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歌え!だらリーマン

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先行車撃墜

2009年07月07日 | 雑談
ずっと大昔、学生時代に車に乗っていたときのこと。初日の出を見ようと、元日の未明、友達を助手席に乗せて田舎の山道を突っ走っていた。数100メートル先を何台かの車が走っているのが見えた。

街灯のない山道なので前の車について走った方が楽。ちょっとスピードを上げて追いつこうとしたが、追いつかない。向こうも相当なスピードで走っているのが分かった。私は走り慣れた道だったのでがんばって追いついた。

4台の車がつるんで走っていた。ちょっとバカっぽい改造をした車もいた。私が追いかけたのは夜明け前の夜道を楽に走りたかっただけで、特に車間距離を詰めて煽ったわけではない。追い抜きができるほどの道幅もなければドライビングテクニックもない。山道とはいえ、上りでもなければ下りでもない、岬に向かう道。ただうねうねと曲がりくねった道である。慣れていないと速度は出しにくい。そのうち前の車列は速度を上げはじめた。仕方ないからこちらも速度を上げてついていく。すると私の車から数えて2台前の車(4台のうち前から3台目)が少しずつ遅れだした。

その運転者にとっては限界なんだろうと感じたが、その後ろの車、つまり私の前の車が車間距離を詰めて煽るように走る。ちょっと危ないと感じたので私は車間距離をとっていた。と、その瞬間、遅れかけていた車のテールランプが視界から消えた。助手席に乗っていた友人は「落ちた!」と叫んだ。

ガードレールはなかった。落ちたところは水田か沼かが半乾きになったような泥で、柔らかい。人は歩ける程度の固さだが、車はのめり込んでいた。そのおかげで衝撃は吸収されたものだと思われた。運転していた免許とりたてっぽい感じの少年。助手席にも同い年ぐらいの少年。怪我などはなさそうだったが声をかけても返事をしない。顔面蒼白で固まったような状態だった。

つるんで走っていた連中も同年代で遠巻きに見ている。「お前ら友達だろ!」と突っ込みたい気持ちは抑えて、落ちた車の窓を叩いて「怪我はないか、車から降りられるか」と声をかけた。そのうち仲間も車のところまでやってきて仲間だと確認できたので私はその場から離れて、初日の出を見に行った。

携帯電話などはない時代の話。その後どうしたのかは知らない。帰り道、事故現場では泥に刺さったままの車が放置されていた。

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