るということになりますね。

そうはさせてはなりません。

しっかり見続けていかなくてはと思っています。
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逃げれば逃げるほど (excel2000)
2005-12-16 14:47:50
ようこそ、ちゃめさん。

悪いヤツほど逃げやすい傾向はあるみたいですね。この事件でもいちばんの悪玉、っぽいのは今のところオトガメなしで推移しているみたいだし。



http://blog.goo.ne.jp/excel2000/e/e385b34fa3ececea746146e8b1a16fa1
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罪悪感を天秤に (excel2000)
2005-12-16 15:05:44
かりんさま

きっと、罪悪感と利益予測を天秤に掛けて重い方を選択する、って感じかな、と思っています。

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